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元課金チーターと女性専用装備 4/4
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仲間たちの献身的な協力によってユータは見事、【女装】技能を修得できた。けれども、それはまだ果てしなく遠い女装坂を上り始める第一歩でしかなかった。
「……で、なんで俺はまた女装させられてるんだ?」
「いやぁ、女装スキルにレベルがあるなんて知りませんでしたよぅ」
「だな。知らなかったぜ、まったく」
「である、である」
胡乱げな顔で睨んでくるユータに、仲間たち三人は異口同音の言い訳を口にして頷き合った。
技能を取得してから判明したのだが、【女装】技能による女性専用装備の制限緩和はレベル制だった。技能修得したばかりのレベル1だと、本来の一割しか性能を発揮させることができなかった。【戦女神の腕輪】の性能を完全発揮させるには、おそらく【女装】のレベルを10まで上げないといけないようだった。
そして、【戦女神の腕輪】の装備効果は「戦士系技能のレベルを1上昇させる」だけど、技能レベルの端数は切り捨て計算される。つまり、この腕輪をユータが使いこなすためには、【女装】レベル10を目指さなくてはならないのだった。
――というわけで、ユータの女装修行は続いているのである。
ユータの本日の召し物は、白いブラウスに鞣し革のビスチェと、カーテンのような襞の入った脹ら脛丈の黒色フレアスカートだ。ファーの付いたケープを羽織って肩幅を誤魔化すことも忘れていないし、履物もヒールの付いた女物のショートブーツだ。髪型だって、付け毛で盛った上で編み込みハーフアップに決めている。顔にはそんなに手を加えていないけれど、眉と睫を整えただけで十分に女子顔だ。
「大丈夫、ゆーたん。似合ってますからっ!」
「だな。っつか、似合いすぎてっから迷子になるなよ」
「うむ、うむ。一人になったら絶対にナンパされるであるからな」
「……いや、似合うかどうかは聞いてないし。あと、ナンパされても、ついていくわけないし」
三者三様の褒め言葉に、ユータは頬をむすっと膨らませる。その頬が微妙に赤らんでいるのには、三人とも敢えて気づかないふりをした。
ユータは気づかないふりをされていることに気づかないまま、顔の火照りを冷ますように長い溜め息を吐く。
「はぁ……というかさ、やっぱ下着まで替える必要、なくないか?」
「ありますよッ!!」
ユータのぼやきに、隣を歩くサラダが身を乗り出して反応した。
「そうだな、大有りだぜ」
「うむうむ」
男二人も大きく頷いている。
「というかよ、女物のパンツを穿いてるちんぽだと普通にしゃぶれるんだわな。俺、初めてちんぽしゃぶちまったけど、普通にいけて吃驚だわ」
ヴルストが舌触りを思い出すように目を細めて唇を舐めれば、ラムチョップは悔しげに眉を顰める。
「ぬぅ、狡いのである。次は我輩が股間を担当するのである!」
「へいへい、分ってるって」
勝手に次の予定を決める二人に、ユータは仏頂面だ。
「おまえら、俺にやらしいことしたいだけかよ……」
「そんなことないです! わたしたちは純粋に、ゆーたんの技能レベル上げに協力したいと思っているんです」
サラダがすぐさま否定すると、ラムチョップとヴルストの男二人もそれぞれ大きく頷いてみせる。
「そうだぜ」
「であるな」
「そ、そうか……疑ってごめん……ありがとうな、みんな」
力強く頬笑む三人を、ユータはころっと信じた。
同調圧力に屈するなんてレベルではなく仲間依存症な人間強度皆無人間。かつての課金だけが友達だった廃課金戦士が光堕ちした成れの果て、それがいまのユータだ。
技能修得なら課金アイテムを使えばもっと簡単にいくのに、課金よりも下着まで女装することを選ぶ。それがいまのユータなのだった。
「はぁ……しょうがないか……」
これ見よがしな溜め息を吐いたユータの顔は、けれど、楽しげに緩んでいた。
「……で、なんで俺はまた女装させられてるんだ?」
「いやぁ、女装スキルにレベルがあるなんて知りませんでしたよぅ」
「だな。知らなかったぜ、まったく」
「である、である」
胡乱げな顔で睨んでくるユータに、仲間たち三人は異口同音の言い訳を口にして頷き合った。
技能を取得してから判明したのだが、【女装】技能による女性専用装備の制限緩和はレベル制だった。技能修得したばかりのレベル1だと、本来の一割しか性能を発揮させることができなかった。【戦女神の腕輪】の性能を完全発揮させるには、おそらく【女装】のレベルを10まで上げないといけないようだった。
そして、【戦女神の腕輪】の装備効果は「戦士系技能のレベルを1上昇させる」だけど、技能レベルの端数は切り捨て計算される。つまり、この腕輪をユータが使いこなすためには、【女装】レベル10を目指さなくてはならないのだった。
――というわけで、ユータの女装修行は続いているのである。
ユータの本日の召し物は、白いブラウスに鞣し革のビスチェと、カーテンのような襞の入った脹ら脛丈の黒色フレアスカートだ。ファーの付いたケープを羽織って肩幅を誤魔化すことも忘れていないし、履物もヒールの付いた女物のショートブーツだ。髪型だって、付け毛で盛った上で編み込みハーフアップに決めている。顔にはそんなに手を加えていないけれど、眉と睫を整えただけで十分に女子顔だ。
「大丈夫、ゆーたん。似合ってますからっ!」
「だな。っつか、似合いすぎてっから迷子になるなよ」
「うむ、うむ。一人になったら絶対にナンパされるであるからな」
「……いや、似合うかどうかは聞いてないし。あと、ナンパされても、ついていくわけないし」
三者三様の褒め言葉に、ユータは頬をむすっと膨らませる。その頬が微妙に赤らんでいるのには、三人とも敢えて気づかないふりをした。
ユータは気づかないふりをされていることに気づかないまま、顔の火照りを冷ますように長い溜め息を吐く。
「はぁ……というかさ、やっぱ下着まで替える必要、なくないか?」
「ありますよッ!!」
ユータのぼやきに、隣を歩くサラダが身を乗り出して反応した。
「そうだな、大有りだぜ」
「うむうむ」
男二人も大きく頷いている。
「というかよ、女物のパンツを穿いてるちんぽだと普通にしゃぶれるんだわな。俺、初めてちんぽしゃぶちまったけど、普通にいけて吃驚だわ」
ヴルストが舌触りを思い出すように目を細めて唇を舐めれば、ラムチョップは悔しげに眉を顰める。
「ぬぅ、狡いのである。次は我輩が股間を担当するのである!」
「へいへい、分ってるって」
勝手に次の予定を決める二人に、ユータは仏頂面だ。
「おまえら、俺にやらしいことしたいだけかよ……」
「そんなことないです! わたしたちは純粋に、ゆーたんの技能レベル上げに協力したいと思っているんです」
サラダがすぐさま否定すると、ラムチョップとヴルストの男二人もそれぞれ大きく頷いてみせる。
「そうだぜ」
「であるな」
「そ、そうか……疑ってごめん……ありがとうな、みんな」
力強く頬笑む三人を、ユータはころっと信じた。
同調圧力に屈するなんてレベルではなく仲間依存症な人間強度皆無人間。かつての課金だけが友達だった廃課金戦士が光堕ちした成れの果て、それがいまのユータだ。
技能修得なら課金アイテムを使えばもっと簡単にいくのに、課金よりも下着まで女装することを選ぶ。それがいまのユータなのだった。
「はぁ……しょうがないか……」
これ見よがしな溜め息を吐いたユータの顔は、けれど、楽しげに緩んでいた。
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