神様のポイント稼ぎに利用された3~過保護な神々と溺愛家族に囲われています~

ゆめ

文字の大きさ
419 / 1,238
第二章 聖杯にまつわるお話

第411話

しおりを挟む
 結論から申し上げますと、筋肉モリモリマッチョマンのパワー系魔物が中心に襲ってきました。
 イネスが悪い顔で「ちょろい」と呟いたのは気のせい。

「マールスいけー!」
「はっ!」

 突進してきた大型の猿っぽい魔物をマールスが両断、苦戦することなく倒したのに「少し手こずりました」とか小芝居を入れています。
 こちらの邪神、顔は怖いけどとても律儀。

 奥に行くに従って強くなることもなく、ある程度の鍛錬を積んだ冒険者なら倒せる程度の魔物が続いています。
 ネヴォラ氏の解説によると、森の難易度が低いと思わせることで奥に入りこませ、容易に引き返せない地点まで入り込んだ辺りで突然魔物の強さが変わるはずだとのこと。
 なので奥に行くまではある程度の強さで、なおかつお金になる魔物が出現しているのではないかという事らしいのですが……その手の罠って相手にバレている時点でどうなの?
 ダンジョン育ちのネヴォラに全体を見抜かれていますよ?

「んーマールスどうだ?」
「入り口付近に比べて多少強くなった程度ですな」
『改変が雑なの』
「私がぺかぁの出番がないです」
「霧に乗って偵察してきた。アケビいっぱい」

 ネヴォラの言葉を翻訳すると、偵察ついでに魔物を討伐、ドロップ品がアケビだったみたいです。
 うん、ダンジョンの改変が間に合ってない感じだねー、まぁ僕らがここに来たの思いつきだし仕方ない。

「ん、なんでこんな所に子供が……ってネヴォラが出たぞー!」
「がおー」
「えぇ異国のダンジョンでも巡回するのかよ、なんか食い物持ってたかな?」

 木の間から冒険者が顔を出した。
 どうやら刀国出身の冒険者のようで、ネヴォラを見て渡せる賄賂がないか悩んでいる。

「巡回違う、遊びに来た」
「あぁなんだびっくりした」
「でもおやつちょーだい」
「国に帰ったらでけぇ肉まん買ってやるから見逃してくれ」
「俺はカレーまんを奢る」
「分かった!」

 刀国で売っている一番大きな肉まんと言うと、シャムスのお顔ぐらいのサイズがあるんだよね。
 邪神兄弟のお気に入りのお店で邪神御用達、もちろん邪神に限らずゴブリンやネヴォラにも好評のようです。

「でもここのダンジョン様子がおかしいから攻略せずに帰還した方がいいぞ」
「へーき、わざと」
「わざとなのか?」
「アー君の領地人手不足、魔物を仲間にしてお持ち帰りすんのよ」
「ここはスピード系の魔物が多かったんだが、突然変異したみたいでパワー系に変化したから気をつけろ」
「ただ急な変化だったみたいで魔物自身も能力に慣れてないみたいだったぞ」
「まぁ攻撃力が高い気がするだけで、中級ダンジョンのゴブリン師匠の方が厄介だけどな」

 初級ダンジョン内部を徘徊し、巡回ボスとして猛威をふるっている割にはネヴォラって冒険者と仲がいいよね。

「盾役はいた方がいいぞ」
「コイツ置いていくか?」
「え、そこは俺たち全員で護衛しようぜ?」
「保護者いる。へーき」

 ネヴォラの言葉に親切な冒険者さんがこちらを向き、メンバーを見てぎょっとして後ずさった。

「神子様だーー!!」
「撤退、総員撤退!!」
「ダンジョンがカオスになる前に逃げるぞ!!」

 あれぇ?
 なんだかネヴォラと出会った時より反応酷くない?
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】ルガルの星―冷徹な社長は、僕の運命を知っていた―

綾波絢斗
BL
この世界には、二つの特別な称号を持つ者たちが存在する。 一つは、絶対的な権力を持つ王の称号――ルガル(lugal)。 もう一つは、ルガルと対をなし、その力を補う「番」――ムル(mul)。 ルガルは生まれながらに選ばれし存在。 国家からエリート教育と地位を与えられ、能力に応じて厳格なランク分けが行われる。 最上位のルガルは、政治さえも動かす絶対者だ。 一方で、ムルは生まれた瞬間にはその正体がわからない。 遺伝子検査や学力テストを経て候補が絞られるが、 最終的に「真のムル」かどうかを見極められるのは――ルガルだけ。 ムルが覚醒したとき、同じ場所に「紋章」が現れ、その瞬間から、ルガルとムルの力は共鳴し始める。 ムルの能力はルガルの力を最大限に引き出す。 ゆえにルガルたちは、自らのムルを求め、時には他人のムル候補を奪い合う。 そして、すべての出生データと遺伝情報を管理するのは、 巨大企業イルジオン――国家をも超える存在。 その頂点に立つ社長、一条レイ。 冷徹なルガルの頂点に君臨する彼が「自分のムル」と出会った。

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

【完結】ここで会ったが、十年目。

N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化) 我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。 (追記5/14 : お互いぶん回してますね。) Special thanks illustration by おのつく 様 X(旧Twitter) @__oc_t ※ご都合主義です。あしからず。 ※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。 ※◎は視点が変わります。

不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!

タッター
BL
 ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。 自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。 ――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。  そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように―― 「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」 「無理。邪魔」 「ガーン!」  とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。 「……その子、生きてるっすか?」 「……ああ」 ◆◆◆ 溺愛攻め  × 明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け

異世界で孵化したので全力で推しを守ります

のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着最強×人外美人BL

【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件

白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。 最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。 いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。

身代わりにされた少年は、冷徹騎士に溺愛される

秋津むぎ
BL
第13回BL大賞奨励賞頂きました! 最終17位でした!応援ありがとうございます! あらすじ 魔力がなく、義母達に疎まれながらも必死に生きる少年アシェ。 ある日、義兄が騎士団長ヴァルドの徽章を盗んだ罪をアシェに押し付け、身代わりにされてしまう。 死を覚悟した彼の姿を見て、冷徹な騎士ヴァルドは――? 傷ついた少年と騎士の、温かい溺愛物語。

もふもふ獣人転生

  *  ゆるゆ
BL
白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で死にそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 もふもふ獣人リトと、攻略対象の凛々しいジゼの両片思い? なお話です。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるように書いています。 リトとジゼの動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...