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Merle

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元課金チーターと女性専用装備 3/4

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 光の精霊魔術【透明化】は、その名称から想像される通り、効果対象を透明化させる魔術スキルだ。主要な使い方は、設置した罠にかけて隠蔽させることだろう。【魔力視グラムサイト】では看破されてしまうようになるけれど、常に魔力視の維持を強いるのは凶悪だ。
 だが、この魔術の真に凶悪なところは、生物にもかけることができる点だ。自分や仲間を透明人間に仕立て上げることができるのだ。

「……いま、俺の手足を掴んでいるのは、透明化したラムとヴルストなんだな?」
「はい、そです。ラムは光精霊の加護フラグも持ってましたからね」

 ユータが万歳がに股ポーズのまま零した呻きに、サラダはこくりと首肯した。
 【三色魔術師】の称号を冠するラムチョップが主力にしているのは火・風・土の三属性だけど、べつに他の属性が覚えられないわけではない。ただ、属性の数と習熟度レベルは往々にして反比例ペイオフの関係になるから、普通は覚えても三色までだ。四色以上になると、万能ではなく器用貧乏の域に入ってしまうため、どこの攻略サイトでも推奨されていなかった。

「ラム……ヴルスト……どうして、こんな馬鹿なことを……」

 ラムがGPポイントの無駄遣いを覚悟してまで覚えた【透明化】だが、この魔術を生物に使う場合には気をつけないといけない点が二つある。
 ひとつは、透明人間になれるのはあくまでも魔術の対象になった者だけで、その者が身につけているものまでは透明にならないことだ。すなわち、透明人間になるためには生まれたままの姿ファイナルヌードにならないといけないのだ。
 つまり、いま、ラムチョップとヴルストは全裸でこの場に――往来の盛んな広場の一角に立っているのだった。いやまあ、ユータの両足を掴んでいるほうは、しゃがんでいるわけだが。

「さあ、ゆーたん。どうしますぅ? いまここで、透明化している二人に抵抗しますか? してもいいですけど、そのときはどういう事態になるのか……分かりますよねぇ?」
「……くっ!」

 【透明化】を生物に使う場合の注意点、その二。それは、透明化している最中に戦闘行為をした場合、透明化が解除されるということだ。
 単に他者の手足を掴むだけなら、ぎりぎり戦闘行為とは見做されない。だけど、掴んだ相手に抵抗されると、それは戦闘行為の範疇に入ってしまう。すなわち、ユータが見えない手に掴まれている両手両足を振った瞬間、この場に全裸のラムチョップとヴルストが出現してしまうのだ。
 なお、こちらの注意点その二については、【透明化】の習熟度が上がれば、軽く振った手足が当たる程度では透明化が解除されなくなることが知られている。低レベルの【透明化】がと言われる所以である。

「この街、帝国領地の領都ですからね。しかもこの広場、表通りの一等地ですよ。治安レベル最高ですよ。そこで全裸を晒しちゃう意味、ゆーたんも分かってますよね?」
「サラダ……おまえ、仲間を人質にするのか……!」

 治安レベル最高の地区では、全年齢対象ゲームのレベルで風紀が厳しい。過失によるパンチラ程度ならいざ知らず、全裸は確実に取り締まられる。透明化が解除された瞬間、強力な憲兵NPCが飛んでくることだろう。そして収容所へと連行され、最終的には多額の負債を科されるか、一定時間の強制奴隷プレイを強いられるか――その辺りの刑罰が執行されることだろう。

「そんなぁ、人質にしているだなんて人聞きが悪いですよぅ。ここはもっと衒学的げんがくてきに、二人はセリヌンティウスになったのです、なんていうのはどうでしょう?」
「まず、サラダがなんて言葉を知っていたことに驚いたよ。あと、サラダが邪知暴虐の王だっていうのは俺も同意だね」
「じゃ、最後に謝れば許してくれるんですねっ」
「俺はメロスじゃないか――りゃッ!?」

 気取った言いまわしで状況を棚上げにしていたユータは、ふいに短い悲鳴を上げた。万歳で固められている右手の中指が、いきなりぬるりとした感触で包まれたからだった。

「なっ、な……ッ!?」
「あらら、どっちか待ちきれませんでしたか。お手々のほうです? なら、ラムですねぇ……っていうか、透明人間のお口に咥えられてても、外から見えるんですね」

 サラダは、万歳ポーズのまま引き攣っているユータの右手を見上げて、くすくすと笑っている。ユータの右手中指はどうやら透明化しているラムに咥えられているようだったが、その指はユータからもサラダからも見えたままだった。

「……これ、透明人間のまま食事するとグロ表現フィルターかかるんでしょうか?」
「知らないよ……んんっ、っ……!」

 素朴な疑問に首を傾げるサラダと、指から伝わってくる濡れた感触に眉を顰めるユータ。噛み合わない会話にぴったりの伴奏BGMは、ぴちゃくちゃと指を舐めしゃぶる水音だ。
 ラムは姿が見えない分まで存在を誇示するかのように、大きな音を立ててユータの指を舐め、しゃぶり、啜っていた。
 じゅるるじゅずるる、ずるくちゃぴちゃくちゃ、ぐちゃぶちゃずぶぶっ。

「んー……飢えた豚だって、もう少し上品にお食事しますね」

 ラムチョップの共犯者であるサラダも、その品性皆無なに、さすがに眉を顰めている。その指摘はラムチョップにも聞こえているだろうに、舐めしゃぶる音は一向に小さくなることがない。それどころか、中指を存分に涎塗れにした次は薬指、小指と続いたかと思うと人差し指に飛び、親指だけを仲間外れにするわけにもいくまいとばかりに咥えて啜り立ててくる。

「うっ、あ、ひゅ……! ラム、うぅ……くすぐったいから、止め――あっ! あ、ぁッ!?」

 ユータの背筋がぶるっと震え上がった。
 ラムの舌が手の平の窪みを舐め上げたからではない。ベンチに座ってがに股に開かされていた太腿ふとももの内側を、強い力で吸引されたからだ。

「えっ、ちょっ……ひゃ! んっ、っ……んッ!!」

 辛うじて働いた思考で、ここで大声を出すのは不味い、とユータは口を必死で閉じる。でも、内腿という部位が意外なほど肌が薄くて感覚神経に触れやすいのだということを実体験させられているユータにとっては、上唇と下唇を合わせるというだけの行為が、いまは非常に難事だった。

「ひっ……っ……くっ、ん……んぁ! あっ!」

 巨大な蚊に刺されているようなという刺激が、内腿の皮膚をくる。吸われているのではなく、唇で噛まれているのだとしか言えない痛みだ。
 濃紺のワンピースに隠されている内側で、左右両方の内腿に鬱血の痕を幾つも並ばされたのだと、ユータはじくじくと染み入ってくる痛みで分らされた。

「う、くっ……ふ、ぁ……」
「んふっふー♥ ゆーたん、内腿が弱いんですねー♥」
「しっ、知るかぁ……!」

 頭を振って呻くユータの下半身では、濃紺のワンピースが風船でも包んでいるかのように膨らんでいる。そこにヴルストの頭が入っているのだろう。
 ユータは反射的にその丸く盛り上がった布地を押し返したくなったけれど、危ういところで我慢する。万歳で押さえられている両手を下ろそうとしたら、その瞬間にラムチョップの透明化が切れてしまう。たぶんベンチの後ろに立っているのだろうけれど、そこは植え込みがあったりするわけではなく、普通に周りからの見通しが利いている。透明化が切れたら忽ち、全裸男の背中と尻が周囲にお目見えしてしまうことだろう。

「そうそう……ゆーたん、ちゃんと分ってますねぇ。抵抗したら、わたしたちの大事な仲間が犯罪者になっちゃいますからねぇ」
「っ……サラダ、この……卑怯者め……!」
「あ、かっちーん。ゆーたん、そーゆーこと言っちゃうんですか。へー、ふーん」

 サラダは表情を笑顔で固めたまま、無造作に手を伸ばし、ユータの胸を横から手の平でポンと撫でた。だけど、そこの膨らみは下着ブラにパットを詰めて作った偽物なので、軽く撫でられたくらいで何かを感じるはずもない。

「サラダ、さすがにそこは感じないぞ」
「でしょうねぇ」

 ほっとしつつも憮然とした口振りで言うユータの胸元に、サラダは仮面を被ったような笑顔のままで指をわきわきと蠢かせた。
 ピアノで遊ぶような指使いは、偽物の膨らみを揉むのではなく、その周りの肌を布地の上からくすぐり始める。

「んっ……はっ、ぁ……」

 サラダの細い指が胸の中心を上下に撫でる。胸の膨らみよりも下を、肋骨に沿って竪琴をそっと奏でるように何度もなぞる。それから一転、指は肩口のほうまで持ち上げられて、首の付け根から鎖骨の窪みデコルテ羽毛の手つきフェザータッチでくすぐっていく。
 肩口から鎖骨、肋骨、胸骨――どこも骨に沿った硬いところばかりで、しかもサラダの指使いはけして強くない。優しく、吐息を吹きかけるように、身体の何でもないところを触っているだけだ。
 それなのに、ユータは息が逸るのを抑えきれなかった。

「っ……っは……なん、でっ……なに、これ……こ、んな――」
「こんなの知らない、って?」
「ん――ッ」

 手の平を上にしたサラダの片手が、伸ばした中指の腹でとユータの喉を撫で上げた。
 猫をあやすような指先に、ユータはびくんっと弾かれたように喉を反らして背伸びする。自分の身体が示した過剰なまでの反応にユータは戸惑うが、透明人間の二人はその戸惑いが収まるのを待ってくれなかった。

「――あっ!」

 ユータが背筋を伸び上がらせるほど緊張したことで硬くなっていた太腿の内側を、生温かくて湿ったものが、膝のほうから股間のほうへと這い上がった。
 ぞわわっと走る嫌悪感が、ユータに内股を締めさせた。
 もしもそのまま、紺色ワンピの内側に潜り込んでいるヴルストの頭を太腿で挟んでしまっていたら、ヴルストを攻撃したことになってしまっていたかもしれない。幸いにもユータがすんでのところで思い至って足の震えを我慢したことで、公衆の面前で全裸になって女装男子ユータのスカートに顔を突っ込んでいる変態メンバーヴルストは公序良俗違反を犯さずに済んだ。
 しかし、だからといって、ヴルストが絶対領域ふとももぺろぺろを止めることはなかった。

「あっ、あ!? ヴルスト、噛むにゃ――あぁッ!」
「あはっ! ゆーたん、って。いま、にゃって。あははっ」
「笑ううぅ!? ひっ、ひぅ!?」
「ん、今度はなんです? ……あぁ、ラムにお手々ぺろぺろしてもらってるんですねぇ」

 サラダがほくそ笑みながら見上げる先では、ユータの右手が五本の指を細かく震わせ、空気をくすぐっている。事情を全て理解しているサラダには、その手の平にラムチョップが舌を這わせているのだと容易に察しがつけられた。
 ユータは反射的にラムチョップの顔面を押し返そうになる右手を、意思の力で抑えているのだった。

「そうそう。顔面クローなんてやっちゃったら、ベンチの後ろを歩いているひとたちから、ラムの汚いお尻が丸見えになっちゃいますからね。ゆーたん、頑張って我慢ですよぅ」
「我慢させるようなこと、しなきゃいい……ひっ! ひゃっ、あ、ばっ……止めろよ、ほんと、くすぐったいんだ、っから……ぁ……!」

 万歳がに股ポーズで、右手、胸元、内股の一帯を三者三様のやり方で愛撫されているユータ。姿勢を変えることも許されず、くすぐったさと気色悪さとに翻弄されている――。

「……本当にくすぐったいだけ、です?」

 微笑を零すサラダの唇が、ユータの唇を微かに舐る。
 ユータが戸惑ったのは、湿った吐息に耳孔をくすぐられたからなのか、はたまた問われた言葉に考えてしまったからなのか?

「え……そ、そりゃ、くすぐったいだけ……だよ。ほ、他に何があるってんんぅッ!?」

 ユータは白い袖口から覗く手首の内側、柔らかいところに口付けされて喘ぐ――いや、そうではないかもしれない。スカートの内側で下着の縁に沿って舌を這わされて喘いだのかもしれない。

「ゆーたん、いまのは上と下、どっちで喘いだんですかねぇ? あ、もしかして、わたしにおっぱいさわさわされてるからですかぁ?」
「どっ、れも、違ぁ――あっ、ふっ……ぅ……! ……ッ!」

 ユータはぎゅっと目を閉じ、下唇を噛んで、虫が這いまわるような三点責めに――いや、耳孔を吐息と言葉で嬲るのも加えた四点責めに堪えていた。
 だけど、堪えるというのは身体に力を込めるということだ。仮の身体アバターに本当の意味での筋肉はないけれど、筋力値等から計算されるが厳然として設定されている。そしてそもそもの話、どう頑張ってみたところで、感覚を遮断することはできないのだ。

「ふっ、っ、く……くぁ……あ、あぁ! あっ、っ……うぁ……ッ!」
「ゆーたん、喘ぐの我慢しちゃって可ぅ愛いぃ♥ ……可愛いからぁ、ご褒美に、こしょこしょしてあげますね♥」
「ひぅ……!」

 サラダの甘い吐息がユータの耳孔に、ふぅっと差し込まれた。
 耳の穴というのが防御の困難な急所なのだと気づかされたのも束の間、ユータをサラダの告げるの言葉にいっそうの緊張を強いられる。
 いまの状況でさえ訳が分らないというのに、次はどこを撫でられるというのか? せめて、それだけでも教えてくれ――!
 ユータのそんな心の叫びは、どんな奇跡か、サラダに伝わったのだった。

「……あ、そうですね。うっかり抵抗されちゃったら面倒ですし、どこを触ってあげるつもりなのか、先に教えますね」
「あ……」

 助かった、という気持ちがユータの身体を僅かに弛緩させる。
 首筋から肋骨のあたりを優しすぎる手つきで撫でまわしていたサラダの手が、ゆっくりと下に向かっていく。

「わたしがいまから、ご褒美こしょこしょしてあげるのは……おへそ、です」

 サラダはユータの鳩尾を指先でくるくると撫でながら、その言葉を吐息にして耳孔にとろりと注ぎ入れた。

「へ、臍……!」

 復唱した途端、ユータはまだ触れてもいない臍に違和感を覚えて、ワンピースの内側で腹筋を捩らせた。

「あららぁ? ゆーたん、お腹むずむずですぅ?」

 サラダの指は鳩尾から少し下がったところを、こしょこしょと撫でる。
 そこはまだ臍よりも上の腹筋に守られた場所だったけれど、すっかり意識させられていたユータの感覚は、臍を穿ほじられていると錯覚してしまった。

「はっ、んんぅ! しゃっ、らだっ……やっ、ちょ、あひゃ!」
「えぇー? わたし、まだお臍こしょこしょしてないんですけどぉ?」
「あ、うぁ……だ、だって、サラダが、臍をくすぐるぞって、言う……から……!」
「へぇ……わたしのせいにするんだ」

 大きさは変わっていないけれど、それまでよりも低くて強いささやき。

「あ――」

 ユータは失敗を悟る。首筋の肌が粟立つ。だけど、挽回するには遅すぎた。
 サラダの中指が無造作に、ユータの臍をごそりと穿った。

「ああぁ――ッ!!」

 来るぞ来るぞと身構えていた刺激だったけれど、いざ実際にそこを穿られてみた瞬間に走ったのは、予想していたよりもずっと鋭くて長いものだった。
 ここまで与えられてきた刺激がどれも柔らかく、くすぐるようなものだったから、ユータは臍に来るのもそういう類の刺激だと思い込んでいた。だけど、サラダの指はその予想を裏切って、染みになった汚れを擦り落とそうとみたいに、臍の窪みを指の腹でごしごしと穿り返してきたのだった。ワンピース越しのことではあったけれど、防御力さえ設定されていない布一枚では気休めにもなっていなかった。

「あっ、あ――」
「ゆーたん、さすがにちょっと声が大きいですねぇ」
「あっ」

 サラダの指摘に、ユータはここがどこなのかを思い出して、慌てて口を閉じた。視線を素早く左右に走らせると――こちらを見ていた男性と一瞬、目が合った。
 たぶんPCだろう、冒険者スタイルの男性だ。数名の男女と一緒に立っている。広場の一角で仲間たちと駄弁っていたところで偶々、その男性だけがユータの声を聞きつけて視線を向けたのだろう。
 彼はユータと目が合うなり、すぐさま視線を逸らしたのだけど、ユータにとっては自分が上げたあられもない声を聞かれたのだと察せられただけで、顔から火が出るほどの一大事だった。

「あっ、あ……あぁッ!?」
「大丈夫ですよぅ。このくらい、女の子同士なら普通によくあるスキンシップです。ですから、普通にしてれば普通にスルーされますよぅ」
「ふ、普通。そうか……そうか?」

 子供をあやすようなささやきに頷きかけたユータだが、その首は途中で横に傾げられた。
 がに股の万歳ポーズで横から女子に腹を撫でられて喘いでいる女子。しかもスカートが不自然に膨らんでいる――それが普通の光景に見えるというのは、ちょっと納得しかねる話だった。

「あ、その顔……ゆーたん、分ってないですねっ」
「分らないのがふつぅうう……ッ!?」

 ユータが変な声を上げたのは、サラダの舌が耳孔に、指が臍に、ぐにゅりと押し込まれたからだ。

「んぅ……っは♥ だいじょーぶ、ですよぅ。このくらい……んちゅっ♥ ぜーんぜん、女の子同士なら、ふつー、ふつー……ちゅうぅ♥」
「いっ、いや……! 全然普通に思えにゃひっ、っ……っ、んぅ……ッ!」
「それに、【女装】技能のゲット確率は、目立ったほうが上がるっぽいですし……ちゅっ、んっ♥ この際、ちょっと目立つくらいでもぉ……んちゅ、っはむぅ♥」
「これちょっとで済まにゃっあぁ……ッ!!」

 ユータは耳孔に唾液を擦り込まれる音を聴かされながら、ワンピース越しとはいえ、往来で臍をいいように穿られるという恥辱に堪えて、不自然なポーズを必死に維持している。この期に及んでなお、ユータはラムチョップとヴルストを公衆全裸罪でしょっ引かせまいと健気にも頑張っているのだ。
 だというのに、ユータを鳴かせるのは俺だ、と訴えるかのように、透明人間の二人も本気を出してくる。
 両手の手首から指先までを涎でぐちょぐちょに舐って嬲ったラムチョップは、次なる攻撃目標として、サラダが食べているのとは逆側の耳と、両方の腋の下に狙いを定めた。
 そしてヴルストは、女物の下着を内側から突き破りそうになっている男根に熱い吐息を吹きかける。

「あっ、あ! やっ、ひぅ! うっ……ばっ、あぁ……ばか、止め、ばっ……かあぁッ♥」

 同調圧力三人がかりで無理やり穿かされた白と紫の横縞ショーツに染みが広まっていることを、裏筋に張りつく布地の湿った感触から、ユータはいやでも自覚させられた。

「っつか、男のもん触って、ヴルスト、なんで……嬉しい、か――はっくうぅッ!!」

 嬉しいぞ、と答えるような刺激。内側から先走り汁で湿らされた布地が、さらに外側から舌と唾液で濡らされる。ヴルストの温かな舌が、裏筋を下着越しにずりずりと舐ったのだ。
 腰回りにぴったりフィットする女子用下着では、ユータの課金造形デザイナーズちんぽは平常時でも微妙にしていた。
 そしていま、三人がかりの万歳強制野外くすぐりプレイで慮外の勃起を始めていた巨根は、ヴルストの下着越し裏筋ぺろぺろが最後の一撃になって、そのずる剥け太カリを下着の上端から完全にはみ出させた。

「――おっと」

 スカートの中からヴルストの声がした。縞パンの中で押し潰されたスプリングみたいになっていた巨根が弾け出るのを、顎を反らして躱したときに、思わず出した声だった。
 もし、このを顎に受けていたら、ヴルストの透明化は解除されていただろう。

「ヴルストさん、気をつけてくださいよ」
「悪い」

 サラダに小声で窘められたヴルストが短く謝る。言い返さないのは、危うくプレイを中断させてしまうところだった自覚があるからだろう。
 そんな二人の遣り取りに、ユータは勃起をびくびく震わせながら、赤くなっていた顔をさぁっと白くさせる。

「え……これ、もしかして、ものすごく危険なバランス、な、なのか……?」
「そうですよぉ。あ、ゆーたん、もしかして……じつはわたしたちが安全マージンばっちり確保してあるんだろうなーとか甘いこと考えてましたぁ?」
「考えてなくはなかったというか考えていて欲しかっはぁああんッ♥」

 ユータが突然、裏声ファルセットで鳴いたのは、ヴルストの舌が裏筋を舐め上げたからだ。
 つい数十秒前も同じように舐められたけれど、そのときは下着越しだった。それが今度は直だ。防御力が設定されていない布一枚の有無が、今度はユータを甘く嘶かせたのだった。

「ゆーたん。真面目な話、もうちょいボリューム下げましょうか」
「そう言うならっ、あぁ! ヴルストにっ、いぃ……止めっ、止めさせっ……ひゃあ!? わっ、腋ぃッ!?」

 ユータが性器ちんぽへの愛撫を止めてくれるよう訴えようとしていると、万歳ポーズで曝け出されている腋の下にも、ぬるんっ、ぐちょん、というような感触が擦りつけられた。
 身を屈めたラムチョップが自分の腋をべろべろ舐めているのだと、ユータにもすぐに想像できた。

「ひゃわっ、っ……ら、ラムかっ!? ……やっ、腋はっ、あっ! ひゃ、ひゃんんッ!!」

 腋の下はとにかく敏感な箇所だ。長袖ワンピースの布地越しだとしても、無遠慮な舌に涎を染み込まされながら嬲られたりしては、悶えずにいることなど不可能だった。
 ――だが、悶えることさえ許してはもらえないのだ。

「駄目ですよ、ゆーたん。我慢です、我慢。暴れたら、二人が逮捕されちゃいますよ」
「あっ……!」

 耳の穴にディープキスの粘っこい水音混じりに注ぎ込まれたささやきが、ユータの身体を硬直させた。
 その反応に、サラダはちゅるりと舌を鳴らしてほくそ笑む。

「これはゆーたんにスキルを覚えてもらうために……ゆーたんのためにやってるんです。本当はこんな危険なこと、ラムもヴルストも、もちろんわたしだって、やりたくないんですよ。でも、ゆーたんのためですもん。ゆーたんのためになるなら、って思って頑張ってるんです。だからぁ……ゆーたんも頑張って、動くの我慢しないとですよね。ゆーたんもそう思いますよねぇ?」

 サラダの吐息は甘く染み込む。
 耳と、腋と、臍と、性器と――無防備を強要された身体の感覚敏な部位をいいように嬲られながら差し込まれる言葉は、ユータの思考にどろりどろりと浸透し、粘り着き、染め上げていく。

「う、うん……が、んっ……ばるっ、うぅあ――……ッ♥」

 全身に力を込めてポーズを崩さないように頑張りながら、ユータは顎だけを小刻みに震わせるようにして、がくがくと頷く。
 緊張と、羞恥と、仲間を守るという使命感と、そして興奮と快感と――寒色も暖色も明色も暗色もお構いなしにぶちまけたキャンパスになっているユータの脳内は、いま軽く平衡感覚を失っている。
 立ち眩みの最中みたいに無重力感のなか、サラダのささやきだけが唯一のしるべだ。好悪綯い交ぜの情報かんかく全てが、サラダの言葉を芯にして結晶化していき、確かな意志へと形を為していく。

「頑張るっ、うぅ……! 俺、おれっ……が、んぁ♥ が、ばっりゅうぅ……みんなのっ、ためにっ、がっ……ばぁあッ♥ りゅうぅッ♥」

 みんなのために頑張る――その言葉に縋りつく使命感がユータを焦がす。脳の芯まで入った砂糖水かいかんがぐつぐつに煮立って泡を吹く。仲間たち三人の舌や指で与えられる劣情は、その鍋を炊く燃料だ。
 使命感かいかん劣情かいかんが煮詰まり、焦げ付き、脳↔性器直結級快楽カラメルソースとなって暴力的な甘さを放つ。

「ぁ……あっ♥ あ、ぁ……んあっ♥ ふんぅあッ♥ ぁあッ♥」

 耳へのディープキスは、音になって聴覚を犯す。
 腋下を舐めまわされる気色悪さに、否応なしに肌が粟立たつ。
 臍を指先で穿られ続けていると、その奥に子宮があるような気がしてくる。
 そして何より、下着から飛び出した男性器ちんぽを舐めまわされる官能はどうしようもなく脳を溶かす。脳幹は氷菓子ちんぽなので、ちんぽアイスぺろぺろ舐めしゃぶられてとろとろ溶ける氷菓子ちんぽちんぽちんぽで、つまり脳幹ちんぽだ。真理が啓いた。わーいやったー。

「やったー……わぁい……♥」
「ゆーたん?」

 焦点をなくした瞳で涎を垂らしながら笑い始めたユータに、サラダがさすがにちょっと鼻白む。

「あー……あはぁ、あっ♥ あんぅ♥ んうぁ♥」
「ゆーたん、壊れちゃった? ……これはこれで可愛いから、いっかぁ」
「わぁ……あっ、ぁ……あっ♥」

 我慢と使命感がひとつに噛み合ったとき、ひとは神に会う。即ち法悦に至る。入力される全ての刺激が恍惚になって出力される装置になる。天国への階段を上る殉教者の境地である。ある種の哲学者や宗教家が大悟だ昇天だとのたまい、またある種の社会学者と脳科学者は脳内麻薬過剰分泌の自家中毒だと警告する、幻脳AIが未だ到達し得ない煩悩あいの極致だ。
 ユータの意識はいま、脳天に開いた針の穴から降り注ぐ百億の天使と共に舞い踊り、ちんぽのままに感涙カウパー滂沱どぱどぱさせていた。

「あっ、はっ、はっ、はっ……はっ、っ、っ、あっ……あぉ、おっ、っ……おぉ……ッ♥」

 瞼を上げたまま高速眼球運動しながら、完璧に過呼吸の様相で喘ぐユータ。真横から密着して耳を舐めつつ臍を穿っていたサラダには、その姿は健気に声を我慢しているように見えているようだった。

「ゆーたん、その調子です……んぅ♥ わたしも頑張ってぺろぺろほじほじしてあげますから、いつでもびゅーってしてくれちゃっていいですからねぇ♥」
「ひゃ……ふぁ……あぁ……♥ びゅー……しゅりゅうぅ……♥」

 甘いささやきに身も心も委ねきるのは、揺り籠おちんこ揺らす扱く母の手に陵辱あいされていた頃にように幸せだ。ユータは幸せで糜爛する。ヴルストの口内で、特濃アルカリ溶液に漬け込まれたみたいに亀頭が溶けてカウパーになる。
 じゅるじゅぶじゅじゅぼじゅばっ、と濁音の洪水がスカートの中から立ち上っている。
 ただでさえ丸々と膨れた亀頭が、ヴルストに飲ませた先走り汁の分だけいっそう膨らみ、ぱんぱんに張る。それは、ホースの口を指で潰して塞いだまま蛇口を開けたかのようだ。指を緩めた瞬間、破裂の勢いで水を噴出させるだろう。そして――サラダのささやきに許されたユータは、我慢する気などなかった。

「ん、ん、んぁ、うあっ、ふぁっふぅあぁ――ッ♥♥」

 骨董品の内燃機関みたいな爆音を連発させた直後、ヴルストの唇に咥えられていた亀頭の傘がぶわっと拡がって、カラメルソースのたっぷり混ざったミルクセーキをぶちまけた。

「んあっ……あ……ぁ、あぁ……あんっ、んぅ――……ッ♥」

 粘り着くような嬌声を繰り返しながら痙攣していたユータの身体が、くたりと弛緩した。糸の切れた操り人形だ。

「ゆーたん、白いおしっこ全部びゅーって出せたんですねぇ。偉い偉い♥」

 そう言って頬笑むサラダが、重たくなったユータの身体をベンチの背もたれにそっと預けた。なお、ラムチョップは脱力したユータの手がうっかり当たってしまわないように、一歩引いたところへ素早く退避していた。
 サラダにされるまま深く腰かけたユータの股間で、スカートの膨らみが小さくなっていく。ヴルストが萎んだ肉棒から口を離して、スカートの外に出たのだ。ちなみに射精を口で受け止めたから良かったけれど、口を離して顔で受けていたら、透明化が解けていたところだった。

「……ってヴルスト、ナチュラルにゆーたんの精子ごっくんしましたね」

 サラダはちょっと口元を引き攣らせたけれど、それもすぐ緩む。

「まー、ゆーたんのですし。飲めるなら飲んじゃいますよねー」

 分ります分ります、と理解を示して頬笑むサラダ。

「――うむ、ヴルストだけ狡いのである」

 ずっと黙って透明黒子に徹していたラムチョップまで、そういうことを言う。
 仲間の性癖が歪んでいっていることにユータは言い知れぬ不安を覚えたものの、一時的に精神がへ逝きかけるほどのプレイで疲れすぎていたためか、すぐにどうでもよくなった。

「……あ、覚えてる」

 気がつけば、ユータはいつの間にやら【女装】技能を修得していた。

「あ、一回で覚えちゃったんですね」
「……」

 サラダが残念そうに唇を尖らせたのを横目に一瞥すると、ユータはゆっくり目を閉じた。
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