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第一章 紡がれる日常

第62話

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 帰宅したら見合い中だった件!!
 しかもネコカップルが爆誕してた!!

 秒速で帰還した女神様が興奮気味にマシンガントークしています、騎士様頑張って引き付けておいてください、僕は夕食の用意があるのでこの辺で。
 ああもう一人の女神様はあちらに残って根掘り葉掘り聞いているらしい、そして今夜にでも集めた情報を肴に女子会するんですって。平和ですね。

「シャムス、スーパースラちゃんお願いしていいかな」
「はぁい」

 シャムスがほわっと魔力を開放すると、指示待ちしていた数匹のスライムがピキーンと姿勢を正してシャムスの前に整列した。

「本日は押し寿司を作りたいので、お魚とお寿司の用意お願いね」
「ピーー!!」

 イクラは前もってギレンに発注してあったので納品済みだし、大葉や海苔はドリちゃんと手分けしてメニュー画面で購入した。
 お煎茶とお吸い物も準備オーケー、他には天ぷら、茶碗蒸し、ポテトサラダなどが調理済みでした。
 さらに神薙さん用の巨大押し寿司も別途用意してあるらしいです、ドリちゃん張り切ったね。

「シャムス! 牛狩ったぞ! Sレアの牛肉!」

 そこにドーンと乱入してきたのは俺様邪神、小さな体の上に2m越えの牛を担いでいる。
 無茶苦茶筋肉質なうえ、傷が少ないのであれは多分血抜きしてないな。

『牛さん、スラちゃんに渡してね』
「分かった! あとは頼んだぞ!」

 庭先に下ろされた途端に群がるスライムの集団、血抜きから素材剥ぎ取り、解体まで朝飯前のエリートスライムですよ。

「じゃあこのお肉も今日の押し寿司に使おうか」

 シャムスと俺様邪神が今日の出来事を報告しあっているので、その間に下拵えを進めます。
 最近分かったことだけど、シャムスやアー君が手伝った料理は魔力が多少なりとも移るので、もふもふズにとっての最大のご褒美になっていたらしい。

 分かってからは少しでも料理に関わろうとするシャムスが可愛い。
 アー君は忙しくて夕食ギリギリになることもあるし、涼玉は炎帝さんが焦土にした土地の回復に行ったりしているので、毎日手伝えるのはシャムスぐらいなんだよねぇ。
 好感度を上げようと俺様邪神が積極的に手伝ってくれるのは嬉しいな、狩ってくる獲物のランクも高いのでますます食卓が潤うし一石二鳥です。

「騎士様、お話しながらでいいので、この箱に寿司桶にあるご飯詰め込んでください」
「これ?」
「はい、押し寿司器の一番大きいサイズです、ご飯を詰めたらスラちゃんに渡してください」
「分かった」
「主様の魔力がこもった寿司?」
「女神様の分を作る余裕はないので、お土産が欲しかったら自分で作ってください」
「やるやる。詰めながらでも話は出来るからな!」

 たまには子供達にお土産を手作りするのもいいよね、明日隕石が降るんじゃないかと心配されるかもしれないけれど……。

「女神様、今度子供達と一緒にクッキー作りましょうね」

 そして家庭的なこともちょっぴり出来るイメージを作りましょう。
 運が良ければ子供達の中から一人ぐらい、料理の道に進む子が出るかもしれないですし。
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