神様のポイント稼ぎに利用された２

家族が増えました

第375話

　成人した相手に半ズボンルックはないな。

（こんなのはいかがでしょうかーーー！！）

　神託と言う名の割り込みをしてきたのは腐女神様。

　きらきらきらーと光ったと思ったら、鶏ガラ君が全身を紅い西洋甲冑に包んだバトルものの主人公みたいな姿になった。

『ひゃぁぁ』
「強そう」
「いいな、この路線」

　幼児三人の心を鷲掴みにしたようだけど却下で。
　動くこともままならない相手に何してくれてるんですか。

（っち、いい反応なのにイツキのケチ。次はこれだ！）

　何続行してるんですかこの駄女神。

　次の衣装は和風甲冑、頭の先からびっちりと。

　だから、栄養失調で動けないの！

（っく、注文が多いな）

　人の話を聞きやしない女神様は、鶏ガラ君の衣装を次々変化させていく。
　暇なのか、それとも騎士様がいるから張り切っているのか、最初はそれが理由だったけどやっているうちに興が乗ってきてノリノリなのか……。

　山伏、巫女、スーツ、白衣、アサシン、ビキニアーマー、忍者、陣羽織、有名ゲームの衣装数点……せめて性別は男性衣装で統一してあげて欲しいな。
　ビキニアーマーになった瞬間、目が死んだのですが。

「インディアンっぽいのもかっこいいな」
「レイア式でどうだ」
「へんしんね！」

　幼児の手にはいつの間にやら衣装ガイドブック、なるほど、ノリノリなのもあるけどごますりの要因もあるわけだ。
　そりゃ張り切るよね。

「タイガっぽくこれとか、筋肉無いけど」
「美味いものを食わせて運動させればそれなりになるだろう」
『女神ちゃんこれー』

（ハイ喜んで！）

　シャムスが指したのは禍々しい死神スタイル。

『りっちゃんとお揃い～』
「初期りっちゃんだな」
「りっちゃんとは誰だ？」
『えっとねー』

　……幼児の興味が逸れたようだ。

　じゃあ女神様お疲れ様でした。

（そんなぁー）

　やけに静かだなぁと思って騎士様を見たら、神薙さんと五目並べをしていた。
　なるほど、興味持てなかったのね。

　女神様のポイント稼ぎは失敗したようだ。