ヴァンパイア狂想曲

水無月

文字の大きさ
5 / 17

第5話 幕間

しおりを挟む
その日、俺は大変なピンチに陥っていた。

全ての学生にとっての鬼門・・・そう。


テ  ス  ト

自慢ではないが俺の成績なんて普通意外の何物でもない。
ただでさえも若菜関係でろくに勉強なんてしていない。
完全に赤点コースである。
しかし俺には救済の女神がいた。
神様仏様若菜様であるよなあ。

しかし女神は甘くなかった・・・。

「なんで?なんでそんな回答になるの?やる気ある?」
「あるよ!仕方ねえじゃん分かんねえんだから!!」
「そんな訳あるかッ!私が分かるのにカケルが分からないとか有り得ない!」
「分かんねえんだって!」
「私のカケルがこんな問題解けないハズないんだよッ」
「・・・ええ・・・おう・・・頑張るわ」

チョロイって思うか?
君が好きなコに同じこと言われてみな?
第二第三の俺になるぜ?

若菜は可愛い。親切だし優しい。もちろん出来るのにやらないとかなら多分見捨てるんだろうけど。
そんな彼女が俺の隣にピタッとくっついて勉強を教えてくれている。
欲情しても仕方ないよね?
しかし吸血鬼って存在をナメてちゃいけない。
同じ環境で生きてる生き物・・・それは若菜も同じだった。

「ねえ・・・私、カケルのが欲しいなあ・・・」

やたら甘い声でそんな事を言ってきやがるのだ。
少しの血くらい大したことじゃないよな??

「んん・・・カケル、カケル・・・美味しいよお・・・」

もう味噌が蕩けてるよ俺も。
前にも言ったかもだけど、血を吸血鬼に吸われるって快感が凄い。
でも俺は耐えた。歯を食いしばって耐えた。
若菜が行為を終えるまで耐えた。多分この人生で一番の苦行だった。

「ふぁ・・・あ」

若菜が俺の首筋かその桜色の唇を離すと、若菜の舌と首筋には唾液が糸を引いていて・・・。
俺の理性は木っ端微塵になった。
でもハッキリ記憶に残っている。
俺の下で真っ赤になりながら胸の先端を固くして俺の舌の感触に喘ぐ若菜を。
俺の舌で、指で乱れる若菜を。
俺と一つになって破瓜の痛みに耐えながら俺の名前を呼ぶ若菜を。

あー・・・これはもう俺、若菜からは逃げられないですわー。
俺の暴走は日が変わるまで6時間以上も続いたようだ。
翌日は休みだったけど、俺は腰痛に悩まされた。
若菜は動き方がかなり不自然だった。
・・・顔が緩んでいたのが俺にとっては救いだったろうか。

そんな感じで俺と若菜はオトナになったのだが・・・。
それからと言うもの、血を吸う度に若菜が俺を求めるようになった。
最も、俺も若菜に血を吸われるたびに彼女を求めてしまっているのだが。
快感なのだ。若菜の肢体に舌を、指を這わせるのが。
若菜も同じく、俺の身体に触れるのも舐めるのも咥えるのも快感なのだとか。
キスですら気持ちいいのだから仕方ない。
一つになっている時なんて何も考えられないくらいの快感が押し寄せてくる。

・・・もう痛みは無いんだろうかと心配になるけど大丈夫なんだよな?
無理はさせたくない。
こんな事を言っていると、身体の関係になったくらいで彼氏面かーとか言われそうだが。
俺はもう彼氏か、或いはソレ以上だと思って接しているので問題はない。
あるとしたら、若菜がそう思っていない時だけだな。
恥ずかしくて死ねる。
・・・そう言えば、若菜は最近例の棺桶で眠らない。
いつも俺の隣で寝ている。俺の腕の中で。
幸せすぎるなコレ。
誰になんと言われても構わないのだ。
そんなモノは俺達の人生には大した影響をもたらさないし。

イカンな。
若菜に毒されすぎて脳みそがピンク色の思考に染まっている気がする。
若菜はまだ寝ている。
俺の腕を枕にして。

俺は、その寝顔を見つめながら若菜の唇を塞いだ。
・・・若菜。俺はお前を離さんからな?
逃げたら地獄の果まで追いかけて説教してやる。
血の代償は若菜の一生意外には受け付けないのだ。

・・・重いかな?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。 その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。 そこで待っていたのは、最悪の出来事―― けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。 夫は愛人と共に好きに生きればいい。 今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。 でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。 妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。 過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

リトライさせていただきます!〜死に戻り令嬢はイケメン神様とタッグを組んで人生をやり直す事にした。今度こそ幸せになります!!〜

ゆずき
恋愛
公爵家の御令嬢クレハは、18歳の誕生日に何者かに殺害されてしまう。そんなクレハを救ったのは、神を自称する青年(長身イケメン)だった。 イケメン神様の力で10年前の世界に戻されてしまったクレハ。そこから運命の軌道修正を図る。犯人を返り討ちにできるくらい、強くなればいいじゃないか!! そう思ったクレハは、神様からは魔法を、クレハに一目惚れした王太子からは武術の手ほどきを受ける。クレハの強化トレーニングが始まった。 8歳の子供の姿に戻ってしまった少女と、お人好しな神様。そんな2人が主人公の異世界恋愛ファンタジー小説です。 ※メインではありませんが、ストーリーにBL的要素が含まれます。少しでもそのような描写が苦手な方はご注意下さい。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします

二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位! ※この物語はフィクションです 流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。 当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

婚約者の幼馴染?それが何か?

仏白目
恋愛
タバサは学園で婚約者のリカルドと食堂で昼食をとっていた 「あ〜、リカルドここにいたの?もう、待っててっていったのにぃ〜」 目の前にいる私の事はガン無視である 「マリサ・・・これからはタバサと昼食は一緒にとるから、君は遠慮してくれないか?」 リカルドにそう言われたマリサは 「酷いわ!リカルド!私達あんなに愛し合っていたのに、私を捨てるの?」 ん?愛し合っていた?今聞き捨てならない言葉が・・・ 「マリサ!誤解を招くような言い方はやめてくれ!僕たちは幼馴染ってだけだろう?」 「そんな!リカルド酷い!」 マリサはテーブルに突っ伏してワアワア泣き出した、およそ貴族令嬢とは思えない姿を晒している  この騒ぎ自体 とんだ恥晒しだわ タバサは席を立ち 冷めた目でリカルドを見ると、「この事は父に相談します、お先に失礼しますわ」 「まってくれタバサ!誤解なんだ」 リカルドを置いて、タバサは席を立った

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

処理中です...