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ようせいのゆきちゃん
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ゆきだるまからふわっと出てきたのは
“ ゆきのようせい、ゆきちゃん ”!
✩.*˚
ゆきだるま。
ママがこどもの時は
毎年つくっていました。
ママが高校生になると
つくらなくなりました。
ママが大人になって、子供のあおちゃんが生まれたら、またつくるようになりました。
「まずは、ゆきだるまのからだをつくろっか!」
ママがゆきだまをつくり、ごろごろとゆきの上でころがしました。
見ていただけのあおちゃんも、とちゅうからいっしょにころがしました。
少しずつ大きくなっていくのがたのしいね!
つぎはゆきだるまのあたまを同じようにころがしてつくっていきます。
かお!
ママとあおちゃんはいえの中にはいり、かおのざいりょうになりそうなものをさがしました。
目は、ペットボトルのふたをくろくぬり
はなは小さめのにんじん、
口は、にわにある木のえだのはじっこ。
きのえだは手にも使えるね!
さいごはぼうしです。なつにすな、ふゆにゆきをいれてあおちゃんがあそんでいる、ピンクのバケツをかぶせました。
「はい、できた!」
「かわいい!!」
あおちゃんは、おおよろこびです。
あおちゃんはしばらくゆきだるまと何かおはなしをしています。
「その服、キラキラしていてかわいいね!」
ゆきだるまの服をほめています。
ゆきだるまは服をきてないけどなぁってママはおもいました。
「そろそろ、おうちにはいるからね!」って
あたりが少しずつ、うすぐらくなっていたのでママはあおちゃんに言いました。
「いやだ! いえの中はいりたくない! ゆきちゃんといっしょにいたいの!」
いつもあおちゃんは、おそとであそんだ時、たのしくて、おうちにはいりたくないきもちになります。今日はいつもよりいえにはいりたくないきもちでした。
ゆきちゃん? ゆきだるまだからゆきちゃんって、あおちゃんは名前をつけたのかな?
「じゃあ、もう少しだけね」
と、ママが言いました。
「ねぇ、ママ、ゆきちゃんがね、ママのこと、ずっと待ってたって言ってるよ!」
「えっ?」
「さみしかったって言ってるよ。そしてね、リボン大切にしてるよ。だって!」
ママは小さいころ、まいとしゆきだるまをつくっていたことはおぼえていました。
“ リボン ”
そういえば!
ママのお気に入りだったリボンがにあいそうだったから、あの子にあげた……。
ママはいろいろおもいだしてきました。
ママが小さいころ、ある日、おばあちゃんがオシャレなふくろにはいっているおかしをかってきてくれました。
そのふくろはとてもかわいいみずいろのリボンでむすばれていて
そのリボンにひとめぼれして、つくえのひきだしにはいっていた『ママのたからものコレクションのはこ』にしまっておいたのです。
その年のふゆ、あの子がきているみずいろのドレスにピッタリだなと思って、あの子に見せてみました。
そしてその子のかみの毛にリボンをむすんであげたらとてもよろこんでくれたからあげました。
ママは大人になってから
あの子とはなしをしていたのは全部、ママのそうぞうのおはなしだとおもっていました。
けれど、ママがこどものころはなしをしていて、今あおちゃんがはなしをしている子は
「ゆきちゃんっ!!!」
ゆきだるまにやどっていた
“ ゆきのようせい、ゆきちゃん ”
とはなしをしていたのです。
ようせいのせかいでは、なまえがないらしいので
“ ゆきちゃん ”はママが小さいころにかんがえたなまえです。
ママは、ゆきちゃんをおもいだしました。
ゆきちゃんは、とてもかわいい小さな女の子。
まいとしふゆ、あうたびにたくさんはなしをしました。
うれしかったこと、かなしかったこと……。
その日にあったことを何でも。
だれにもはなせないなやみもはなしました。
ひとつひとつのゆきだるまにはゆきのようせいがやどっていて
ママがつくったゆきだるまにはまいとしゆきちゃんがやどってくれた。会いに来てくれていた。
ゆきちゃんは、まっていて……
さみしかったの?
あっ……。
さいごに会ったのは、ママが中学3年生のときでした。
「また、らいねんね」
はるがすぐそこまで来ていて、ゆきがとけるころ
そうやくそくしました……。
けれどママは大きくなっていくと
ゆきちゃんと少しだけしかはなさなくなって
さいごにつくったのは、にぎったゆきだまを
ふたつかさねただけの小さなゆきだるま。
また会うやくそくをしてたのに
次の年からはつくらなくなって
会わなくなって
そして、ゆきちゃんをわすれていった……。
ゆきちゃんは、ママがゆきだるまを
またつくるのをまっていてくれたのかな?
あれから10年よりももっとたっていました。
ずっとママをまっていてくれていました。
「ゆきちゃん…ごめんね……」
ママは泣きそうになりました。
「ママ、大丈夫? ゆきちゃんは、もう会えなくなるからママときちんとバイバイしたかったんだって……」
「そっか、ママには見えないけれど、まだここにいるんだよね?」
ママはゆきだるまのほうをみつめて
「色々ありがとね。だいすきだよ! バイバイ!」
と言い、手をふりました。
その時、ふっていたゆきがカラフルになり
「よかった! ずっときらわれちゃったのかなって思っていたの……すきって言ってくれて、うれしい!」
そう言いながら、ゆきちゃんはすがたをママにもみせました。
「ほんとうは、もうお空にかえらないといけなかったんだけど。でも、さよならをちゃんと言いたくてずっとこっちでまっていたの」
ゆきちゃんはほほえみながら、そう言いました。
「さいごにあえてよかった! バイバイ!」
ゆきちゃんはそう言って
カラフルなゆきたちをつれて
お空にかえっていきました。
次の年、もうぜったいに会えないとおもっていたのに
ゆきだるまをまたつくったら
ゆきちゃんは……
「ふたりに会いたくて、来ちゃった!」
ニコニコしながらひょっこりと
ゆきだるまから出てきました。
あおちゃんとママもニコニコしました。
おしまい♪
“ ゆきのようせい、ゆきちゃん ”!
✩.*˚
ゆきだるま。
ママがこどもの時は
毎年つくっていました。
ママが高校生になると
つくらなくなりました。
ママが大人になって、子供のあおちゃんが生まれたら、またつくるようになりました。
「まずは、ゆきだるまのからだをつくろっか!」
ママがゆきだまをつくり、ごろごろとゆきの上でころがしました。
見ていただけのあおちゃんも、とちゅうからいっしょにころがしました。
少しずつ大きくなっていくのがたのしいね!
つぎはゆきだるまのあたまを同じようにころがしてつくっていきます。
かお!
ママとあおちゃんはいえの中にはいり、かおのざいりょうになりそうなものをさがしました。
目は、ペットボトルのふたをくろくぬり
はなは小さめのにんじん、
口は、にわにある木のえだのはじっこ。
きのえだは手にも使えるね!
さいごはぼうしです。なつにすな、ふゆにゆきをいれてあおちゃんがあそんでいる、ピンクのバケツをかぶせました。
「はい、できた!」
「かわいい!!」
あおちゃんは、おおよろこびです。
あおちゃんはしばらくゆきだるまと何かおはなしをしています。
「その服、キラキラしていてかわいいね!」
ゆきだるまの服をほめています。
ゆきだるまは服をきてないけどなぁってママはおもいました。
「そろそろ、おうちにはいるからね!」って
あたりが少しずつ、うすぐらくなっていたのでママはあおちゃんに言いました。
「いやだ! いえの中はいりたくない! ゆきちゃんといっしょにいたいの!」
いつもあおちゃんは、おそとであそんだ時、たのしくて、おうちにはいりたくないきもちになります。今日はいつもよりいえにはいりたくないきもちでした。
ゆきちゃん? ゆきだるまだからゆきちゃんって、あおちゃんは名前をつけたのかな?
「じゃあ、もう少しだけね」
と、ママが言いました。
「ねぇ、ママ、ゆきちゃんがね、ママのこと、ずっと待ってたって言ってるよ!」
「えっ?」
「さみしかったって言ってるよ。そしてね、リボン大切にしてるよ。だって!」
ママは小さいころ、まいとしゆきだるまをつくっていたことはおぼえていました。
“ リボン ”
そういえば!
ママのお気に入りだったリボンがにあいそうだったから、あの子にあげた……。
ママはいろいろおもいだしてきました。
ママが小さいころ、ある日、おばあちゃんがオシャレなふくろにはいっているおかしをかってきてくれました。
そのふくろはとてもかわいいみずいろのリボンでむすばれていて
そのリボンにひとめぼれして、つくえのひきだしにはいっていた『ママのたからものコレクションのはこ』にしまっておいたのです。
その年のふゆ、あの子がきているみずいろのドレスにピッタリだなと思って、あの子に見せてみました。
そしてその子のかみの毛にリボンをむすんであげたらとてもよろこんでくれたからあげました。
ママは大人になってから
あの子とはなしをしていたのは全部、ママのそうぞうのおはなしだとおもっていました。
けれど、ママがこどものころはなしをしていて、今あおちゃんがはなしをしている子は
「ゆきちゃんっ!!!」
ゆきだるまにやどっていた
“ ゆきのようせい、ゆきちゃん ”
とはなしをしていたのです。
ようせいのせかいでは、なまえがないらしいので
“ ゆきちゃん ”はママが小さいころにかんがえたなまえです。
ママは、ゆきちゃんをおもいだしました。
ゆきちゃんは、とてもかわいい小さな女の子。
まいとしふゆ、あうたびにたくさんはなしをしました。
うれしかったこと、かなしかったこと……。
その日にあったことを何でも。
だれにもはなせないなやみもはなしました。
ひとつひとつのゆきだるまにはゆきのようせいがやどっていて
ママがつくったゆきだるまにはまいとしゆきちゃんがやどってくれた。会いに来てくれていた。
ゆきちゃんは、まっていて……
さみしかったの?
あっ……。
さいごに会ったのは、ママが中学3年生のときでした。
「また、らいねんね」
はるがすぐそこまで来ていて、ゆきがとけるころ
そうやくそくしました……。
けれどママは大きくなっていくと
ゆきちゃんと少しだけしかはなさなくなって
さいごにつくったのは、にぎったゆきだまを
ふたつかさねただけの小さなゆきだるま。
また会うやくそくをしてたのに
次の年からはつくらなくなって
会わなくなって
そして、ゆきちゃんをわすれていった……。
ゆきちゃんは、ママがゆきだるまを
またつくるのをまっていてくれたのかな?
あれから10年よりももっとたっていました。
ずっとママをまっていてくれていました。
「ゆきちゃん…ごめんね……」
ママは泣きそうになりました。
「ママ、大丈夫? ゆきちゃんは、もう会えなくなるからママときちんとバイバイしたかったんだって……」
「そっか、ママには見えないけれど、まだここにいるんだよね?」
ママはゆきだるまのほうをみつめて
「色々ありがとね。だいすきだよ! バイバイ!」
と言い、手をふりました。
その時、ふっていたゆきがカラフルになり
「よかった! ずっときらわれちゃったのかなって思っていたの……すきって言ってくれて、うれしい!」
そう言いながら、ゆきちゃんはすがたをママにもみせました。
「ほんとうは、もうお空にかえらないといけなかったんだけど。でも、さよならをちゃんと言いたくてずっとこっちでまっていたの」
ゆきちゃんはほほえみながら、そう言いました。
「さいごにあえてよかった! バイバイ!」
ゆきちゃんはそう言って
カラフルなゆきたちをつれて
お空にかえっていきました。
次の年、もうぜったいに会えないとおもっていたのに
ゆきだるまをまたつくったら
ゆきちゃんは……
「ふたりに会いたくて、来ちゃった!」
ニコニコしながらひょっこりと
ゆきだるまから出てきました。
あおちゃんとママもニコニコしました。
おしまい♪
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