ファクト ～真実～

討伐編 後幕 光を信じている鳥

２１．

　傍にいるサンジがある場所を指で示しながらそう声を発する。

「そうだな……。確かに必要だな……」

　サンジが差した指の場所にウォンが頷く。

「では、この段取りでやってみます」

　サンジがそう声を発すると、パソコンが設置してある机に座り、何かの作業を始める。

「マツリ！マツリ！！」
「殺戮マツリ！殺戮マツリ！！」
「タノシミ！タノシミ！！」

　傍にいるロボットたちが機械音の声で楽しそうに騒ぎ出す。

「時が来たら思う存分暴れるといい」

　そのロボットたちにウォンが黒い笑みを浮かべながらそう声を掛ける。

　その言葉にロボットたちが楽しそうにはしゃぎ出した。




＊＊＊

「……久しぶりだな」

　シェアハウスにやって来た人物に梓が微笑みながらそう声を掛ける。

「元気そうじゃないか、美雨」

　やって来たのは美雨だった。

　そして、美雨を家に招き入れてリビングに通す。

　リビングには奏たちが集まっていた。梓から会議をすると呼ばれてリビングに集まっていたのだった。

「美雨さん！お久し振りです！！」

　奏がリビングにやってきた美雨に声を掛ける。

「お久し振りです。例の件では大変お世話になりました」

　美雨がそう言葉を綴りながら奏たちに深々とお辞儀をする。

　そして、しばらくの間は美雨を交えての談笑になった。

　美雨の話では志々雄は国がより良くなるためにいろいろな政策を打ち出していると言う。どの政策も国民を第一に考えた政策で国民から定期的に改善して欲しいことをアンケートという形で収集しているらしい。

「……本当にこの国がいい方向に回り始めましたね」

　美雨の話を聞いて奏がどこか安心した様子でそう言葉を綴る。

「そういえば、前首相たちはどういう方向に進んでいるんだ？」

　透が國賀島たちが行った前回のコンフィルトンワクチンの事や國賀島を筆頭として国を動かしていた水戸たちが行っていた悪事を問う。

「それに関してはほぼ裏が取れました。なので、無期懲役という形で今はある小さな島にある極悪人を収容する刑務所で罰を受けていますよ」

　美雨がその話に笑顔を見せながらそう言葉を綴る。

（美雨さんって怒らすと結構怖そうだな……）

　静也が心でそう呟くが、敢えてその事は表に出さない。

「まぁ、それだけの事をしたんだから当然の罰だよな」

　紅蓮が「してやったり！」という顔でそう言葉を綴る。

「そうだな。同情の余地は無いな」

　槙はその話に興味があるのか興味が無いのかよく分からない表情で淡々とそう答える。

「……ところで、美雨はどうしてここにやってきたんだ？力也から美雨が来るという話は聞いているが、話は美雨本人に聞いてみてくれという事なんだが……」

　梓が美雨にここにやってきた理由を尋ねる。

「えぇ……。実は――――」