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討伐編 後幕 光を信じている鳥
19.
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電話越しに広斗が心配そうにそう声を出す。
奏は部屋に戻ると広斗から電話があったので折り返し電話を掛けた。
すると、広斗は梓の奏に対する行動が気になっているらしく、始終不安だという事を話した。
「本当に何かをされたわけではないから大丈夫だよ。多分、梓さんのイタズラ的な感じだと思うし……」
奏がそう言葉を綴る。
実際のところ、梓が奏を襲う事も無ければ、キスをされそうになっても寸でのところで留まってくれる。
なので、梓が奏に本気ではないのだろうと奏は思っていた。
だが、広斗にはそう映らないらしく不安が拭えないらしい。
『う~ん……。本当にそうならいいんだけど……。でも、なんだか不安なんだよね……』
電話の向こうで広斗が悶々としながら深いため息を吐く。
『奏は奏でカッコイイ女性は好きな方だし……』
どうやら、「奏の方もその気になるのではないのか?」という不安が広斗にはあるらしく、それがあってか余計に不安が拭えないとのことだった。
「私が大好きなのは広斗さんだよ!だから、心配しないで!本当に大丈夫だから!!」
奏が明るい声でそう言葉を綴る。
『奏……』
その言葉と声に広斗が少し安心したのか、少しだけその不安が取れる。
その時だった。
――――コンコンコン……。
奏の部屋を誰かがノックする。
「奏!会議をするぞ!!」
ドアの向こうで梓がそう声を掛ける。
「は……はい!分かりました!すぐに行きます!!」
奏がその言葉に慌てて返事をする。
『奏?どうしたの??』
広斗が電話越しにそう声を掛ける。
「今から会議みたいだからまた電話するね!」
奏が慌てた様子でそう言葉を綴る。
『分かったよ。あっ!そうだ、奏、あのさ……』
広斗が何かを言い掛ける。
「奏!早くしろ!!」
梓が部屋の外でそう声を発する。
「はい!分かりました!!……ごめんね、広斗さん。また電話するね!」
奏がそう言って電話を切る。
「……本当に今のままでいいの……?」
電話が切れて、広斗がスマートフォンを手にしながらそう呟く。
その表情はどこか苦しそうだった。それは、梓に奏を取られるという不安ではなく、別の不安が広斗の中を駆け巡っていた……。
***
その頃、リビングには透と颯希、それと静也が三人で話していた。
「颯希?大丈夫か?」
颯希の隣に座っている静也が颯希の何か思い詰めているような表情を見て心配そうに声を掛ける。
「大丈夫です……。ただ……」
奏は部屋に戻ると広斗から電話があったので折り返し電話を掛けた。
すると、広斗は梓の奏に対する行動が気になっているらしく、始終不安だという事を話した。
「本当に何かをされたわけではないから大丈夫だよ。多分、梓さんのイタズラ的な感じだと思うし……」
奏がそう言葉を綴る。
実際のところ、梓が奏を襲う事も無ければ、キスをされそうになっても寸でのところで留まってくれる。
なので、梓が奏に本気ではないのだろうと奏は思っていた。
だが、広斗にはそう映らないらしく不安が拭えないらしい。
『う~ん……。本当にそうならいいんだけど……。でも、なんだか不安なんだよね……』
電話の向こうで広斗が悶々としながら深いため息を吐く。
『奏は奏でカッコイイ女性は好きな方だし……』
どうやら、「奏の方もその気になるのではないのか?」という不安が広斗にはあるらしく、それがあってか余計に不安が拭えないとのことだった。
「私が大好きなのは広斗さんだよ!だから、心配しないで!本当に大丈夫だから!!」
奏が明るい声でそう言葉を綴る。
『奏……』
その言葉と声に広斗が少し安心したのか、少しだけその不安が取れる。
その時だった。
――――コンコンコン……。
奏の部屋を誰かがノックする。
「奏!会議をするぞ!!」
ドアの向こうで梓がそう声を掛ける。
「は……はい!分かりました!すぐに行きます!!」
奏がその言葉に慌てて返事をする。
『奏?どうしたの??』
広斗が電話越しにそう声を掛ける。
「今から会議みたいだからまた電話するね!」
奏が慌てた様子でそう言葉を綴る。
『分かったよ。あっ!そうだ、奏、あのさ……』
広斗が何かを言い掛ける。
「奏!早くしろ!!」
梓が部屋の外でそう声を発する。
「はい!分かりました!!……ごめんね、広斗さん。また電話するね!」
奏がそう言って電話を切る。
「……本当に今のままでいいの……?」
電話が切れて、広斗がスマートフォンを手にしながらそう呟く。
その表情はどこか苦しそうだった。それは、梓に奏を取られるという不安ではなく、別の不安が広斗の中を駆け巡っていた……。
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