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可愛い子には旅をさせよ
第296話
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僕の海辺での神薙さん講義は翌日も行われた。
今日なんてドンが最前列に陣取り、背後にはメモを構えた集団。
休暇ってなんだっけ。
本日は普段の過ごし方を語るだけで良いんだって、もちろん神薙さんのね。
日常の中にもてなしのヒントがあるとの事です、いえ、昨日の夜の神楽舞も素敵でしたよ、神薙さんの為だけに磨き続けた踊りは神懸った美しさでした。
むしろ神が降りて来てませんでしたか、あれ。
「ええとそうですね、まず朝は起きたら「おはよう」を言うのがルールです。ご飯は皆が揃ってから「いただきます」と挨拶します」
これは子供達の教育も兼ねています。
最近はシャムスが刀雲の真似をしておはようのちゅーを神薙さんにしています、くすぐったそうにしていますが嬉しそうなのでアー君以外の子供達が真似しています。
アー君はもじもじしながらそれを見てるだけ、多分あれは恥ずかしいんだろうなぁ。
「朝食はご飯の場合は特盛丼に山盛りします、盛るのは大変ですが神薙さんのお気に入りなので」
「パンなどは?」
「際限がないので時間制限を設けてます、嫌がられますがサラダも食べて貰います」
時間制限しないと延々と食べ続けるから……。
「おやつは何通りかあります」
「ほぅ」
「どれにするかは基本的に神薙さんの気分次第です」
最初に言っておきますと、家で取らない場合もあります。
「最近は遊びがてらダンジョンに行ったりもしています」
「国庫がパンク寸前で使用方法がないか我らにも問い合わせが」
今度から戦利品は最下層にでも置いてきてもらおうかなと思案中、アー君が帰ったらそちら方面で提案してみようかな。
「他には魔物部屋があるので、そこで魔物食べ放題」
「魔物はどこから?」
「特殊な方法で魔素を回収して部屋に集めているんです、子供達が作ったフィギュアを投入するとそれが実体化するので倒す数を競って遊んだりもしています」
この二つはちょっと特殊過ぎるかな。
「後は奉納品を食べたり、子供達と同じものを食べたりとかです」
おやつは一日二回、お昼は我が家で食べたりおやつと兼用したり色々。
「そうやって皆が好きに行動している間に僕はドリちゃんと夕食の支度をします。神薙さんは僕らと同じものを食べますね、量やサイズはかなり違いますが」
「奉納品はおやつの時にしか食べないのですか?」
「夕食前に食べたり、ダンジョンに行く前に食べたりとか、基本的に神薙さんの好きな時に食べています」
もちろん帰ってきたら「ただいま」、盗み食いはおかずマイナス一品などのルールがあります。
「そんな!」
「神薙さんの盗み食いは一人分ぐらい軽くいってしまうので必要なルールです、このルールのおかげで盗み食いの心配はなくなり、テーブルに安心して並べられるようになりました」
人数も量も多いから並べるの大変なんです、分かってください。
ドリアンも手伝ってくれるけど、夕食を作り終えたら朝食の仕込みですよ。
「夕食を終えたら大人組は晩酌。宴の時は料理の量が軽く2倍以上になります、お酒も同時に出しますが、神薙さんには基本樽で渡します」
新作の神酒だとおちょこで楽しむけどね、エールとかありふれたお酒は樽。
「神薙さんが愛用しているおちょこは、うちのタイガが皆さんから奉納された鉱石を使って作ったものですよ」
空気がパァッとなったのが分かった。
ドンなんて男泣きしておる。
「良かったですね長!」
「長老らに報告すべきでしょうか」
「心臓止まらないかな」
ちなみに僕はどう加工したかは説明されたけどよく分からなかった。
タイガは戦う時は拳や大剣なのに、作る作品は繊細なんだよね。
「欲しい、ですな」
「?」
「タイガ様の技術が欲しい、ぜひ我が一族にその血を組み入れたい!」
止めようと思ったけどやめた。
境内にいる子供達ってタイガと山賊の皆さんの間に生まれた子だったわ、僕がすべきは止める事じゃなく注意事項の通達かな。
「えっと、タイガに申し込む時はラセンの耳に入らないようにお願いしますね」
「承知しました」
タイガの子孫ならたくさんいるけれど、そちらはそちらで手配するんだろうなぁと思いながら、「次の納品はいつだ」と背後に確認と指示を飛ばすドンをぼんやり見つめた。
あれ、それって僕の孫にドンの一族が加わるって事?
今日なんてドンが最前列に陣取り、背後にはメモを構えた集団。
休暇ってなんだっけ。
本日は普段の過ごし方を語るだけで良いんだって、もちろん神薙さんのね。
日常の中にもてなしのヒントがあるとの事です、いえ、昨日の夜の神楽舞も素敵でしたよ、神薙さんの為だけに磨き続けた踊りは神懸った美しさでした。
むしろ神が降りて来てませんでしたか、あれ。
「ええとそうですね、まず朝は起きたら「おはよう」を言うのがルールです。ご飯は皆が揃ってから「いただきます」と挨拶します」
これは子供達の教育も兼ねています。
最近はシャムスが刀雲の真似をしておはようのちゅーを神薙さんにしています、くすぐったそうにしていますが嬉しそうなのでアー君以外の子供達が真似しています。
アー君はもじもじしながらそれを見てるだけ、多分あれは恥ずかしいんだろうなぁ。
「朝食はご飯の場合は特盛丼に山盛りします、盛るのは大変ですが神薙さんのお気に入りなので」
「パンなどは?」
「際限がないので時間制限を設けてます、嫌がられますがサラダも食べて貰います」
時間制限しないと延々と食べ続けるから……。
「おやつは何通りかあります」
「ほぅ」
「どれにするかは基本的に神薙さんの気分次第です」
最初に言っておきますと、家で取らない場合もあります。
「最近は遊びがてらダンジョンに行ったりもしています」
「国庫がパンク寸前で使用方法がないか我らにも問い合わせが」
今度から戦利品は最下層にでも置いてきてもらおうかなと思案中、アー君が帰ったらそちら方面で提案してみようかな。
「他には魔物部屋があるので、そこで魔物食べ放題」
「魔物はどこから?」
「特殊な方法で魔素を回収して部屋に集めているんです、子供達が作ったフィギュアを投入するとそれが実体化するので倒す数を競って遊んだりもしています」
この二つはちょっと特殊過ぎるかな。
「後は奉納品を食べたり、子供達と同じものを食べたりとかです」
おやつは一日二回、お昼は我が家で食べたりおやつと兼用したり色々。
「そうやって皆が好きに行動している間に僕はドリちゃんと夕食の支度をします。神薙さんは僕らと同じものを食べますね、量やサイズはかなり違いますが」
「奉納品はおやつの時にしか食べないのですか?」
「夕食前に食べたり、ダンジョンに行く前に食べたりとか、基本的に神薙さんの好きな時に食べています」
もちろん帰ってきたら「ただいま」、盗み食いはおかずマイナス一品などのルールがあります。
「そんな!」
「神薙さんの盗み食いは一人分ぐらい軽くいってしまうので必要なルールです、このルールのおかげで盗み食いの心配はなくなり、テーブルに安心して並べられるようになりました」
人数も量も多いから並べるの大変なんです、分かってください。
ドリアンも手伝ってくれるけど、夕食を作り終えたら朝食の仕込みですよ。
「夕食を終えたら大人組は晩酌。宴の時は料理の量が軽く2倍以上になります、お酒も同時に出しますが、神薙さんには基本樽で渡します」
新作の神酒だとおちょこで楽しむけどね、エールとかありふれたお酒は樽。
「神薙さんが愛用しているおちょこは、うちのタイガが皆さんから奉納された鉱石を使って作ったものですよ」
空気がパァッとなったのが分かった。
ドンなんて男泣きしておる。
「良かったですね長!」
「長老らに報告すべきでしょうか」
「心臓止まらないかな」
ちなみに僕はどう加工したかは説明されたけどよく分からなかった。
タイガは戦う時は拳や大剣なのに、作る作品は繊細なんだよね。
「欲しい、ですな」
「?」
「タイガ様の技術が欲しい、ぜひ我が一族にその血を組み入れたい!」
止めようと思ったけどやめた。
境内にいる子供達ってタイガと山賊の皆さんの間に生まれた子だったわ、僕がすべきは止める事じゃなく注意事項の通達かな。
「えっと、タイガに申し込む時はラセンの耳に入らないようにお願いしますね」
「承知しました」
タイガの子孫ならたくさんいるけれど、そちらはそちらで手配するんだろうなぁと思いながら、「次の納品はいつだ」と背後に確認と指示を飛ばすドンをぼんやり見つめた。
あれ、それって僕の孫にドンの一族が加わるって事?
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