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第三章 愛を欲しがった悲しみの鳥
第9話
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テレビが置いてある台の隅っこにあるプレートの上にはビーズで出来たキーホルダーが置かれていた。そのキーホルダーを手に取り眺める。
「茉理?どうしたの?」
そこへ、美玖が部屋にやって来て茉理に声を掛ける。
「美玖、これって……」
茉理がそう言ってキーホルダーを美玖に見せた。
「これが、茉理の番号です……」
敦成がそう言って奏たちに茉理のスマートフォンの番号が書いた紙を渡す。
次の日になり、奏たちは再度マンションを訪れて、この前の時に聞きそびれた茉理のスマートフォンの番号を教えて貰った。その時、敦成に再度、茉理から連絡があったかを聞くが返ってきた言葉は「ない」という返事だった。
「何度も電話してメッセージも入れているんですが、何も連絡がないんです……。もしかして、もう……って考えると怖くて夜もまともに寝れていません……」
敦成が悲痛な表情でそう言葉を綴る。
「……失礼ですが、茉理さんの会社に何度も電話を掛けて色々おしゃっていたようですが、本当ですか?」
「……っ!」
奏が町田に聞いた話を敦成に振る。その問いに、敦成は言葉を詰まらし、何も話さない。
「もう一つ。無礼を承知でお聞きします。茉理さんの職場ではあなたが暴力を振るっているという噂があるそうです。それは事実ですか?」
奏がそう問うが敦成は口を開かない。何も言わないことからそれが事実なのだと分かる。
敦成が黙り込んでしまったので、これ以上の会話は無理だと分かり、奏たちはマンションを後にした。そして、槙がパソコンを使って茉理の番号を入力し、何処にいるかを探る。
――――カタカタカタカタ……カタカタカタカタ……。
槙がリズムよくパソコンを操作していく。奏たちはその様子をじっと見つめている。
「電源が入っていないみたいだが出来そうか?」
紅蓮がそう言葉を発する。
「電源が入っていなくても、微弱な電波は通っている。問題ない」
槙がそう言っていろんなソフトを器用にこなしながら捜索していく。
――――カタカタカタカタ……カタカタカタカタ……。
――――カタカタカタカタ……カタカタカタカタ……カタン……。
「見つけたぞ」
槙が声を出す。そして、画面に出てきた地図を奏たちに見せる。
「磯津川がある方面だな……。場所は四日市と鈴鹿の境目辺りか……」
透が画面の地図を見ながらそう言葉を綴る。
「行ってみましょう!!」
奏がそう言って、みんなでその場所に向かうことにした。
「懐かしいでしょ?茉理と色違いのお揃いで作ったビーズステッチのキーホルダーだよ!」
美玖が笑顔でそう言葉を綴る。それは花びらをモチーフにした青色がメインで作られているビーズステッチのキーホルダーだった。
「……美玖がこの色で作って、私はピンク色で作ったんだよね……」
茉理がそのキーホルダーを眺めながら懐かしそうにそう言葉を綴る。
「まだ持ってたんだ……」
茉理がそうぽつりと言う。
「お気に入りでね。それに付いている鍵は私の車の鍵だよ。あっ!何ならどこか行く?ずっと家にいるのも退屈かもしれないし」
美玖がそう提案するが茉理は「いい」と言って断った。確かにずっと家にいるのは息苦しいが、下手に外に出て行くのも怖い……。もしかしたら、警察が自分を探しているかもしれない……。
見つかって捕まったら、自分は一生幸せを手に入れられない……。
「それよりさ……、久々に昔話でもしようよ」
茉理が美玖にそう提案する。美玖は「いいよ」と言って、二人で昔話に花を咲かせることになった。
「……この道を真っ直ぐに行って、突き当りを左だな?」
車の中で透が運転をしながら、後ろに座っている槙にナビをしてもらう。
「……ナビをするなら助手席で良かったんじゃないのか?」
槙の隣に座っている紅蓮が恨めしそうな声でそう言葉を綴る。
「野獣と奏を並んで座らせるわけにはいかないからな」
槙が辛辣な言葉を吐く。
「誰が野獣だよ?」
「お前以外に誰がいるんだ?妄想野獣」
紅蓮がそう言い返すが槙は淡々とした口調でそう言葉を返す。
「妄想野獣って何のことですか?」
奏が槙にそう尋ねる。
「あぁ……それは……」
槙が説明しようとした時だった。
「い……いや!何でもないよ!!なっ?!なっ?!」
紅蓮が慌てて槙の口を塞ぎ、誤魔化すような笑顔でそう言葉を綴る。その様子に奏は何のことか分からなくて頭にはてなマークを浮かべた。
「まぁ、気にすることないよ。槙、近くまで来たがもう少し細かく場所を特定できるか?」
透がそう言って槙に尋ねる。
「やってみる」
槙がそう言ってパソコンを操作する。そして、更に分析をしていくとある場所に反応があることが分かる。
「ここって……」
「茉理?どうしたの?」
そこへ、美玖が部屋にやって来て茉理に声を掛ける。
「美玖、これって……」
茉理がそう言ってキーホルダーを美玖に見せた。
「これが、茉理の番号です……」
敦成がそう言って奏たちに茉理のスマートフォンの番号が書いた紙を渡す。
次の日になり、奏たちは再度マンションを訪れて、この前の時に聞きそびれた茉理のスマートフォンの番号を教えて貰った。その時、敦成に再度、茉理から連絡があったかを聞くが返ってきた言葉は「ない」という返事だった。
「何度も電話してメッセージも入れているんですが、何も連絡がないんです……。もしかして、もう……って考えると怖くて夜もまともに寝れていません……」
敦成が悲痛な表情でそう言葉を綴る。
「……失礼ですが、茉理さんの会社に何度も電話を掛けて色々おしゃっていたようですが、本当ですか?」
「……っ!」
奏が町田に聞いた話を敦成に振る。その問いに、敦成は言葉を詰まらし、何も話さない。
「もう一つ。無礼を承知でお聞きします。茉理さんの職場ではあなたが暴力を振るっているという噂があるそうです。それは事実ですか?」
奏がそう問うが敦成は口を開かない。何も言わないことからそれが事実なのだと分かる。
敦成が黙り込んでしまったので、これ以上の会話は無理だと分かり、奏たちはマンションを後にした。そして、槙がパソコンを使って茉理の番号を入力し、何処にいるかを探る。
――――カタカタカタカタ……カタカタカタカタ……。
槙がリズムよくパソコンを操作していく。奏たちはその様子をじっと見つめている。
「電源が入っていないみたいだが出来そうか?」
紅蓮がそう言葉を発する。
「電源が入っていなくても、微弱な電波は通っている。問題ない」
槙がそう言っていろんなソフトを器用にこなしながら捜索していく。
――――カタカタカタカタ……カタカタカタカタ……。
――――カタカタカタカタ……カタカタカタカタ……カタン……。
「見つけたぞ」
槙が声を出す。そして、画面に出てきた地図を奏たちに見せる。
「磯津川がある方面だな……。場所は四日市と鈴鹿の境目辺りか……」
透が画面の地図を見ながらそう言葉を綴る。
「行ってみましょう!!」
奏がそう言って、みんなでその場所に向かうことにした。
「懐かしいでしょ?茉理と色違いのお揃いで作ったビーズステッチのキーホルダーだよ!」
美玖が笑顔でそう言葉を綴る。それは花びらをモチーフにした青色がメインで作られているビーズステッチのキーホルダーだった。
「……美玖がこの色で作って、私はピンク色で作ったんだよね……」
茉理がそのキーホルダーを眺めながら懐かしそうにそう言葉を綴る。
「まだ持ってたんだ……」
茉理がそうぽつりと言う。
「お気に入りでね。それに付いている鍵は私の車の鍵だよ。あっ!何ならどこか行く?ずっと家にいるのも退屈かもしれないし」
美玖がそう提案するが茉理は「いい」と言って断った。確かにずっと家にいるのは息苦しいが、下手に外に出て行くのも怖い……。もしかしたら、警察が自分を探しているかもしれない……。
見つかって捕まったら、自分は一生幸せを手に入れられない……。
「それよりさ……、久々に昔話でもしようよ」
茉理が美玖にそう提案する。美玖は「いいよ」と言って、二人で昔話に花を咲かせることになった。
「……この道を真っ直ぐに行って、突き当りを左だな?」
車の中で透が運転をしながら、後ろに座っている槙にナビをしてもらう。
「……ナビをするなら助手席で良かったんじゃないのか?」
槙の隣に座っている紅蓮が恨めしそうな声でそう言葉を綴る。
「野獣と奏を並んで座らせるわけにはいかないからな」
槙が辛辣な言葉を吐く。
「誰が野獣だよ?」
「お前以外に誰がいるんだ?妄想野獣」
紅蓮がそう言い返すが槙は淡々とした口調でそう言葉を返す。
「妄想野獣って何のことですか?」
奏が槙にそう尋ねる。
「あぁ……それは……」
槙が説明しようとした時だった。
「い……いや!何でもないよ!!なっ?!なっ?!」
紅蓮が慌てて槙の口を塞ぎ、誤魔化すような笑顔でそう言葉を綴る。その様子に奏は何のことか分からなくて頭にはてなマークを浮かべた。
「まぁ、気にすることないよ。槙、近くまで来たがもう少し細かく場所を特定できるか?」
透がそう言って槙に尋ねる。
「やってみる」
槙がそう言ってパソコンを操作する。そして、更に分析をしていくとある場所に反応があることが分かる。
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