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巡り合い

第556話

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 本日の夕食は鉄板焼きメイン。
 ヘラ母さんが腕を振るったのでもちろん野菜も入るのは当然。

『にょあああ』
「肉ましましお好み焼き、野菜もましまし……ぐぬぬ」
「かあちゃこれなに、ラーメン?」
「焼きそばだよ、涼玉は上手に食べれるかな?」
「んー、マールスてつだ」
「!!」

 焼きそば入りお好み焼きを選んだ涼玉だけど、麺が長くて食べ辛かったようでマールスに手伝ってもらおうと横を向いたら、蛇マールスに焼きそばが絡まっていた。
 何がどうしてそうなった。

「マールスも下手だった」
「下手を一周していっそ器用」
「ばーば、この餃子美味しいな」
「具沢山餃子、気に入ったかい」
「うん! チーズつけて食べてみたい!」
「ああちょっと遠いかね」
「アー君、俺が取ってあげるよ」
「ん!」

 夕食には久々に騎士様も参加。
 本当ならあの部屋でコース料理を出す予定だったのだけど、「贅を凝らした料理より皆と一緒に食べたい! ここにきて一人は嫌だからね!」と半泣きで言われ、用意していた料理は神薙さんの胃に消えました。
 材料から拘ったのになー。

「ねぇ樹、なんでこの世界にホットプレートがあるの? しかも業務用から子供用まで」

 騎士様が示した庭先ではドリアンがヘラ母さんの指示で鉄板焼きをしている。
 でも騎士様が訴えっているのはその横で白熊さんが使っている大中小のホットプレートだろう、僕も最初見た時は一瞬異世界にいること忘れましたよ。

「アー君が春日さんにおねだりしたんです」
「本当、子供に甘いね!!」
「火力が調整できる分、おやつの幅が広がったと評判です」

 クレープやピザが作り放題、でも食材を握っているのはドリちゃんなのでホットプレートの保管も結局はドリちゃんがしてくれています。
 ヘラ母さんがいつの間にか使いこなしている事には驚きだけど。

「電力ないよね?」
「そこは春日さんが改造してくださっていますよ、電気の代わりに雷の力を内蔵している魔石に流せば使えるんです」
「使う人物が限られるね」

 そうかなぁ?
 ドリちゃんにも前は使えない属性あったけれども、アー君が便利そうな属性を捧げているらしく今はどこの主人公だよってぐらい複数の属性持ち。
 僕と子供達は雷ちゃんがいるし、ヘラ母さんも雷使えるし、一般に流通させるなら難ありだけど、我が家限定で使っているので特に問題はない。

「チーズダッカルビーー!」
「チーズましましー」
『あちちよ』
「我を呼ばぬとはいい度胸だな兄弟達よ!!」

 落雷とともに雷ちゃんがご登場です。
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