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優しい人生を

第51話

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 子供達と神薙さんが大いに満足し、一部の大人からブーイングを受けた昨夜、今日は朝から騎士様が僕の周りをうろうろとしている。
 何を言いたいのか大体分かってるから無視しているけれど、たまにシャムスやアー君を使って強引に視界に入ってこようとするんだよね、うん、いい加減邪魔だわー。

「騎士様お座り」

 親衛隊だっけ?
 その人達に見られたら不敬罪でぶった切られそうだな、でも気にしていられない、細かい事を気にしてたら胃に穴が開くわ!

 お座りを強要したのは間違いだっただろうか、新しい遊びだと思ってシャムスやアー君、もふもふズまでが一緒にお座りしてしまった。
 通りすがりの神薙さんもなぜか参加しているし……おやつを配布するわけじゃないですよ? あ、アカーシャがマイおやつを取り出した。

「夕食は何がイイデスカ?」

 聞いた瞬間、騎士様が発光した。

 多分気のせいだとは思うけどね。

「俺は――」
「バゲットサンド!!!!!」

 神薙さんが座った時点で予想していた展開、あ、騎士様ちょっぴり泣きそう。

「よくその名前知ってますね」
「獅皇に自慢された!」

 そう言えば前に夢の中で出したなぁ。
 フランスパンを使った料理だったから、歯応えがお気に召していたよね、イネスは口が小さくて食べれなかったから、成獣化してから食べてたっけ。

「具のリクエストとかは」
「肉!」

 高級肉をベーコン状にして挟もうかな、聖なるベーコンまだ残ってたっけ?

「俺、チーズカレードリア食べたかった」
「じゃあ一人分だけ作りますか?」
「樹の意地悪~」
「まぁそうですよね、騎士様寂しがり屋ですからね」

 顔を真っ赤にして俯いちゃった。アー君がそれを慰めてる、珍しい図だなぁ。
 んー、ドリアじゃないけど近い物は出してあげたいな、ケバブとかいいかもしれない。

「じゃあお昼は軽く丼物で、僕はこれからさっそくドリちゃんと打ち合わせに入ります。アカーシャお願いね」
「うん、適当な時間で声かけるよ」

 これで時間を忘れて選ぶのに没頭しても安心。
 僕は立ち上がるとさっそくドリちゃんの元へと向かった。

(女神様、女神様)
(おう)
(刀国ってケバブの屋台なかったですっけ? なんか前に差し入れで貰ったような気がするんです)
(屋台っていうよりちょっとした店舗だな、どうした?)
(夕食に招待するので、お土産に幾つか買って来て下さい)
(ビール! ビール出してくれ!)
(了解です)

 取引は終了した。

 でもよく考えたら女神様にお遣いとかさせて大丈夫なのだろうか、何より現金持っているか怪しいよね、大丈夫かな?

 大丈夫って事にしよう。
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