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湯水のごとくお金を使おう

第777話

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 食事が終わった所で幼児三人が冒険者の人達とダンジョンに潜っていった。
 目的はもちろん薬草や果物の木を植えるため、冒険者は報酬狙いのお手伝い。

 僕はですね、ダンジョン入口の近くにあった木の下でお昼寝しようと準備中です。
 いやぁ、昨日から張り切って準備したせいもあって、満腹になったら眠くなっちゃったんだよね。

 魔人とセティの話し合いに騎士様も加わってちょっと暇だし、寝てもいいよね。
 いい天気だし!

 よし寝よう。スヤァ。


「hey! イツキちゃん楽しんでるぅ?」

 気持ちよく眠りに落ちたと思ったのに、ご機嫌な女神様に叩き起こされた。
 周囲を確認しなくてもわかる、寝たのを見計らって白い空間に呼び寄せましたね!

 今日はいつもと違ってなぜかサングラスをかけている。
 服装は大胆なスリットが入った白のロングスカート、胸元も大胆に開いているし、頭にはツバが大きめの麦わら帽子、靴は歩きにくそうなカカト10cm以上ありそうなサンダル、口さえ開かなければ外見はハリウッド女優顔負けのセレブ美人なんだよね。

 ああそっか、女神様は今、アー君の配慮で夏休みに入ったんだっけ。
 妄想が暴発連鎖起こした挙句に旅先まで追ってきて、根を上げたって言ってたなぁ。

「いやぁギレンの所のエステ施術者、去年より腕上げたのか気持ち良くてつい寝落ちしちまったみたい」
「えっ、僕巻き込まれ?」
「いやいや用もあるって、ほら座って?」

 示されたのはさっきまでなかったはずの猫足テーブルと椅子。

 胡坐かいて一升瓶でラッパ飲みする女神様の空間って、ちゃぶ台以外もあったんですね。
 うわぁこれアンティークなんじゃない?
 なんかデザインが洗練されているというか、とっても素敵。

 やだなぁ、何を押し付けられるんだろう。
 お煎茶じゃなく紅茶だし、うわぁ怖ぁい。

 いつもの腐マシンガントークから始まり、いかにラセンの所で苦労したか、休みをくれたアー君にどれだけ感謝しているか、などを長々と語られ、紅茶を一気飲みした所でようやく本題に入る態勢を取った。
 前振り長い。
 あと紅茶をお酒のように飲み干す動作を見る限り、表面を取り繕っても中身はやっぱりいつもの女神様のようです。

「神子や聖女のおまけって知ってる?」

 いきなり不穏な発言が飛び出した。
 アー君呼び出したい。

 でもなぁ、今ダンジョンで遊んでいる最中だし、仕方ないから一人で相手してみるかぁ。

 休暇に入ってすぐ、常連サイトの更新をチェック、あっちもこっちも読んでいるうちに「おまけ」キーワードに目覚めてしまったらしい。
 おまけとして放置されたり、蔑まれたり、酷い扱い受けたりなどあまり良い扱いは受けることはない上に、実はそちらが本物パターンが多々あると。お願いですからその要素持ち込まないで、貴女の妄想は具現化率が最近高いんです。

 萌えに対する情熱を語っているだけなのか、それとも情熱を注ぎすぎて不穏フラグなのかどちらだろう。

「――って訳で、ごめん」

 半分意識を飛ばしていたら唐突に謝られた。
 不穏フラグの方だったかー。

「しかも聖女召喚したのがハイダルの命を何度も狙った弟でさ、おまけはハイダルを慕っている弟が匿っているから無事なんだけど……」
「僕にどうしろと」
「保護しておいて! バカンス終わったらどうするか考えるから!」

 それだけ言って空間から放り出された。
 妄想の被害者よりバカンス優先ですか、腐女神様!!
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