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討伐編 後幕 光を信じている鳥
32.
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サンジがウォンに声を掛ける。
「どうした?」
ウォンがウィスキーの入ったグラスを傾けながら応える。
「今、日本に散らばっている我々の仲間に周囲を警戒するように伝えた方が良いのではないかと思うのですが……」
サンジがウォンにそう言葉を綴る。
「……もしかしてあの時の奴らが気になるのか?」
ウォンが前の時に見た透たちの事をサンジが言っているのだろうと察してそう口を開く。
「何となくですが、嫌な予感が拭えないんです」
「まぁ、良いだろう。心配し過ぎだとは思うがな。そう思うならお前から仲間たちにメッセージを送るといい」
「分かりました」
ウォンの言葉にサンジはそう言うと、パソコンを通じて仲間たちに周囲を警戒するメッセージを送った。
***
「……梓さん、こちらを見てください」
美雨が気になるメッセージを見つけて、梓に声を掛ける。
そのメッセージを読むと、どうやら沢山の仲間が日本に入り込んでいることが分かる。だが、正しい人数が分からない。
「もう少し探ってみてくれ」
「はい」
梓の言葉に美雨が返事をしてもう少し深く調べてみる。
その時だった。
「……はぁ~……」
ため息を吐きながら槙がリビングにやって来る。
槙の手の中には小型のノートパソコンを持っていた。
「お疲れ様です、槙さん。どうですか?」
奏が槙にそう声を掛ける。
「思うように作業が進まない。かなり苦戦すると思う」
槙がため息を吐きながらそう言葉を綴る。
「へぇ~、槙が苦戦するなんてなんか意外だな」
紅蓮がちょっと意地悪そうな顔でそう言葉を綴る。
「つまりそれだけ再現はかなり難しいんだろうな」
透がそう口を開く。
「でも、再現しないと制御が出来ないのです……。誰か一致する人がいればよいのですが……」
颯希が悔しそうな顔をしながらそう言葉を綴る。
「それはまず不可能だろうな。声紋が一致するなんてかなり低い確率だぜ?」
静也がそう苦言を呈する。
「……あれ?美雨はまた来ていたのか?」
槙が美雨の存在に気付いてそう声を発する。
「あぁ。ちょっと今回の件でも美雨には協力して貰う事になった」
「ふーん……」
梓の言葉に槙は特に興味がない様子でそう声を発する。
その槙の様子に美雨は少しショックを受けて、表情が曇る。
(……私のことは特に興味がないって感じだな)
美雨が心でそう呟く。
そこへ、佐和子が持ってきたお茶とお菓子を槙は少し食べると、もう少し頑張ってくると言って部屋へ戻っていく。
部屋に戻り、手に持っている小型のノートパソコンを再度起動させようとして、電源を入れようとした。
「あ……しまった……」
「どうした?」
ウォンがウィスキーの入ったグラスを傾けながら応える。
「今、日本に散らばっている我々の仲間に周囲を警戒するように伝えた方が良いのではないかと思うのですが……」
サンジがウォンにそう言葉を綴る。
「……もしかしてあの時の奴らが気になるのか?」
ウォンが前の時に見た透たちの事をサンジが言っているのだろうと察してそう口を開く。
「何となくですが、嫌な予感が拭えないんです」
「まぁ、良いだろう。心配し過ぎだとは思うがな。そう思うならお前から仲間たちにメッセージを送るといい」
「分かりました」
ウォンの言葉にサンジはそう言うと、パソコンを通じて仲間たちに周囲を警戒するメッセージを送った。
***
「……梓さん、こちらを見てください」
美雨が気になるメッセージを見つけて、梓に声を掛ける。
そのメッセージを読むと、どうやら沢山の仲間が日本に入り込んでいることが分かる。だが、正しい人数が分からない。
「もう少し探ってみてくれ」
「はい」
梓の言葉に美雨が返事をしてもう少し深く調べてみる。
その時だった。
「……はぁ~……」
ため息を吐きながら槙がリビングにやって来る。
槙の手の中には小型のノートパソコンを持っていた。
「お疲れ様です、槙さん。どうですか?」
奏が槙にそう声を掛ける。
「思うように作業が進まない。かなり苦戦すると思う」
槙がため息を吐きながらそう言葉を綴る。
「へぇ~、槙が苦戦するなんてなんか意外だな」
紅蓮がちょっと意地悪そうな顔でそう言葉を綴る。
「つまりそれだけ再現はかなり難しいんだろうな」
透がそう口を開く。
「でも、再現しないと制御が出来ないのです……。誰か一致する人がいればよいのですが……」
颯希が悔しそうな顔をしながらそう言葉を綴る。
「それはまず不可能だろうな。声紋が一致するなんてかなり低い確率だぜ?」
静也がそう苦言を呈する。
「……あれ?美雨はまた来ていたのか?」
槙が美雨の存在に気付いてそう声を発する。
「あぁ。ちょっと今回の件でも美雨には協力して貰う事になった」
「ふーん……」
梓の言葉に槙は特に興味がない様子でそう声を発する。
その槙の様子に美雨は少しショックを受けて、表情が曇る。
(……私のことは特に興味がないって感じだな)
美雨が心でそう呟く。
そこへ、佐和子が持ってきたお茶とお菓子を槙は少し食べると、もう少し頑張ってくると言って部屋へ戻っていく。
部屋に戻り、手に持っている小型のノートパソコンを再度起動させようとして、電源を入れようとした。
「あ……しまった……」
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