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公爵家・日常と衣装合わせ編
45.王太子の求婚と天使の発言
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「ちょーっと待てー……!!」
客間の大扉が勢いよく開けられる。
グラント公爵ダリウス参上。
真っ直ぐにアンジェラの側へと寄れば王太子フェリクスを蹴散らし、しまいにはアンジェラの指に嵌る〈王家の指輪〉を引き抜くと王太子フェリクスへと突き返す。
「公爵、何をする? これはアンジェラに贈った指輪だ。代々の王太子妃が嵌める“王家の指輪”はアンジェラにこそ相応しい」
公然と言い放つ王太子フェリクス。
「父である私の承諾もなしに求婚するのは許されません。王族だからといって何でも許されるとは思わないで下さい。王妃様にも困ったものだ」
これには公爵夫人キャロラインが参戦、反論。
「あらっ、ダリウス。私の姉ともいえるフレイヤ様のことを悪くは言わないでね。それに貴方も突然の求婚だったわ。忘れたの?」
「それはそうだが……キャロライン、君はいったいどちらの味方だい?」
「私は誰の味方でもあり、誰の味方でもないわ。最善と思われる方の味方よ」
なるほど……な一同。彼女の言い分には納得。
グラント公爵夫妻が小さな痴話喧嘩を始める。珍しい光景。
今の公爵夫人キャロラインは子どもを宿したせいで、少々気分にムラがある。急に笑ったかと思えば、急に泣き出したりと忙しい。それでも愛おしい夫ダリウスだが、1人娘の婚姻話となれば話は別。
やはり冷静ではいられない。
見兼ねたアンジェラが間に入る。
「パパ、ママ……落ち着いてね。でも、いつも仲睦まじいパパとママのこうした姿も時には新鮮だね」
感心するアンジェラ。嬉しそうに微笑む。そこへ王太子フェリクスが割って入る。
「アンジェラ……私の求婚を受けてくれるか? もちろん受けてくれると信じている」
尊大に言い放つ王太子フェリクス。
「殿下、良い加減にして下さい。油断も隙もない」
グラント公爵ダリウスが溜息。
当のアンジェラには、これ見よがしに侯爵令嬢バーバラがぴたりと寄り添う。
「アンジェラお姉様はお嫁には行きません。私と楽しく過ごすのです。ねぇ、アンジェラお姉様?」
軽く微笑むアンジェラは王太子フェリクスの面前へと行き、自分の言葉で想いを告げる。
「王太子殿下……身に余るお話をありがとうございます」
愛らしい天使の美しい花笑み。もろ食らった王太子フェリクス。
「これはマズい。可愛い過ぎる……」
思わず赤面。
「王太子殿下……婚姻の申込みありがとうございます」
「……では受けてくれるのか? 私はアンジェラに一目惚れした時から運命を感じていた。アンジェラも同じ気持ちとは嬉しい。ならば結婚しよう。直ぐにしよう。今すぐにしよう。共に未来を歩もうではないか、アンジェラ!」
先走り過ぎ。
「あっ、あの……王太子殿下。違います。実はお断りさせて欲しいのです」
「はっはっはっ! アンジェラ……何の冗談だ?」
「王太子殿下……冗談ではありません」
「何っ?! 冗談ではないと言うのか? それこそ何の冗談だ」
アンジェラの言葉に絶句する王太子フェリクス。彼の辞書には「お断り」という文字は存在しない。蒼い瞳が驚嘆に見開く。
「王太子殿下……私は両親とグラント公爵家の皆様とまだまだ一緒に過ごしたいのです。生まれてくる新しい家族とも過ごしたい。我儘言ってごめんなさい……!」
「我儘ではない、アンジェラ! パパもだ。パパもアンジェラとずっと一緒に暮らしたい! 嫁になど行かなくてもアンジェラのことはパパが一生面倒をみる! 安心しなさい。蓄えならある!」
娘可愛いさに堂々と公言するグラント公爵ダリウス。
彼の“一生面倒見る発言”に「それもそれでどうなのよ?」と侍女マイリーがぼそりと零せば、「あらあら……」と苦笑する先代グラント公爵夫人ハリエッタ。
アンジェラへと駆け寄る父ダリウスは、愛しい娘をぎゅっと抱き締める。
娘はやはり可愛い……と感無量。
「アンジェラ、なんて可愛いの! もちろんママもよ! アンジェラの言う通りだわ。家族が揃ったばかりだもの。もう暫くはママもアンジェラやパパと一緒に居たいわ。ただね、いずれはお嫁には行って良いのよ。好きな人との幸せも大事よ」
公爵夫人キャロラインは運命を信じる。
(私がそうだったから……きっとアンジェラにも運命の恋は訪れるはず。ママは信じているわ)
それは、そう遠くない未来のはず。
結局、王太子フェリクスの求婚は一旦保留。
客間の大扉が勢いよく開けられる。
グラント公爵ダリウス参上。
真っ直ぐにアンジェラの側へと寄れば王太子フェリクスを蹴散らし、しまいにはアンジェラの指に嵌る〈王家の指輪〉を引き抜くと王太子フェリクスへと突き返す。
「公爵、何をする? これはアンジェラに贈った指輪だ。代々の王太子妃が嵌める“王家の指輪”はアンジェラにこそ相応しい」
公然と言い放つ王太子フェリクス。
「父である私の承諾もなしに求婚するのは許されません。王族だからといって何でも許されるとは思わないで下さい。王妃様にも困ったものだ」
これには公爵夫人キャロラインが参戦、反論。
「あらっ、ダリウス。私の姉ともいえるフレイヤ様のことを悪くは言わないでね。それに貴方も突然の求婚だったわ。忘れたの?」
「それはそうだが……キャロライン、君はいったいどちらの味方だい?」
「私は誰の味方でもあり、誰の味方でもないわ。最善と思われる方の味方よ」
なるほど……な一同。彼女の言い分には納得。
グラント公爵夫妻が小さな痴話喧嘩を始める。珍しい光景。
今の公爵夫人キャロラインは子どもを宿したせいで、少々気分にムラがある。急に笑ったかと思えば、急に泣き出したりと忙しい。それでも愛おしい夫ダリウスだが、1人娘の婚姻話となれば話は別。
やはり冷静ではいられない。
見兼ねたアンジェラが間に入る。
「パパ、ママ……落ち着いてね。でも、いつも仲睦まじいパパとママのこうした姿も時には新鮮だね」
感心するアンジェラ。嬉しそうに微笑む。そこへ王太子フェリクスが割って入る。
「アンジェラ……私の求婚を受けてくれるか? もちろん受けてくれると信じている」
尊大に言い放つ王太子フェリクス。
「殿下、良い加減にして下さい。油断も隙もない」
グラント公爵ダリウスが溜息。
当のアンジェラには、これ見よがしに侯爵令嬢バーバラがぴたりと寄り添う。
「アンジェラお姉様はお嫁には行きません。私と楽しく過ごすのです。ねぇ、アンジェラお姉様?」
軽く微笑むアンジェラは王太子フェリクスの面前へと行き、自分の言葉で想いを告げる。
「王太子殿下……身に余るお話をありがとうございます」
愛らしい天使の美しい花笑み。もろ食らった王太子フェリクス。
「これはマズい。可愛い過ぎる……」
思わず赤面。
「王太子殿下……婚姻の申込みありがとうございます」
「……では受けてくれるのか? 私はアンジェラに一目惚れした時から運命を感じていた。アンジェラも同じ気持ちとは嬉しい。ならば結婚しよう。直ぐにしよう。今すぐにしよう。共に未来を歩もうではないか、アンジェラ!」
先走り過ぎ。
「あっ、あの……王太子殿下。違います。実はお断りさせて欲しいのです」
「はっはっはっ! アンジェラ……何の冗談だ?」
「王太子殿下……冗談ではありません」
「何っ?! 冗談ではないと言うのか? それこそ何の冗談だ」
アンジェラの言葉に絶句する王太子フェリクス。彼の辞書には「お断り」という文字は存在しない。蒼い瞳が驚嘆に見開く。
「王太子殿下……私は両親とグラント公爵家の皆様とまだまだ一緒に過ごしたいのです。生まれてくる新しい家族とも過ごしたい。我儘言ってごめんなさい……!」
「我儘ではない、アンジェラ! パパもだ。パパもアンジェラとずっと一緒に暮らしたい! 嫁になど行かなくてもアンジェラのことはパパが一生面倒をみる! 安心しなさい。蓄えならある!」
娘可愛いさに堂々と公言するグラント公爵ダリウス。
彼の“一生面倒見る発言”に「それもそれでどうなのよ?」と侍女マイリーがぼそりと零せば、「あらあら……」と苦笑する先代グラント公爵夫人ハリエッタ。
アンジェラへと駆け寄る父ダリウスは、愛しい娘をぎゅっと抱き締める。
娘はやはり可愛い……と感無量。
「アンジェラ、なんて可愛いの! もちろんママもよ! アンジェラの言う通りだわ。家族が揃ったばかりだもの。もう暫くはママもアンジェラやパパと一緒に居たいわ。ただね、いずれはお嫁には行って良いのよ。好きな人との幸せも大事よ」
公爵夫人キャロラインは運命を信じる。
(私がそうだったから……きっとアンジェラにも運命の恋は訪れるはず。ママは信じているわ)
それは、そう遠くない未来のはず。
結局、王太子フェリクスの求婚は一旦保留。
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