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三食昼寝、家族付き
第883話
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どこかの国で国全体を大きな嵐が襲い、川が氾濫、家が流され、家畜も作物もヒャッハーと流されてしまったらしい。
「異世界でもあるんだねぇ」
「あれ、ママ意外と冷静」
「僕の前いた世界というか、国は自然災害が多かったからね、話を聞くだけなら慣れてる」
実際には体験したことがないので、現場を見るのは精神惰弱な僕には厳しいかな。
きっと視界全てがモザイク処理される。
刀国って女神様の妄想力が地盤を支えているのか、自然災害系が一切起きない。
ただ、自然災害の代わりに邪神とか神様、魔物の災害のオンパレードだけど、どっちがマシなんだろうか。
「水害で作物がダメになったろ、あと川が氾濫してるから魚は獲れないし、物価が高騰したり……あと何だっけ?」
『えらいこっちゃ』
「まぁそんな感じでどっかの国が大変なことになっているんだけど、本題はそこじゃないんだ」
「そうなの?」
「うん、この前ママと召喚されたあのダンジョンも多少この話に関わってくる」
「ああ聖属性に興奮を覚えるガイコツがいるダンジョン」
「嵐が去った後、ダンジョンから魔物がドバーッて溢れて、大混乱」
立ち上がったアー君の背後でえっちゃんが影絵を始めたんだけど……どっちに視線を向けるのが正解なんだろうか。
「こんな時にスタンピードとは、神は人間を見捨てたのか――絶望する人間、襲い来る魔物、全てが終わる。そう誰もが思ったけれど」
アー君、ナレーションの練習でもしたのかな、語りがとても上手ですね。
「魔物達は生きている人間に見向きもせず、死体や死にかけの人間を回収して立ち去って行った。教会に避難していた人間は脅威が去った事を純粋に喜んだけれど、冒険者、特に刀国出身者は魔物の動きに不審しか抱かなかった」
嵐に襲われたのは不幸だったが、死体の腐敗からくる疫病は回避できた。
家も家畜も作物すらないが、生きていりゃなんとかなる。
誰かが言った。
俺らは冒険者だ、魔物がどこに去ったか調査する必要がある。
必要なら本国に連絡、判断を仰がねばならない。
なに気にすることはない、調査の費用は経費で落ちる。
報告書の出来が良ければ報酬も上乗せしてもらえるだろう。あと……被災家族の少年がごっそり消えたと至急連絡を、少女が残されている時点で犯人が一人しかいないけどね!! どさくさに紛れて少年誘拐しないでくださいって伝えていただいてもよろしいっすかねぇぇぇ!!
「……そんな感じのやり取りがあって、俺に連絡がきた」
「シヴァさん、なにやってるの!?」
家族がいるのに引き離してどうするのよ。
いや、下手すれば食い扶持減らすのに売るとかあるのかな、ここ異世界だし。
あと報告した冒険者の方、最初はかっこよかったのに、後半錯乱してますね。
ご愁傷様です。
「騎士様どこ?」
シヴァさんを何とかしてもらいたい。
「パパはお城、刀雲が一緒だと仕事の進みがいいからなるべく一緒に出勤してね。って言われてるらしい」
『困ったパパさんね』
「はぁ、もう諦めよう。それにしてもアー君はどこからその情報もらったの?」
「実は俺、ギルド統括になったんだ! 運営資金と冒険者の保護は任せろ! 貴族に理不尽な依頼を受けたらすぐにご連絡を、俺が、物理的に消す!」
この危険な幼児をギルド統括に推薦したの誰だ。
「と言っても、俺が保護するのは基本的に刀国冒険者だけ、全体を保護しようとすると女神の妄想とぶつかって面倒くさい」
「アー君でも女神様の強制力に敵わないの?」
「うん」
即答された。
「あっ、追加報告来た。あー……」
えっちゃんがポンっと吐き出した巻物を受け取り、中身を読んだアー君の眼が死んだ。
「人間を回収した魔物はダンジョンに戻っていったみたいだな、しかもそこがあのガイコツがいるダンジョンとかどんな巡り合わせだろ」
謎能力の影響を受けてるせいか普通のダンジョンボスとは行動が大きく違うね、まぁ今回はイネスが指導したり、神薙さんに信仰捧げてるから、あの子の暴走は僕だけのせいじゃないよね?
「相手があれなら多少話が通じるだろうと判断して、ギルド長が数人とガイコツに事情を聞きに行ったらしいんだけど、ほとんどダンジョンの糧にされて消えてたって、一部はなぜか配下に加えられ、先輩に掃除の仕方から指導されてたみたい。『なお、魂は邪神に捧げられ、すでに人の手を離れた。この件に関しての調査は終了とする』って書いてある」
「せめて教会で慰霊祭やってあげてね」
「了解」
『輪廻に戻るのよ』
亡くなった人の魂はすでに神薙さんの胃の中だろうから、さすがの春日さんもどうにもできないだろう。
慰霊祭をやることでせめて生き残った人の心の慰めになるといいな。
「これはやらかし案件なのか、それとも疫病回避して称賛すべきなのか、どっちだろ」
『悩むの』
「アー君、復興支援しなくていいの?」
「そうだなぁ、アカーシャも他国に商業ギルド作ってみたいって言ってたし、チャンスかもしれない」
『めいきゅーとし!』
「シャムスの予言聞きたい?」
「うん」
「迷宮都市だって。ダンジョンを中心に都市を作るのか、正に王道。よしやろう、ちょっと城に行って会議開いてもらってくるなー!」
やる気満々のアー君が転移して姿を消した。
内政干渉を飛び越して都市を造る気のようです。
他国で勝手に都市を作って大丈夫だろうか、ああでも砂漠でも勝手に都市を占領してそこから国を乗っ取った前科あるや。
涼玉も能力全開出来て楽しかったって言ってたなぁ。
そうか、兄弟無双再びか。
「異世界でもあるんだねぇ」
「あれ、ママ意外と冷静」
「僕の前いた世界というか、国は自然災害が多かったからね、話を聞くだけなら慣れてる」
実際には体験したことがないので、現場を見るのは精神惰弱な僕には厳しいかな。
きっと視界全てがモザイク処理される。
刀国って女神様の妄想力が地盤を支えているのか、自然災害系が一切起きない。
ただ、自然災害の代わりに邪神とか神様、魔物の災害のオンパレードだけど、どっちがマシなんだろうか。
「水害で作物がダメになったろ、あと川が氾濫してるから魚は獲れないし、物価が高騰したり……あと何だっけ?」
『えらいこっちゃ』
「まぁそんな感じでどっかの国が大変なことになっているんだけど、本題はそこじゃないんだ」
「そうなの?」
「うん、この前ママと召喚されたあのダンジョンも多少この話に関わってくる」
「ああ聖属性に興奮を覚えるガイコツがいるダンジョン」
「嵐が去った後、ダンジョンから魔物がドバーッて溢れて、大混乱」
立ち上がったアー君の背後でえっちゃんが影絵を始めたんだけど……どっちに視線を向けるのが正解なんだろうか。
「こんな時にスタンピードとは、神は人間を見捨てたのか――絶望する人間、襲い来る魔物、全てが終わる。そう誰もが思ったけれど」
アー君、ナレーションの練習でもしたのかな、語りがとても上手ですね。
「魔物達は生きている人間に見向きもせず、死体や死にかけの人間を回収して立ち去って行った。教会に避難していた人間は脅威が去った事を純粋に喜んだけれど、冒険者、特に刀国出身者は魔物の動きに不審しか抱かなかった」
嵐に襲われたのは不幸だったが、死体の腐敗からくる疫病は回避できた。
家も家畜も作物すらないが、生きていりゃなんとかなる。
誰かが言った。
俺らは冒険者だ、魔物がどこに去ったか調査する必要がある。
必要なら本国に連絡、判断を仰がねばならない。
なに気にすることはない、調査の費用は経費で落ちる。
報告書の出来が良ければ報酬も上乗せしてもらえるだろう。あと……被災家族の少年がごっそり消えたと至急連絡を、少女が残されている時点で犯人が一人しかいないけどね!! どさくさに紛れて少年誘拐しないでくださいって伝えていただいてもよろしいっすかねぇぇぇ!!
「……そんな感じのやり取りがあって、俺に連絡がきた」
「シヴァさん、なにやってるの!?」
家族がいるのに引き離してどうするのよ。
いや、下手すれば食い扶持減らすのに売るとかあるのかな、ここ異世界だし。
あと報告した冒険者の方、最初はかっこよかったのに、後半錯乱してますね。
ご愁傷様です。
「騎士様どこ?」
シヴァさんを何とかしてもらいたい。
「パパはお城、刀雲が一緒だと仕事の進みがいいからなるべく一緒に出勤してね。って言われてるらしい」
『困ったパパさんね』
「はぁ、もう諦めよう。それにしてもアー君はどこからその情報もらったの?」
「実は俺、ギルド統括になったんだ! 運営資金と冒険者の保護は任せろ! 貴族に理不尽な依頼を受けたらすぐにご連絡を、俺が、物理的に消す!」
この危険な幼児をギルド統括に推薦したの誰だ。
「と言っても、俺が保護するのは基本的に刀国冒険者だけ、全体を保護しようとすると女神の妄想とぶつかって面倒くさい」
「アー君でも女神様の強制力に敵わないの?」
「うん」
即答された。
「あっ、追加報告来た。あー……」
えっちゃんがポンっと吐き出した巻物を受け取り、中身を読んだアー君の眼が死んだ。
「人間を回収した魔物はダンジョンに戻っていったみたいだな、しかもそこがあのガイコツがいるダンジョンとかどんな巡り合わせだろ」
謎能力の影響を受けてるせいか普通のダンジョンボスとは行動が大きく違うね、まぁ今回はイネスが指導したり、神薙さんに信仰捧げてるから、あの子の暴走は僕だけのせいじゃないよね?
「相手があれなら多少話が通じるだろうと判断して、ギルド長が数人とガイコツに事情を聞きに行ったらしいんだけど、ほとんどダンジョンの糧にされて消えてたって、一部はなぜか配下に加えられ、先輩に掃除の仕方から指導されてたみたい。『なお、魂は邪神に捧げられ、すでに人の手を離れた。この件に関しての調査は終了とする』って書いてある」
「せめて教会で慰霊祭やってあげてね」
「了解」
『輪廻に戻るのよ』
亡くなった人の魂はすでに神薙さんの胃の中だろうから、さすがの春日さんもどうにもできないだろう。
慰霊祭をやることでせめて生き残った人の心の慰めになるといいな。
「これはやらかし案件なのか、それとも疫病回避して称賛すべきなのか、どっちだろ」
『悩むの』
「アー君、復興支援しなくていいの?」
「そうだなぁ、アカーシャも他国に商業ギルド作ってみたいって言ってたし、チャンスかもしれない」
『めいきゅーとし!』
「シャムスの予言聞きたい?」
「うん」
「迷宮都市だって。ダンジョンを中心に都市を作るのか、正に王道。よしやろう、ちょっと城に行って会議開いてもらってくるなー!」
やる気満々のアー君が転移して姿を消した。
内政干渉を飛び越して都市を造る気のようです。
他国で勝手に都市を作って大丈夫だろうか、ああでも砂漠でも勝手に都市を占領してそこから国を乗っ取った前科あるや。
涼玉も能力全開出来て楽しかったって言ってたなぁ。
そうか、兄弟無双再びか。
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