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最終章 そして、白い鳥たちは大空へ向かう
第7話
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「今度はバイクですか……?」
土曜日。今日は学校がお休みのため、颯希は静也の家に行くために私服姿で朝食を食べていた。その時に佳澄から昨日の深夜にバイクが燃えているのを通行人が発見し、消防車がきてちょっとした騒ぎになったと言う。警察はこの前の自転車の放火と同一人物ではないかという事で捜査を開始したという事だった。
「一体誰が放火なんか……。颯希も気を付けてね」
「はーい……」
朝食を食べ終えて、出掛ける準備をする。
「いってきまーす!」
玄関を出ると、空は青空が広がっていた。
「……いい天気です」
太陽の眩しさに目を細めながら颯希が微笑むように呟く。日差しを浴びるようにゆっくりとした足取りで道を歩く。途中で店に入り、ハリケーンのドッグフードを買って静也の家に行った。
「よお、来たか」
静也の家に行くと、静也が庭でハリケーンの身体をブラッシングしていた。
「おはようございます!」
颯希が元気よく挨拶をする。
「やあ、いらっしゃい」
拓哉が出てきて颯希に挨拶をする。
「おはようございます!拓哉さん!」
そして、静也にドッグフードを渡し、静也と一緒にハリケーンとじゃれ合っていた。
「もう少ししたら散歩に連れてくか」
「そうですね!行きましょう!」
こうして、颯希と静也でハリケーンの散歩に行くことになった。
あんな場面に出くわす羽目になるとは露知らずに……。
その頃、月子と月弥は家のリビングでお互いにタブレットやパソコンを広げながらゆったりとくつろいでいた。
「ねぇ……」
そこへ、月子が声を発する。
「どうしたの?」
月子の言葉に月弥が反応する。
しばらく沈黙が続く。
「……何でもない」
月子はそう言うと、「部屋に戻る」と言って、戻っていった。その様子を月弥が心配そうに眺める。そこへ、入れ替わるように父親がリビングに入ってきた。そして、父親が月弥と対面になるようにソファーに腰掛ける。
「……父さん、まだ話をしない方がいいの?」
月弥が意味ありげな言葉を父親に問う。
「もう少し待て」
父親がそれだけを言う。
「最近、月子の様子がおかしい気がするんだ……。いつも通りのようでちょっと違う感じがする……」
月弥が沈痛な面持ちで話す。
「思春期だからな。いろいろと不安定な時期でもあるんだろう……」
父親の言葉に月弥は納得しようにも、最近の月子の様子が思春期だけではないような気がしてならない。何かもっと別のことで思い詰めているような、そんな雰囲気だ。
「……お前がそんな顔をしていたら月子は余計に不安になる。ちゃんと芯は持っていろ」
「うん……」
父親の言葉に月弥はそう返事するしかない。
月子のことを守れるのは自分だけ……。
自分が守らなくて誰が守るんだ……。
そんな思いが月弥の中で駆け巡る。
「……はぁ」
月子は自室に戻ると、ベッドに横になっていた。
「なんで、こんな感情なんだろう……」
そうぽつりと呟く。
最近、月弥がどんどん男らしくなっていき、月子の中で月弥を双子の弟ではなく一人の男として意識するようになり、その感情に戸惑っていた。なんとか月弥の前では平静さを保っているが、意識してしまうことが増えてきてどうしたらよいか分からなくなってきている。
「こんな気持ち、許されるはずないのに……」
月弥を男として見ている自分に辛さや苦しさを感じる。
感情が渦巻く。
グルグル……。
グルグル……。
「木津さん、例の内の一名は裏が取れたのですが、立証するのは難しいかもしれません」
「なんでだ?」
呉野の言葉に木津が疑問の声を漏らす。
「どうやら握りつぶしている人物がいるみたいなんです。まだ確証はありませんが、どうやらその人物が――――」
呉野がそう言いながらある人物の名前を挙げる。
「……嘘だろ……?」
呉野が言った人物の言葉に木津が信じられないとでも言うような顔をする。
「確証はまだありませんが……」
呉野の言葉に木津が「うーん……」と唸る。そして、その方面で調べてみようという事になり、捜査を続けることにした。
「沢山お散歩して立派なパトロール犬になってくださいね!」
青空の中を颯希と静也がハリケーンと一緒にお散歩していた。
「わわっ!走るなよ!!」
ハリケーンはお散歩がよっぽど嬉しいのか時折走ったりしてそのたびに静也がリードで引っ張っている。
「ハリケーン、すごくお散歩が嬉しいのですね!」
颯希が元気なハリケーンを見て嬉しそうに言葉を綴る。
その時だった。遠くから人がこちらに向かって歩いてくるのが見える。近付くにつれてその人が誰か分かり、颯希が手を振りながら声を上げる。
「楓さーん!!」
颯希の声に気付き、楓が手を振ったので、颯希たちが近くまで駆け寄っていく。
「こんにちは!楓さん!」
「こんにちは。犬のお散歩?」
楓がハリケーンの頭を撫でながらそう言葉を綴る。
楓は仕事が休みの日という事もあり、散歩をしているところだった。白のパンツに白のタンクトップ。その上に薄い黄色のカーディガンを羽織っている。
「ハリケーンって言う名前なのです。フラフラしているところを保護して静也くんが引き取ってくれたのですよ」
颯希の言葉に静也が軽く会釈する。そして、三人で散歩をすることになり、颯希がハリケーンを保護したときのことを話した。
「……じゃあ、颯希ちゃんたちはその十二年前の放火事件のことを調べているんだ」
「はい。でも、手掛かりが少なくて何処をどう調べればいいのか分からなくて……。楓さんはその事件を知っていますか?」
颯希が少しでも何か手掛かりを探すために話を振る。
「……うーん。そうねぇ~……。関係ないかもしれないけど、その事件のあと直ぐにクラスメートが留学したの。突然だったからみんな驚いてたわ」
「……放火事件と関係があるのですかね?」
「それは無いと思うけど……。ただ単に時期が被っただけで、関係ないと思うわ」
楓の話に颯希がどことなく違和感を持つ。留学なら早々と分かるはずだし、夏休みの中盤に突然、留学に行くのだろうか?もし、行くとしたら夏休みが始まってすぐに行くのなら話は分かるが、楓の話では前々から決まっていた感じではない。
「それで、その留学をしていたクラスメートの方は帰ってきたのですよね?」
「それが、夏休みが終わって帰ってくるのだと思ったら帰らずに向こうの学校にそのまま残ったとかでこっちの高校は辞めたのよ……」
「「えっ……」」
楓の話に颯希と静也が同時に声を出す。
「そんなことがあり得るのでしょうか……?」
颯希の中で疑問が膨らむ。
もしかして、留学ではなく別の理由かもしれない。
例えば、その放火事件で火傷を負った被害者の可能性もある……。
「詳しいことは分からないけど、そう聞いているわ……」
しばらく沈黙が続く。
「……そういえばさ、十二年も前の事なのによく覚えていたな」
その沈黙を静也が破った。
「そうね。当時、私は高校生だったのだけど、その留学したクラスメートの人のことは憧れだったのよ。すごく頭のいい人でね。恋とは少し違うと思うのだけど、勉強ができて弓道も出来て素敵な人だなぁ~って思ってたんだ」
楓がそう言いながら顔を少し赤らめる。きっと、その人のことが本当は好きだったのだろう。でも、自分は生まれつき障がい者だからそんな人とは釣り合わない。だから、好きになるのを諦めて憧れとして胸に思いを秘めたのかもしれない……。
「……どっかでその人に会えるといいな」
楓の気持ちを読み取ったのか、静也がそう言葉を綴る。その言葉に楓は少し複雑そうな表情をするが、微笑みながら言った。
「……そうね、会えるならまた会いたいな……。今、どうしているんだろ……」
すこし寂しそうな表情でそう言葉を綴る。
「元気にしているといいですね……」
颯希が楓を元気付けようとそう言葉を発する。
そして、どんな人だったのかを颯希と静也が根掘り葉掘り聞きながら散歩をしていく。
すると、颯希の目がある場面を捉えた。
「ねぇ……!あれっ……!!」
土曜日。今日は学校がお休みのため、颯希は静也の家に行くために私服姿で朝食を食べていた。その時に佳澄から昨日の深夜にバイクが燃えているのを通行人が発見し、消防車がきてちょっとした騒ぎになったと言う。警察はこの前の自転車の放火と同一人物ではないかという事で捜査を開始したという事だった。
「一体誰が放火なんか……。颯希も気を付けてね」
「はーい……」
朝食を食べ終えて、出掛ける準備をする。
「いってきまーす!」
玄関を出ると、空は青空が広がっていた。
「……いい天気です」
太陽の眩しさに目を細めながら颯希が微笑むように呟く。日差しを浴びるようにゆっくりとした足取りで道を歩く。途中で店に入り、ハリケーンのドッグフードを買って静也の家に行った。
「よお、来たか」
静也の家に行くと、静也が庭でハリケーンの身体をブラッシングしていた。
「おはようございます!」
颯希が元気よく挨拶をする。
「やあ、いらっしゃい」
拓哉が出てきて颯希に挨拶をする。
「おはようございます!拓哉さん!」
そして、静也にドッグフードを渡し、静也と一緒にハリケーンとじゃれ合っていた。
「もう少ししたら散歩に連れてくか」
「そうですね!行きましょう!」
こうして、颯希と静也でハリケーンの散歩に行くことになった。
あんな場面に出くわす羽目になるとは露知らずに……。
その頃、月子と月弥は家のリビングでお互いにタブレットやパソコンを広げながらゆったりとくつろいでいた。
「ねぇ……」
そこへ、月子が声を発する。
「どうしたの?」
月子の言葉に月弥が反応する。
しばらく沈黙が続く。
「……何でもない」
月子はそう言うと、「部屋に戻る」と言って、戻っていった。その様子を月弥が心配そうに眺める。そこへ、入れ替わるように父親がリビングに入ってきた。そして、父親が月弥と対面になるようにソファーに腰掛ける。
「……父さん、まだ話をしない方がいいの?」
月弥が意味ありげな言葉を父親に問う。
「もう少し待て」
父親がそれだけを言う。
「最近、月子の様子がおかしい気がするんだ……。いつも通りのようでちょっと違う感じがする……」
月弥が沈痛な面持ちで話す。
「思春期だからな。いろいろと不安定な時期でもあるんだろう……」
父親の言葉に月弥は納得しようにも、最近の月子の様子が思春期だけではないような気がしてならない。何かもっと別のことで思い詰めているような、そんな雰囲気だ。
「……お前がそんな顔をしていたら月子は余計に不安になる。ちゃんと芯は持っていろ」
「うん……」
父親の言葉に月弥はそう返事するしかない。
月子のことを守れるのは自分だけ……。
自分が守らなくて誰が守るんだ……。
そんな思いが月弥の中で駆け巡る。
「……はぁ」
月子は自室に戻ると、ベッドに横になっていた。
「なんで、こんな感情なんだろう……」
そうぽつりと呟く。
最近、月弥がどんどん男らしくなっていき、月子の中で月弥を双子の弟ではなく一人の男として意識するようになり、その感情に戸惑っていた。なんとか月弥の前では平静さを保っているが、意識してしまうことが増えてきてどうしたらよいか分からなくなってきている。
「こんな気持ち、許されるはずないのに……」
月弥を男として見ている自分に辛さや苦しさを感じる。
感情が渦巻く。
グルグル……。
グルグル……。
「木津さん、例の内の一名は裏が取れたのですが、立証するのは難しいかもしれません」
「なんでだ?」
呉野の言葉に木津が疑問の声を漏らす。
「どうやら握りつぶしている人物がいるみたいなんです。まだ確証はありませんが、どうやらその人物が――――」
呉野がそう言いながらある人物の名前を挙げる。
「……嘘だろ……?」
呉野が言った人物の言葉に木津が信じられないとでも言うような顔をする。
「確証はまだありませんが……」
呉野の言葉に木津が「うーん……」と唸る。そして、その方面で調べてみようという事になり、捜査を続けることにした。
「沢山お散歩して立派なパトロール犬になってくださいね!」
青空の中を颯希と静也がハリケーンと一緒にお散歩していた。
「わわっ!走るなよ!!」
ハリケーンはお散歩がよっぽど嬉しいのか時折走ったりしてそのたびに静也がリードで引っ張っている。
「ハリケーン、すごくお散歩が嬉しいのですね!」
颯希が元気なハリケーンを見て嬉しそうに言葉を綴る。
その時だった。遠くから人がこちらに向かって歩いてくるのが見える。近付くにつれてその人が誰か分かり、颯希が手を振りながら声を上げる。
「楓さーん!!」
颯希の声に気付き、楓が手を振ったので、颯希たちが近くまで駆け寄っていく。
「こんにちは!楓さん!」
「こんにちは。犬のお散歩?」
楓がハリケーンの頭を撫でながらそう言葉を綴る。
楓は仕事が休みの日という事もあり、散歩をしているところだった。白のパンツに白のタンクトップ。その上に薄い黄色のカーディガンを羽織っている。
「ハリケーンって言う名前なのです。フラフラしているところを保護して静也くんが引き取ってくれたのですよ」
颯希の言葉に静也が軽く会釈する。そして、三人で散歩をすることになり、颯希がハリケーンを保護したときのことを話した。
「……じゃあ、颯希ちゃんたちはその十二年前の放火事件のことを調べているんだ」
「はい。でも、手掛かりが少なくて何処をどう調べればいいのか分からなくて……。楓さんはその事件を知っていますか?」
颯希が少しでも何か手掛かりを探すために話を振る。
「……うーん。そうねぇ~……。関係ないかもしれないけど、その事件のあと直ぐにクラスメートが留学したの。突然だったからみんな驚いてたわ」
「……放火事件と関係があるのですかね?」
「それは無いと思うけど……。ただ単に時期が被っただけで、関係ないと思うわ」
楓の話に颯希がどことなく違和感を持つ。留学なら早々と分かるはずだし、夏休みの中盤に突然、留学に行くのだろうか?もし、行くとしたら夏休みが始まってすぐに行くのなら話は分かるが、楓の話では前々から決まっていた感じではない。
「それで、その留学をしていたクラスメートの方は帰ってきたのですよね?」
「それが、夏休みが終わって帰ってくるのだと思ったら帰らずに向こうの学校にそのまま残ったとかでこっちの高校は辞めたのよ……」
「「えっ……」」
楓の話に颯希と静也が同時に声を出す。
「そんなことがあり得るのでしょうか……?」
颯希の中で疑問が膨らむ。
もしかして、留学ではなく別の理由かもしれない。
例えば、その放火事件で火傷を負った被害者の可能性もある……。
「詳しいことは分からないけど、そう聞いているわ……」
しばらく沈黙が続く。
「……そういえばさ、十二年も前の事なのによく覚えていたな」
その沈黙を静也が破った。
「そうね。当時、私は高校生だったのだけど、その留学したクラスメートの人のことは憧れだったのよ。すごく頭のいい人でね。恋とは少し違うと思うのだけど、勉強ができて弓道も出来て素敵な人だなぁ~って思ってたんだ」
楓がそう言いながら顔を少し赤らめる。きっと、その人のことが本当は好きだったのだろう。でも、自分は生まれつき障がい者だからそんな人とは釣り合わない。だから、好きになるのを諦めて憧れとして胸に思いを秘めたのかもしれない……。
「……どっかでその人に会えるといいな」
楓の気持ちを読み取ったのか、静也がそう言葉を綴る。その言葉に楓は少し複雑そうな表情をするが、微笑みながら言った。
「……そうね、会えるならまた会いたいな……。今、どうしているんだろ……」
すこし寂しそうな表情でそう言葉を綴る。
「元気にしているといいですね……」
颯希が楓を元気付けようとそう言葉を発する。
そして、どんな人だったのかを颯希と静也が根掘り葉掘り聞きながら散歩をしていく。
すると、颯希の目がある場面を捉えた。
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