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第二章 聖杯にまつわるお話
第306話
通せんぼしていた理由が判明した。
刀雲達に混ざって久しぶりに入った果樹園、シャムスと一緒に霧に乗せてもらって移動したその先、果樹園の中心地に黄金でも虹色でもない、光り輝くクリスタルの林檎が実る木……え?
「これかぁ」
アー君たち、最近は魔物も作らずいい子にしていると思ったら大間違い、違う方に精を出していたようです。
何をどう研究したらこんな林檎を作れるんだろうか。
『改良中よ、まだ食べれないの』
「食べれなければ意味がないからな、これはただの聖なるクリスタルだ」
ただの聖なるクリスタルってなんだろう?
異世界ってそういうのが木に実るとか?
そう言えば以前に神薙さんに捧げるためとか言って、宝石の生る木を作り出した一族いたね。
うん、人間に作れるんだから、アー君らなら作れるか。
「いつかこれが食卓に載るのか……ちょっと嫌だな」
「効能的に刀雲が強化されちゃうね」
今のところ食べれるのって神薙さんぐらいじゃない?
あの人、邪神としてレベルが天元突破してるから、ヒヒイロカネも噛み砕けるらしい。
騎士様は神薙さんを止めることを諦め、全てを達観した瞳で僕に「神薙のことは任せた」と言ってきました。それでいいのか神々の上司。
参加者の皆さんは聖なるクリスタルを眺めた後、それぞれ収穫をするために散っていった。
こういう時、アイテムボックスがあると楽ですね。
「イグちゃんあれ食べれる?」
「うーん、ちょっとレベルが足りないかなー? 近寄るのもちょっと危ない、俺じゃなくてこいつが」
「ぴぃ」
聖なるクリスタルの木から離れた場所に立つトレントの後ろに隠れながらの返答、これは今までで一番厄介な聖属性なのでは?
いやそれ以前に、なんでトレントが我が家に?
いつ引っ越ししてきたのだろうか、それとも果樹園の木が進化した?
何が何だか。
「弾かれるっていうのかな、一定以上近付けない」
「……それ、結界張られてないか?」
「ああ!」
刀雲の言葉にイグちゃんがそれだと言わんばかりに頷く、どうやらクリスタルの聖属性が高レベル過ぎてイグちゃんは認識できていなかったみたい。
ただ本能でそれ以上近付くのは危険と判断していたようです。
「あの林檎、魔物除けとして使えないか? 常時使えないにしても、スタンピードの時に使えれば悲劇を減らせると思うんだが……アー君に頼んだら譲ってくれるか?」
「あげゆ」
「うむ、ただの林檎だからな、また実る」
アー君にお願いするまでもなく、シャムスの許可が下りたので聖なるクリスタルはその場で収穫されて刀雲の手に渡った。
涼玉がいる限りあの林檎が延々と量産されるとか、異世界って怖いですね。
「刀雲、魔物と融合してなかったっけ?」
「スライムがいい感じに取り込んだから特に問題ない」
「シャムスのスライムすごいね」
『えへへ、いっぱい持っていっていーのよ!』
「シャムスの慈悲だ、好きなだけ持っていくがいい」
聖なるクリスタルの周囲に霧が集ったかと思ったら、刀雲の腕の中に林檎がドサドサーっと降り注いだ。
大盤振る舞いですね、イグちゃんが逃げて行ったよ。
刀雲達に混ざって久しぶりに入った果樹園、シャムスと一緒に霧に乗せてもらって移動したその先、果樹園の中心地に黄金でも虹色でもない、光り輝くクリスタルの林檎が実る木……え?
「これかぁ」
アー君たち、最近は魔物も作らずいい子にしていると思ったら大間違い、違う方に精を出していたようです。
何をどう研究したらこんな林檎を作れるんだろうか。
『改良中よ、まだ食べれないの』
「食べれなければ意味がないからな、これはただの聖なるクリスタルだ」
ただの聖なるクリスタルってなんだろう?
異世界ってそういうのが木に実るとか?
そう言えば以前に神薙さんに捧げるためとか言って、宝石の生る木を作り出した一族いたね。
うん、人間に作れるんだから、アー君らなら作れるか。
「いつかこれが食卓に載るのか……ちょっと嫌だな」
「効能的に刀雲が強化されちゃうね」
今のところ食べれるのって神薙さんぐらいじゃない?
あの人、邪神としてレベルが天元突破してるから、ヒヒイロカネも噛み砕けるらしい。
騎士様は神薙さんを止めることを諦め、全てを達観した瞳で僕に「神薙のことは任せた」と言ってきました。それでいいのか神々の上司。
参加者の皆さんは聖なるクリスタルを眺めた後、それぞれ収穫をするために散っていった。
こういう時、アイテムボックスがあると楽ですね。
「イグちゃんあれ食べれる?」
「うーん、ちょっとレベルが足りないかなー? 近寄るのもちょっと危ない、俺じゃなくてこいつが」
「ぴぃ」
聖なるクリスタルの木から離れた場所に立つトレントの後ろに隠れながらの返答、これは今までで一番厄介な聖属性なのでは?
いやそれ以前に、なんでトレントが我が家に?
いつ引っ越ししてきたのだろうか、それとも果樹園の木が進化した?
何が何だか。
「弾かれるっていうのかな、一定以上近付けない」
「……それ、結界張られてないか?」
「ああ!」
刀雲の言葉にイグちゃんがそれだと言わんばかりに頷く、どうやらクリスタルの聖属性が高レベル過ぎてイグちゃんは認識できていなかったみたい。
ただ本能でそれ以上近付くのは危険と判断していたようです。
「あの林檎、魔物除けとして使えないか? 常時使えないにしても、スタンピードの時に使えれば悲劇を減らせると思うんだが……アー君に頼んだら譲ってくれるか?」
「あげゆ」
「うむ、ただの林檎だからな、また実る」
アー君にお願いするまでもなく、シャムスの許可が下りたので聖なるクリスタルはその場で収穫されて刀雲の手に渡った。
涼玉がいる限りあの林檎が延々と量産されるとか、異世界って怖いですね。
「刀雲、魔物と融合してなかったっけ?」
「スライムがいい感じに取り込んだから特に問題ない」
「シャムスのスライムすごいね」
『えへへ、いっぱい持っていっていーのよ!』
「シャムスの慈悲だ、好きなだけ持っていくがいい」
聖なるクリスタルの周囲に霧が集ったかと思ったら、刀雲の腕の中に林檎がドサドサーっと降り注いだ。
大盤振る舞いですね、イグちゃんが逃げて行ったよ。
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