ないものねだり

まめだだ

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◇◇◇

第3話

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間宮の運転する車でペントハウスに戻ってくる。部屋に入るや背後から抱きつかれた。


「なに」

「なに話してたの、吉成。東坂とかあの職人と」


首筋に唇を寄せて喋るものだから、くすぐったくて身を捩る。
逃げるなと言わんばかりにきつくなる拘束。
長い指が服の下に潜り込んで、驚きに目を見張った。


「は、おま、うそだろ?こんなところで…!」

「だめ、待てない」


長い廊下の途中でのし掛かられて、きつく目を閉じる。

いやらしく肌をまさぐられ、下着越しにダイレクトに刺激されれば、そこはすぐに大きくなった。


「う…っ、く…!」


だがαに触れられて濡れるΩとはわけが違う。身体は昂っても、心がついていかない。


「っ、待て、間宮…!」

「むり。ごめん」


押し倒されて、下肢の衣服をすべて脱がされる。情けない姿のまま尻の肉を割り広げられ、舌を伸ばされた。


「ぅあンっ…!」


急に与えられた強い快感を素直に受け止めることもできず、混乱する。


「あ、あぁ…ッ、やめろ、間宮…っ」

「ごめんね」


間宮のごめんは口先だけだ。


彼自身の唾液をまとわせた指を挿入され、それはただ拡げるためだけに動く。ぐちゅと濡れた音に羞恥を掻き立てられる。
中をかき回される度に、びく、と腰が跳ねて、必死に固い床に爪を立てた。

いくらか柔らかくなったところで、ふいに間宮の指が離れて、ぱくりと口を開けた穴がひくひくと疼いているのがわかった。

背後を振り返れば、眉を下げて苦笑する間宮と目が合う。


「そんな目で見られたら止められないよ」


腰を押さえ、ずっ!と間宮の固く大きいものを一気に貫かれる。声にならない悲鳴が迸った。


「………っ!!」

「息、とめないで」


長大で熱いものをすべて収められてしまうと、いつも苦しくて息ができなくなる。

オレは間宮しか知らないから、それがαのものだからβには規格外なのかどうなのか、判断がつかない。ただ苦しくてたまらなくて、陸に打ち上げられた魚のように喘ぐオレの背中を大きな手がさする。

けれど同時に間宮の腰がゆるゆると動き出して、結局、オレは無様に床に崩れ落ちてしまう。


「っ、ん、んぁ…っ!」

「はっ、吉成…!」


大きく腰を使われ、奥を突かれると頭がぼんやりとしてくる。甘い声が溢れ、身体から力が抜けて自分がとろけていくのがわかった。


「や…!」


前に回った間宮の手がいたずらに胸を弾き、いやがって腰を捩れば、おもしろかったのかしつこく弄られる。


「あぁ…っ…!」


尖りきった乳首がつらい。
間宮の抽出のリズムにあわせて腰が揺れる。
性器の先端がぱくぱくと口を開いて、とろりとした粘液が溢れてくる。


「吉成、ぎゅうぎゅう締めつけてくるよ…っ」


動きが激しくなるにつれて、間宮の声も上擦っていく。
自分だけが翻弄されてるのではないと思っても、そんなものほんの一瞬。


「いく…っ、でるよ、出していい?」

「んん…っ、だめ、それやだっ!んぁあっ!」


腰骨が当たるほど強く腰を押しつけられ、一番奥をなぶるように動かれる。きゅうと下腹が甘く痺れて、堪らずびゅくと床に精を吐き出してしまう。

一拍遅れて内側に間宮の熱が放たれる。

最奥に塗りたくられるように最後の一滴まで出されて、はあはあと荒い息で倒れ込む。ずるりと間宮の熱が抜け出ると、受け止めきれなかった白濁がどろりと溢れた。

指先ひとつ動かしたくないほど億劫なのに、頭の中は妙に冷静で、Ωだったらせっかくのαの精を一滴たりとも溢すことなく受け止めるんだろうなと考える。


一方で、それがどれだけ馬鹿げた妄想かもわかっている。


「吉成」


間宮が近づいてきて、そのまま横抱きに抱き上げられた。
彼の方が大きいとはいえ、大して身長の変わらない男をいともたやすく腕に抱えられるのは、ひとえに間宮がαだからか。

間宮がΩと立て籠るあの部屋とは別の、間宮個人の寝室に入り、些か乱暴にベッドに投げ出された。


「待…っ!」


乱雑に服を脱ぎ捨てた間宮の手で、残されたわずかな衣類を剥ぎ取られる。
頬に伸ばされた手が触れる間際、反射的に身を竦ませてしまい、一瞬ためらいを見せたその手は、オレの頬を撫で、ゆっくりと下唇を辿った。


「琉って呼んで、吉成」

「いやだ」

「呼んで吉成、お願い」


かわいげのない口を塞ぐように、頤を引かれ深く口づけられる。
そのままオレの両足を抱え上げ、その間に身を寄せた間宮に再び深く穿たれた。


「………っ!」


先程と違い、今度ははじめから激しい動きで、ベッドのスプリングがぎしぎしと大きな音を立てる。

先程の行為ですでに消耗しているオレは、間宮の動きについていけず、ただすがり付くだけ。ぐちゅぐちゅと濡れた粘膜を擦られ、視界がぶれるような感覚に涙が散る。


「はっ、あ…っ、吉成、吉成…!」


眉をきつく寄せる間宮の表情はせつなく、ひどく色っぽい。


けれども。


―――こんなの、まるで肉人形。


身体は熱くて爆発してしまいそうなのに、小石のように硬く凝り固まった心が悲鳴を上げる。
Ωだったら絶倫なαにも最後までつきあえるはずで、途中でへばってしまうβなんて抱く意味があるのか。


されるがままに揺さぶられながら、涙が一筋、こめかみへと伝った。
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