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湯水のごとくお金を使おう

第723話

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 さて、アー君が聖水風呂を用意してくれたので、早速活用しようかな。

「神薙さん、少し席を外しますね」
「ん、夕食まで寝てる」

 ご機嫌で退室していったけど、誰が起こすのだろうか。
 寝惚けてうっかり体の一部食べられる事故起こりそうだよね、やはりここは防御力カンストポンチョを装備している僕?
 そうだよね、シャムスや涼玉が行ったら一口だろうし、いやマールスがいたね、邪神を起こす大役は息子さんにお譲りします。

 脳内会議を終了すると同時ぐらいにアー君が指定した部屋に到着した。
 扉を開ければそこには周囲をライトに照らされ、幻想的な雰囲気を出す露天風呂。

 室内なのに露天風呂。
 まだ夕方前なのに室内は夜。
 天井には満天の星空。

 そして極めつけに輝く風呂。
 アー君特製の聖水だからだろうか、発光してます。

 もう何が何だか。

「ドリアン、部屋の設定昼間にして。涼玉がはしゃいでコケたら危ない」
「ハイ」
「走らなきゃ大丈夫だって」
「前科がありますから」

 平気、平気と胸を張る涼玉をマールスが苦笑いして落ち着かせている。

 幻想的なライトアップから、新緑が美しい景色に変わった所で毛玉くんを振り返る。

「じゃあドボンと行こうか」
『どぼーーん』
「俺も俺もーーー!」

 走り出したシャムス、続く涼玉、止めようと走り出して足を滑らせたもふもふズが芝生の上を滑ってお風呂に落ちた。

「水場では走っちゃダメだよ」

 ガボガボと溺れているけど落ち着いてほしい、そこ多分、足つくよ。

「涼玉、助走しようとしない、シャムスはキーちゃんの背中に乗ってようね」
『はぁ~い』
「涼玉様こちらへ」
「おのれぇ」

 お風呂から生還し、体を振って水気を飛ばすもふもふズ。
 毛皮がペトッとなって可愛い。

「毛玉くん、子供達が遊びだす前に入って」
「……」

 ちょっと嫌がる素振りをしたので背中を押してお風呂に入ってもらった。

 お風呂がなぜかジュワジュワと音を立てているうえ、透明に近かったお湯がどんどん黒くなってる。
 この子……どれだけ体を洗ってないんだろう、もうこれ泡風呂設定に変えてガンガン攻めないと夕食に間に合わないかもしれない。

「聖なる果実投入だぜ、オラオラー」
「黄金のリンゴよー」

 ドリアンに泡風呂をお願いしようとした所で子供達が暴走を始めた。
 イネスの好物である黄金のリンゴをお風呂に投入し始めたんです、自分で投げても届かないと分かっているから、アイテムボックスをお風呂の上に出現させ、そこからポイポイと投入している。

 えっ、アイテムボックスって自分から離れた所に出現させられるの!?
 初めて知ったんだけど!!

 まぁ、うちの子ってチートの塊だしね。
 ありえるってことにしておこう。

 一部のリンゴは毛玉くんがもしゃもしゃ食べてるけどね。
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