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湯水のごとくお金を使おう
第623話
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晩餐会、豪華絢爛だった。
なにあれ別世界、いやここ異世界だけど。
本物の貴族のオーラってあんな感じなんだなぁ。
「樹、目の前にいる俺は?」
「神々しくて人間と比べるのちょっと酷かなって」
晩餐会を無事乗り越え、堅苦しい服とともに疲れをお風呂で流し、今は皆で座敷でだらけているところです。
僕が何を着たかは内緒。
神薙さんも参加したけれど、家に夜食を用意しておいたので、お城では優雅なテーブルマナーを披露してくれた。
それを見てシャムスやアー君が感激しているのに気付き、騎士様もキラキラを増し増しにして対抗したけれど「パパの食べ方が綺麗なのは知っている」で終わった。
「あとマナーの件ですが、神薙さんは普段、子供達の分まで食い尽くす勢いで食べているうえ、マナーとかをすっ飛ばしているからああいう場で優雅に食べれることに子供達が感動したのであって、騎士様の所作が綺麗なのは子供達も知っています」
「まさかの日頃の行い」
「ちらし寿司を寿司桶を抱えて食べる人が、フォークやナイフを使って周囲と同じスピードで食べればまぁ驚きますよね」
僕も驚いたし。
スープもスプーンを使って飲めることに驚いた。
いつも鍋ごとだから余計に。
「母上、神薙様がスイカサイズのおにぎりを一口でいった!」
『僕の頭ぐらいあったのに』
「空腹だったみたいで、カレーを寸胴鍋ごと食った!」
「ちょっと待った。神薙さぁん!?」
「ごめん、つい」
カレーとか作るのに便利だったあの寸胴鍋、食べちゃったんですか!?
ああドリアンがショックで項垂れてる。
「しかも一個じゃなく十個ぐらい一度に食べてたです!」
「イネスの言っていることは本当ですか?」
「……」
神薙さんが目を逸らした。
嘘だろう。
あれ、地球産の貴重品なのに。
「パパ、パパ、名誉挽回のチャンス」
『新しいの買ってなの』
「吊り橋効果!」
「よ、よし」
メニュー画面で購入出来ないだろうか。
「あの樹」
アー君に追加してもらった業務用画面、ここからどうにか……。
だめか、食材限定だ。
「俺が新しいのを――」
「イツキ様、こちらをご覧ください」
「えっ、寸胴鍋? しかも給食の時に使ってるあの特大サイズ!」
「我らの本体が作りました」
「ドリちゃん素敵!」
しかも何の素材で作ったのかとっても軽い、中身がない状態なら僕一人でも運搬できる。
中身が入ったらアイテムボックスに入れれば何も問題ない、ドリちゃん凄い!
「パパ完全に出遅れたな」
『残念ねー』
「どんまい」
振り返ったら騎士様が子供達に慰められていた。
「しめに茶漬け食べたい」
「神薙さん、これで作っていいですか?」
「うん」
そういう訳で早速新しい寸胴鍋を使ってお茶漬け作ろう、ひゃー新しいものを使う時ってドキドキするよね。
「うぅ、あの鍋どこで買ったんだろう」
「買ったんじゃなさそうだぞパパ」
『錬金術?』
「ドリちゃん無双だぜ」
寸胴鍋を抱えて調理場に入ったら、魔法陣から次々寸胴鍋が作り出されていた。
こちらの軽くて大きな寸胴鍋、ドリちゃんの自作だったらしい。
なにあれ別世界、いやここ異世界だけど。
本物の貴族のオーラってあんな感じなんだなぁ。
「樹、目の前にいる俺は?」
「神々しくて人間と比べるのちょっと酷かなって」
晩餐会を無事乗り越え、堅苦しい服とともに疲れをお風呂で流し、今は皆で座敷でだらけているところです。
僕が何を着たかは内緒。
神薙さんも参加したけれど、家に夜食を用意しておいたので、お城では優雅なテーブルマナーを披露してくれた。
それを見てシャムスやアー君が感激しているのに気付き、騎士様もキラキラを増し増しにして対抗したけれど「パパの食べ方が綺麗なのは知っている」で終わった。
「あとマナーの件ですが、神薙さんは普段、子供達の分まで食い尽くす勢いで食べているうえ、マナーとかをすっ飛ばしているからああいう場で優雅に食べれることに子供達が感動したのであって、騎士様の所作が綺麗なのは子供達も知っています」
「まさかの日頃の行い」
「ちらし寿司を寿司桶を抱えて食べる人が、フォークやナイフを使って周囲と同じスピードで食べればまぁ驚きますよね」
僕も驚いたし。
スープもスプーンを使って飲めることに驚いた。
いつも鍋ごとだから余計に。
「母上、神薙様がスイカサイズのおにぎりを一口でいった!」
『僕の頭ぐらいあったのに』
「空腹だったみたいで、カレーを寸胴鍋ごと食った!」
「ちょっと待った。神薙さぁん!?」
「ごめん、つい」
カレーとか作るのに便利だったあの寸胴鍋、食べちゃったんですか!?
ああドリアンがショックで項垂れてる。
「しかも一個じゃなく十個ぐらい一度に食べてたです!」
「イネスの言っていることは本当ですか?」
「……」
神薙さんが目を逸らした。
嘘だろう。
あれ、地球産の貴重品なのに。
「パパ、パパ、名誉挽回のチャンス」
『新しいの買ってなの』
「吊り橋効果!」
「よ、よし」
メニュー画面で購入出来ないだろうか。
「あの樹」
アー君に追加してもらった業務用画面、ここからどうにか……。
だめか、食材限定だ。
「俺が新しいのを――」
「イツキ様、こちらをご覧ください」
「えっ、寸胴鍋? しかも給食の時に使ってるあの特大サイズ!」
「我らの本体が作りました」
「ドリちゃん素敵!」
しかも何の素材で作ったのかとっても軽い、中身がない状態なら僕一人でも運搬できる。
中身が入ったらアイテムボックスに入れれば何も問題ない、ドリちゃん凄い!
「パパ完全に出遅れたな」
『残念ねー』
「どんまい」
振り返ったら騎士様が子供達に慰められていた。
「しめに茶漬け食べたい」
「神薙さん、これで作っていいですか?」
「うん」
そういう訳で早速新しい寸胴鍋を使ってお茶漬け作ろう、ひゃー新しいものを使う時ってドキドキするよね。
「うぅ、あの鍋どこで買ったんだろう」
「買ったんじゃなさそうだぞパパ」
『錬金術?』
「ドリちゃん無双だぜ」
寸胴鍋を抱えて調理場に入ったら、魔法陣から次々寸胴鍋が作り出されていた。
こちらの軽くて大きな寸胴鍋、ドリちゃんの自作だったらしい。
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