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女神の呪い
第859話
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冒険者が参加するのは想定内、屋台の店主や食事処を経営している人が参加するのもまぁ分かる、でも商人が参加するのは予想外だったかもしれない。
「アカーシャのために結成されたパーティーだって、リーダーは執事長」
おじいちゃん無茶するなぁ。
「パーティーメンバーにはなぜか佐助と才蔵、あと春日の茶屋もパーティー組んで参加するって言ってた」
「ダンジョンって人数制限ないの?」
「階層によっては砂漠丸っと入るぐらい広いから大丈夫」
『お食事するお店が本気なの、冒険者弾かれそうね』
「屋台のおばちゃん怖いからな」
当日は階層ボスを倒すとシヴァさんが神薙さんに奉納したあのチーズが低確率でドロップするらしく、期間限定でいいから食堂のメニューに加えたいと騎士団も参加するって刀雲が言ってた。
鴨祭りより国民の戦闘意欲が高い気がする。
「俺も本当は参加したいけど、高みの見物に路線変更する」
『お菓子食べながら大画面で見守るの』
「ママ、お勧めのポップコーンってある?」
うちの子達は祭りが終わるまで自宅に引きこもるようです、外に出たら孤児院と社務所の子達に狙われるからねー。
「シャムス様」
『なぁに?』
「ん? マールスどうした?」
「シャム兄に用なんて珍しーな」
「お客様です」
『誰だろーね?』
「とりあえず庭に通そう! 暇つぶしになるかも!」
「おー!」
『呼んでいーよ』
「はい、では呼んでまいります」
マールスが一礼して座敷から出ていくと、アルジュナが庭に向かって声をかけた。
「朱ー、青ー、客が来るから中に入って」
「はい」
「うん」
仲良く手をつないでこちらに来る二人、普通ならここは青が目の見えない朱の手を引くところだろうけど、手を引いているのは朱なんだよね。
おかしいね、青の方がお兄ちゃんのはずなんだけどな?
「さぁ青、足元に気を付けてね」
「うん」
「いや、いやぁ、セリフが逆じゃないか?」
『甘やかしてるのー』
「魔力安定しないのって……させる必要がないからだったりして」
青を甘やかす朱に幼児が混乱している。
「お連れしました」
「誰だろ」
『ねー』
「おお来た……がおー」
マールスに案内されて庭にやってきたのは、つい先日砂漠の国から移住してきた陽気な獣人団だった。
「あれ皆、久しぶり~」
「……ああ、胃が、胃が痛い」
僕の顔を見た瞬間、ボスが胃を抑えた。
ちょっと失礼じゃない?
「ボスね、尻尾がちょっとハゲたんだよー」
「ンメェ~」
『羊ちゃん!』
ボスの尻尾を手に取って「ここ、ここ」と親切にも暴露する狐、同意して声を上げた七色の羊にシャムスが満面の笑みを浮かべて飛び掛かった。
『ふわふわねー』
「メェェ」
「イツキ様だー」
「元気だったー、俺らはボス以外元気だったよー」
獣人団は相変わらずのようです。
「か、かあさま」
「?」
後ろからポンチョを軽く引っ張られ、振り返ったら顔を名前の通り青く染めた青ちゃんが裾を握っていた。
「あ、あああ、朱が」
「?」
「ひゅー」
『きゃー』
「ママの謎能力、すっげー」
いきなり盛り上がった周囲を不思議に思いながら、朱の姿を探したらなんかボスの前に立っていた。
「結婚してください」
「喜んで!!」
朱がボスに結婚を申し込み、尻尾をビシーーーっと上に伸ばしたボスが即了承した。
朱、朱ちゃん、君まだ子供!!
未成年!
「アカーシャのために結成されたパーティーだって、リーダーは執事長」
おじいちゃん無茶するなぁ。
「パーティーメンバーにはなぜか佐助と才蔵、あと春日の茶屋もパーティー組んで参加するって言ってた」
「ダンジョンって人数制限ないの?」
「階層によっては砂漠丸っと入るぐらい広いから大丈夫」
『お食事するお店が本気なの、冒険者弾かれそうね』
「屋台のおばちゃん怖いからな」
当日は階層ボスを倒すとシヴァさんが神薙さんに奉納したあのチーズが低確率でドロップするらしく、期間限定でいいから食堂のメニューに加えたいと騎士団も参加するって刀雲が言ってた。
鴨祭りより国民の戦闘意欲が高い気がする。
「俺も本当は参加したいけど、高みの見物に路線変更する」
『お菓子食べながら大画面で見守るの』
「ママ、お勧めのポップコーンってある?」
うちの子達は祭りが終わるまで自宅に引きこもるようです、外に出たら孤児院と社務所の子達に狙われるからねー。
「シャムス様」
『なぁに?』
「ん? マールスどうした?」
「シャム兄に用なんて珍しーな」
「お客様です」
『誰だろーね?』
「とりあえず庭に通そう! 暇つぶしになるかも!」
「おー!」
『呼んでいーよ』
「はい、では呼んでまいります」
マールスが一礼して座敷から出ていくと、アルジュナが庭に向かって声をかけた。
「朱ー、青ー、客が来るから中に入って」
「はい」
「うん」
仲良く手をつないでこちらに来る二人、普通ならここは青が目の見えない朱の手を引くところだろうけど、手を引いているのは朱なんだよね。
おかしいね、青の方がお兄ちゃんのはずなんだけどな?
「さぁ青、足元に気を付けてね」
「うん」
「いや、いやぁ、セリフが逆じゃないか?」
『甘やかしてるのー』
「魔力安定しないのって……させる必要がないからだったりして」
青を甘やかす朱に幼児が混乱している。
「お連れしました」
「誰だろ」
『ねー』
「おお来た……がおー」
マールスに案内されて庭にやってきたのは、つい先日砂漠の国から移住してきた陽気な獣人団だった。
「あれ皆、久しぶり~」
「……ああ、胃が、胃が痛い」
僕の顔を見た瞬間、ボスが胃を抑えた。
ちょっと失礼じゃない?
「ボスね、尻尾がちょっとハゲたんだよー」
「ンメェ~」
『羊ちゃん!』
ボスの尻尾を手に取って「ここ、ここ」と親切にも暴露する狐、同意して声を上げた七色の羊にシャムスが満面の笑みを浮かべて飛び掛かった。
『ふわふわねー』
「メェェ」
「イツキ様だー」
「元気だったー、俺らはボス以外元気だったよー」
獣人団は相変わらずのようです。
「か、かあさま」
「?」
後ろからポンチョを軽く引っ張られ、振り返ったら顔を名前の通り青く染めた青ちゃんが裾を握っていた。
「あ、あああ、朱が」
「?」
「ひゅー」
『きゃー』
「ママの謎能力、すっげー」
いきなり盛り上がった周囲を不思議に思いながら、朱の姿を探したらなんかボスの前に立っていた。
「結婚してください」
「喜んで!!」
朱がボスに結婚を申し込み、尻尾をビシーーーっと上に伸ばしたボスが即了承した。
朱、朱ちゃん、君まだ子供!!
未成年!
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