【R18】Under Control〜公安刑事がドSインテリヤクザに調教されるBL〜

MINAMI@白鳥湖

文字の大きさ
11 / 54
Trigger Night

⑥事後・黒崎視点

しおりを挟む
 夜明け前の午前四時。六本木。
 自室のベッドルームは、静かだった。潮が引いたあとの海みたいに、ベッドの上には、熱と、湿度と、静けさだけが残っている。
 榊原さんの身体はぐったりとベッドシーツに沈んでいる。
眠っている、というより気絶している、という表現が正しいだろう。
 何度も果てて、喘いで、叫んで。最後は、言葉も出ないまま、僕の腕の中で崩れ落ちた。
 肢体はすっかり力を失い、それでも肌だけは、まだほんのりと火照っている。
 指先で頬を撫でる。反応はない。
 けれど、その頬は、最初に会った時よりずっと温かく、柔らかだった。
「……綺麗ですよ、榊原さん」
 口に出して、初めて自覚する。
 そうだ。
 僕はこの人を、“綺麗に仕上げた”。
 理性の鎧を剥いで、身体を性感帯に作り変えて。
 叫ばせて、泣かせて、絶頂に溺れさせた。
 もう、逃げられない。
 逃がさない。絶対に。
 気絶したその姿さえも──美しい。
 シーツの上でぐったりと横たわる裸の背中。爪痕の残る肩と、白濁に濡れた腹部。張りつめた声も、震える脚も、すべてが今夜の“完成品”だ。
 そっと、ぬるま湯で絞ったタオルで、全身を拭ってあげる。どろりと垂れたローションも、丁寧に拭き取った。
 乱れた髪を整えて、下着を履かせ、ワイシャツを着せる。
「────あなたはもう、僕のものだ」
 耳元で囁く。
 自分のことを支配し、手中に納めるためにやってきた獣。
 そんな獣を、逆に己の蜘蛛の糸で絡め取ってやりたい。
 そして骨の髄まで────
────準備は、整った。
 あとは少しずつ、榊原孝之という男の歯車を狂わせていけばいい。
「榊原さん。……これは、“マーキング”ですよ」
 榊原さんの首筋に吸い付く。そして赤黒い跡をつけた。
 その証を抱いて、あなたはまた、公安のオフィスに戻る。
 どれだけ仕事で優秀でも、何人を欺いても、その首の裏には、僕のキスの跡が、ほんのりと残っている。
 それだけで十分。
 だって、榊原孝之さん。
 あなたは────
 もう“僕のもの”なんですから。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる

結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。 冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。 憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。 誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。 鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。

俺の現実にヤンデレ総受けBLパッチが当てられたんだが。

田原摩耶
BL
ある日突然弟や友人たちにあらゆる矢印向けられたりボコられたりするややホラーBLです

「大人扱いしていい?」〜純情当主、執務室で策士な従兄の『相性確認』にハメられる〜

中山(ほ)
BL
「ルイン、少し口開けてみて」 仕事終わりの静かな執務室。 差し入れの食事と、ポーションの瓶。 信頼していた従兄のトロンに誘われるまま、 ルインは「大人の相性確認」を始めることになる。

魔王に飼われる勇者

たみしげ
BL
BLすけべ小説です。 敵の屋敷に攻め込んだ勇者が逆に捕まって淫紋を刻まれて飼われる話です。

後輩が二人がかりで、俺をどんどん責めてくるー快楽地獄だー

天知 カナイ
BL
イケメン後輩二人があやしく先輩に迫って、おいしくいただいちゃう話です。

上司と俺のSM関係

雫@更新します!
BL
タイトルの通りです。読む前に注意!誤字脱字あり。受けが外面は一人称私ですが、砕けると僕になります。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

処理中です...