神様のポイント稼ぎに利用された２

プロローグ

第1話

　この世界は箱庭。
　たった一人のためにある世界。

　それだけなら多分、どこかにあるような設定なはず。

「イツキ、イツキ、やっぱりさ、発情期とかいいと思わねぇ？」

　今度は何にはまったのか、訳の分からない発言を一升瓶片手に繰り返すこちらの見た目美女、中身ヤンキーな方はこの世界を管理する役目を担う女神様です。
　男同士の恋愛をこよなく愛し、男同士が絡んでいれば何でも受け入れる雑食女神、脳内の妄想が世界に影響を及ぼした結果、女性率が極端に減り、男でも妊娠出来る世界が出来上がった。

　男同士だからだろうか、または女神の妄想の影響か性に対しての認識が緩い、近親相姦、寝取り、多重婚姻なんでもあり、逆にタブーがあるのか聞いてみた。

「聖職者の恋愛？」

　疑問形だった。

「いや、私だって管理するために色々勉強してんだって、でな、気付いたんだよ――障害があった方が燃えるってな」

　勉強する方向が間違っているのはもうスルーで。
　似たような理由で残された女性達がこの真実を知ったらどう思うだろうか、一部の女性はBLな信仰に目覚めたらしいけど。
　しかも最近は『美形×平凡』が一大ブームらしい、発端は僕だと言うからとても迷惑、転生時に容姿を継承した理由ってまさか……。

「父親と息子の禁じられた恋とか最高、互いに罪悪感に駆られながらも離れられない！」

　僕帰っていいかなぁ。
　子供達にご飯作りたい。

「番設定もいいよなぁ、妻を愛しているのに気付いてしまった、息子が運命の番だと！！！」

　ここで自己紹介。
　僕は樹いつき、享年15歳、車に轢かれてこの世界に転生させられました。目の前で熱く腐語りしているこの女神様によって。一応補足しておくと、腐語りしているのはお酒が入ったからじゃないです、通常営業なんですよ、同情していいですよ。
　旦那様は複数、増えたり減ったりした結果、現在旦那様の人数は2人、子供の人数は10人、しかも11人目がお腹にいます、さらに言えば旦那様の子じゃないんだ。

「夫と息子が愛し合う姿を目撃してしまった妻は――滾るそれを夫の中に埋め込むんだよ」

　話が続いていた。
　しかも奥さん男性設定だった。

「身分差とかすれ違いとか切ないとか見たいー」
「他でどうぞ」

　僕はほわほわと平和に生きたいです。