夜空に見える半分の月は

あきかん

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エピローグ

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 俺と真白さんがシャワーを浴びて戻ってくると簡単な料理が用意されていた。
「とりあえず、床も拭いておいたから。飯にしようぜ」
 と、亮が言う。俺は車椅子を動かしテーブルに向かう。真白さんもいつもの席に着いた。
「いただきます」
 と、それぞれが口に出したり手を合わせる。
「ねえ、わたしのだけ少ないんだけど」
「お前はその程度でいいだろうが」
「飯時ぐらい静かにしようよ」
 と、いつもの会話が繰り返される。
「いやよ。子供みたいで惨めな気持ちになる」
「言っておくが、今日一番惨めなのは俺だからな」
 本当にその通りだな、と俺は笑ってしまいご飯を噴いた。
「汚い」
 と声を揃えて言う二人がなおのこと面白かった。
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