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第五章 羽を失った鳥は猛獣をエサにする
第10話
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ホテルの部屋にやってきた麗美を見て下井が嬉しそうに声を出し、麗美の腰に手を回す。
「先にシャワーを浴びてくる?」
麗美が下井の耳元でそう囁く。
「……今日は下井さんに激しく抱かれたいわ……。サービスも沢山するから綺麗にしてきてね?」
麗美が甘い声を出しながら耳元で囁く。
「……じゃあ、先に浴びてくるよ」
下井がそう言って浴室に消えていく。
しばらくして、シャワーを浴び終わった下井が部屋に戻ってくる。すると、部屋では麗美が下着姿に透けているベビードールのようなものを身に付けただけの格好でソファに座っていた。
「……っ」
その艶めかしい姿に下井が息を飲む。
「麗美……ベッドに……」
下井が抱きたい感情が抑えきれなくてそう言葉を発する。
「焦っちゃだめよ。とりあえず座って」
麗美が誘うような仕草で片手を下井に向けてソファに来るように促す。
下井はその言葉に従い、ソファに腰を下ろす。
「はい、良かったらどうぞ」
麗美がそう言ってウイスキーのロックを下井に渡す。
「……ねぇ、下井さん……。今日は野獣のように荒々しく抱かれたいわ……。下井さん、アルコールが少し回ると激しく抱いてくれる時があるから、良かったら一気にくっと飲んで、激しく抱いてくれる……?」
麗美が艶めかしい声でそう言葉を綴る。
「あ……あぁ……。分かった……」
麗美の言葉に下井が興奮気味になりながら、ウイスキーのロックを一気に口に流し込んだ。
「……ぷはっ!飲んだぞ!さぁ、ベッドに……」
下井がそこまで言いかけた時だった。
「……ぐっ……がっ……」
突然下井が苦しみだして、その場に倒れ込む。
「……麗……美……。きさ……ま……」
――――ガクッ……。
「……さようなら、下井さん」
目を見開いたままこと切れて動かなくなった下井を見下ろしながら麗美がそう声を発する。
そして、自分が触ったグラスなどの指紋を綺麗にふき取り、下井のスマートフォンの中にある自分の履歴を消す。しかし、それだけでは不安なのでそのスマートフォンを自分の鞄の中に入れる。その後で、メイクをオフにして髪を纏めて着ていた服を鞄の中に入れて持ってきた服を着て、来た時とはまるで雰囲気が変わる格好になってその部屋を出た。
「……よし!ごみも捨てたし、そろそろ仕度しなきゃ!!」
眞子がマンションの共同のゴミ捨て場にゴミを捨て終わって、そう声を発する。
「……あれ?」
そこへ、マンションに入ってきた一人の女性に目がいく。
(あれ?あれって……)
眞子がマンションの入り口に入ってきた人物を見て声を出すが、関わり合いになりたくないので、そのまま気付かない振りをする。そして、その人物が部屋に入っていたことを見届けてから自分の部屋に戻った。
――――ブー、ブー、ブー……。
その時に眞子のスマートフォンが振動して、メッセージが来たことを知らせる。眞子はそのメッセージを確認すると、すぐに返信した。
「麗美の事だけど、一度直で話してみてもいいんじゃないか?」
紅蓮の言葉に透が一瞬固まる。
「……気が進まない」
透がうんざりしたようにそう言葉を綴る。
「まぁ、そうだろうな」
紅蓮が提案したものの「やはりな」と言う感じで言葉を綴る。
「あ……まてよ?」
紅蓮があることを思い出し、そう声を出す。
「麗美の携帯番号は分かるんだよな……?」
紅蓮がそう言ってにやりと笑った。
「……いらっしゃいませ~」
紅蓮と透が店に来てママが二人を出迎えて、席に案内する。
「……ママ、私が行くわ」
女の子を呼びに来たママに麗美が口を切ってそう言葉を発する。
「指名されたのは眞子ちゃんよ。……よろしくね、眞子ちゃん♪」
ママがそう言って眞子に笑顔を向ける。眞子は元気よく返事をすると、その席に向かった。その様子を麗美が恨めしそうに眺める。
「……あははっ!もう~、何言っているんですか、紅蓮さん!」
眞子が笑いながら紅蓮がした変な質問にそう答える。
「私はそういう映画は見ないですよ!」
眞子が笑いながら笑顔でそう答える。
紅蓮が眞子に聞いたのは娼婦の女が生活のために身体を売っている話で、眞子はそういうのってついやってしまいそうなのかと言う話だった。
「まぁ、眞子ちゃんはタイプ的にそういう事はしそうにないよね♪」
紅蓮が笑顔でそう言葉を返す。
「……昨日、あの後大丈夫だった?」
「何がですか?」
透の言葉に眞子がはてなマークを浮かべる。
「いや……、眞子ちゃんに変えたから麗美ちゃんに何か言われなかったかなって思って……」
透の言葉に眞子は「あぁ……」と言って昨日の事を話した。
「……まぁ、なんかすごく睨まれはしましたけど、何か言ってきたわけではないんで……」
眞子がそう言ってため息を吐く。
「まっ!直接何かをするってことは無いと思いますよ!それに、麗美さんも麗美さんで凄いところはありますし……」
「……そうなの?」
眞子の言葉に紅蓮がそう声を出す。
「えぇ。ほら、麗美さんってすごくスタイルがいいじゃないですか。でもそれって麗美さんは陰ながらすごく努力しているんですよ。よくウォーキングに行く姿も見かけますし、どんな時でもメイクもきちんとしていて手を抜いているのを見たことが無いんですよね」
「へぇ……、なんか意外だな……」
眞子の話に透がそう声を出す。
「あ……、だからかな?今日の麗美さんは意外でしたね……」
「先にシャワーを浴びてくる?」
麗美が下井の耳元でそう囁く。
「……今日は下井さんに激しく抱かれたいわ……。サービスも沢山するから綺麗にしてきてね?」
麗美が甘い声を出しながら耳元で囁く。
「……じゃあ、先に浴びてくるよ」
下井がそう言って浴室に消えていく。
しばらくして、シャワーを浴び終わった下井が部屋に戻ってくる。すると、部屋では麗美が下着姿に透けているベビードールのようなものを身に付けただけの格好でソファに座っていた。
「……っ」
その艶めかしい姿に下井が息を飲む。
「麗美……ベッドに……」
下井が抱きたい感情が抑えきれなくてそう言葉を発する。
「焦っちゃだめよ。とりあえず座って」
麗美が誘うような仕草で片手を下井に向けてソファに来るように促す。
下井はその言葉に従い、ソファに腰を下ろす。
「はい、良かったらどうぞ」
麗美がそう言ってウイスキーのロックを下井に渡す。
「……ねぇ、下井さん……。今日は野獣のように荒々しく抱かれたいわ……。下井さん、アルコールが少し回ると激しく抱いてくれる時があるから、良かったら一気にくっと飲んで、激しく抱いてくれる……?」
麗美が艶めかしい声でそう言葉を綴る。
「あ……あぁ……。分かった……」
麗美の言葉に下井が興奮気味になりながら、ウイスキーのロックを一気に口に流し込んだ。
「……ぷはっ!飲んだぞ!さぁ、ベッドに……」
下井がそこまで言いかけた時だった。
「……ぐっ……がっ……」
突然下井が苦しみだして、その場に倒れ込む。
「……麗……美……。きさ……ま……」
――――ガクッ……。
「……さようなら、下井さん」
目を見開いたままこと切れて動かなくなった下井を見下ろしながら麗美がそう声を発する。
そして、自分が触ったグラスなどの指紋を綺麗にふき取り、下井のスマートフォンの中にある自分の履歴を消す。しかし、それだけでは不安なのでそのスマートフォンを自分の鞄の中に入れる。その後で、メイクをオフにして髪を纏めて着ていた服を鞄の中に入れて持ってきた服を着て、来た時とはまるで雰囲気が変わる格好になってその部屋を出た。
「……よし!ごみも捨てたし、そろそろ仕度しなきゃ!!」
眞子がマンションの共同のゴミ捨て場にゴミを捨て終わって、そう声を発する。
「……あれ?」
そこへ、マンションに入ってきた一人の女性に目がいく。
(あれ?あれって……)
眞子がマンションの入り口に入ってきた人物を見て声を出すが、関わり合いになりたくないので、そのまま気付かない振りをする。そして、その人物が部屋に入っていたことを見届けてから自分の部屋に戻った。
――――ブー、ブー、ブー……。
その時に眞子のスマートフォンが振動して、メッセージが来たことを知らせる。眞子はそのメッセージを確認すると、すぐに返信した。
「麗美の事だけど、一度直で話してみてもいいんじゃないか?」
紅蓮の言葉に透が一瞬固まる。
「……気が進まない」
透がうんざりしたようにそう言葉を綴る。
「まぁ、そうだろうな」
紅蓮が提案したものの「やはりな」と言う感じで言葉を綴る。
「あ……まてよ?」
紅蓮があることを思い出し、そう声を出す。
「麗美の携帯番号は分かるんだよな……?」
紅蓮がそう言ってにやりと笑った。
「……いらっしゃいませ~」
紅蓮と透が店に来てママが二人を出迎えて、席に案内する。
「……ママ、私が行くわ」
女の子を呼びに来たママに麗美が口を切ってそう言葉を発する。
「指名されたのは眞子ちゃんよ。……よろしくね、眞子ちゃん♪」
ママがそう言って眞子に笑顔を向ける。眞子は元気よく返事をすると、その席に向かった。その様子を麗美が恨めしそうに眺める。
「……あははっ!もう~、何言っているんですか、紅蓮さん!」
眞子が笑いながら紅蓮がした変な質問にそう答える。
「私はそういう映画は見ないですよ!」
眞子が笑いながら笑顔でそう答える。
紅蓮が眞子に聞いたのは娼婦の女が生活のために身体を売っている話で、眞子はそういうのってついやってしまいそうなのかと言う話だった。
「まぁ、眞子ちゃんはタイプ的にそういう事はしそうにないよね♪」
紅蓮が笑顔でそう言葉を返す。
「……昨日、あの後大丈夫だった?」
「何がですか?」
透の言葉に眞子がはてなマークを浮かべる。
「いや……、眞子ちゃんに変えたから麗美ちゃんに何か言われなかったかなって思って……」
透の言葉に眞子は「あぁ……」と言って昨日の事を話した。
「……まぁ、なんかすごく睨まれはしましたけど、何か言ってきたわけではないんで……」
眞子がそう言ってため息を吐く。
「まっ!直接何かをするってことは無いと思いますよ!それに、麗美さんも麗美さんで凄いところはありますし……」
「……そうなの?」
眞子の言葉に紅蓮がそう声を出す。
「えぇ。ほら、麗美さんってすごくスタイルがいいじゃないですか。でもそれって麗美さんは陰ながらすごく努力しているんですよ。よくウォーキングに行く姿も見かけますし、どんな時でもメイクもきちんとしていて手を抜いているのを見たことが無いんですよね」
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