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episode2 平和な世界と勇者の在り方
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宿敵が存在しなかったりお姫様が拐われなければ勇者も英雄も同義である
「選択肢、勇者だけ?」
まず気になることがある。技術を引き継ぐ、というのが前世で習得したジョブを転生して低レベルから育て上げる、といった俺のゲーム脳で解決したまではいい。勇者ってなんだよ。勇者がジョブとして存在するためには王様と木の棒とほんの少しのお金が必要だろう。生まれながらにして勇者ってあり得ないだろ。しかも前の前の俺が魔王っぽいの倒しちゃったよ。なにすればいいと言うのか?前世の意思が無いんですが。
「お決まりになりましたか?」
シスターが声をかけてくる。
「あ、ああ。選択肢は無かったからもう決まってます。」
そう答えるとシスターは俺の前に戻ってきた。
「えっと…勇者様なのですか?」
「そうらしいけど、何故わかったのです?」
「いえ、前世の技術というのはスキルやテクニックであって職業ではないのです。」
「え。」
「自分が選んだ技術を元に職業を決めるのです」
「…。」
「私を含めた教会の人間は聖職者が職業ですが人々の職業を見ることが出来るのですがアキ様が一般町民→勇者に…。」
「やっぱりおかしかったんですね…。」
だってepisode1で技術ってルビ振ったけど違和感しかないし。どう考えても読めないもの。
「俺の前世の勇者様、魔王っぽいの倒してるんですが俺は勇者として何をすればいいんですかね?」
「そうですね。(前)勇者様が魔王を倒してから世界が平和になりましたからね。魔王軍と呼ばれたモンスターの集団も解散して今では活動していないらしいですし。」
「一般町民と変わらない生活ですか。」
「いえ、勇者様として、だと思いますよ。」
「倒したの俺じゃないんですが。」
「倒したのは前世のあなたなのでほとんど同じかと。」
えぇ…。勇者なのにスライムにすら遭遇せず終わりそうな人生ってアリですか?
「まあ、しかし勇者様なので旅をしてみるのもいいと思いますよ?勇者様の転生と共に魔王も転生or復活するかもしれませんし。」
「不吉なこと言いますね。一般町民及び王族が泣きますよ。」
「まあ、判断はお任せします。あくまで魔王を復活させるかは勇者様しだいです」
「いや、しねぇよ!勇者ダークサイド落ちしてるじゃねぇか!」
…おっとっと。今まで保ってきた敬語の皮が剥がれてしまった。
「それは冗談にしても平和の維持は大切ですからね。街の外回りのスライムの数を減らす、など勇者様のする事はあるはずです」
「平和な世界の勇者ってそういうものですか?」
どうやらスライムには遭遇出来そうだ。安心、安心。
「人を襲うモンスターがいなくなったわけではないですし、繰り返しですが旅をするのもアリですよ。」
「そうですね、とりあえず街を回りながら考えます。」
「それがいいと思います。別世界からでしたらまだ街を歩いていないでしょうからね。」
こうして俺は教会をあとにした。
…そのあとのことだが俺は旅を決意した。どうやら誰にでも俺が勇者であると認識されるらしく心の休まる場所がない。モンスターに遭遇したこともない言ってしまえばレベル1の勇者が常に敬われている状態なのだ。前世の俺が倒したらしいとはいえ、俺には倒した感覚がないため(記憶はあるが)心苦しいにも程がある。逃げの手段に選ぶのもなんだが旅をしてみよう、と。そんな弱腰な勇者を物陰から観察するように見ていた黒い影は元から何もいなかったかのように姿を消した。
「どうやら勇者は街を離れるようですな」
先程勇者を見ていた影は目の前の脈打つ黒い塊に話しかける。
「弱クナッテ生マレ還ッテキタヨウダナ我ガ敵ヨ」
黒い塊は周りに恐怖を与えるような声を発する。
「我ハ強クナッテ蘇ル」
「その時がくるまで同族を集め直します、魔王様。」
平和な世界に再び闇の手が忍び寄っていた…。
「導入部分が長すぎる…。」
呻くように独り言を呟き、文字を打ち続ける一人の男。
「episode0まで設けて書き始めたはずなのに。タイトル回収が結局2まで響くとは」
「主人公以外名前思い付かないし登場人物どうすんだよ…。」
…まだ平和な街も、暗躍する影たちも情けない男によって転がされていた。
「選択肢、勇者だけ?」
まず気になることがある。技術を引き継ぐ、というのが前世で習得したジョブを転生して低レベルから育て上げる、といった俺のゲーム脳で解決したまではいい。勇者ってなんだよ。勇者がジョブとして存在するためには王様と木の棒とほんの少しのお金が必要だろう。生まれながらにして勇者ってあり得ないだろ。しかも前の前の俺が魔王っぽいの倒しちゃったよ。なにすればいいと言うのか?前世の意思が無いんですが。
「お決まりになりましたか?」
シスターが声をかけてくる。
「あ、ああ。選択肢は無かったからもう決まってます。」
そう答えるとシスターは俺の前に戻ってきた。
「えっと…勇者様なのですか?」
「そうらしいけど、何故わかったのです?」
「いえ、前世の技術というのはスキルやテクニックであって職業ではないのです。」
「え。」
「自分が選んだ技術を元に職業を決めるのです」
「…。」
「私を含めた教会の人間は聖職者が職業ですが人々の職業を見ることが出来るのですがアキ様が一般町民→勇者に…。」
「やっぱりおかしかったんですね…。」
だってepisode1で技術ってルビ振ったけど違和感しかないし。どう考えても読めないもの。
「俺の前世の勇者様、魔王っぽいの倒してるんですが俺は勇者として何をすればいいんですかね?」
「そうですね。(前)勇者様が魔王を倒してから世界が平和になりましたからね。魔王軍と呼ばれたモンスターの集団も解散して今では活動していないらしいですし。」
「一般町民と変わらない生活ですか。」
「いえ、勇者様として、だと思いますよ。」
「倒したの俺じゃないんですが。」
「倒したのは前世のあなたなのでほとんど同じかと。」
えぇ…。勇者なのにスライムにすら遭遇せず終わりそうな人生ってアリですか?
「まあ、しかし勇者様なので旅をしてみるのもいいと思いますよ?勇者様の転生と共に魔王も転生or復活するかもしれませんし。」
「不吉なこと言いますね。一般町民及び王族が泣きますよ。」
「まあ、判断はお任せします。あくまで魔王を復活させるかは勇者様しだいです」
「いや、しねぇよ!勇者ダークサイド落ちしてるじゃねぇか!」
…おっとっと。今まで保ってきた敬語の皮が剥がれてしまった。
「それは冗談にしても平和の維持は大切ですからね。街の外回りのスライムの数を減らす、など勇者様のする事はあるはずです」
「平和な世界の勇者ってそういうものですか?」
どうやらスライムには遭遇出来そうだ。安心、安心。
「人を襲うモンスターがいなくなったわけではないですし、繰り返しですが旅をするのもアリですよ。」
「そうですね、とりあえず街を回りながら考えます。」
「それがいいと思います。別世界からでしたらまだ街を歩いていないでしょうからね。」
こうして俺は教会をあとにした。
…そのあとのことだが俺は旅を決意した。どうやら誰にでも俺が勇者であると認識されるらしく心の休まる場所がない。モンスターに遭遇したこともない言ってしまえばレベル1の勇者が常に敬われている状態なのだ。前世の俺が倒したらしいとはいえ、俺には倒した感覚がないため(記憶はあるが)心苦しいにも程がある。逃げの手段に選ぶのもなんだが旅をしてみよう、と。そんな弱腰な勇者を物陰から観察するように見ていた黒い影は元から何もいなかったかのように姿を消した。
「どうやら勇者は街を離れるようですな」
先程勇者を見ていた影は目の前の脈打つ黒い塊に話しかける。
「弱クナッテ生マレ還ッテキタヨウダナ我ガ敵ヨ」
黒い塊は周りに恐怖を与えるような声を発する。
「我ハ強クナッテ蘇ル」
「その時がくるまで同族を集め直します、魔王様。」
平和な世界に再び闇の手が忍び寄っていた…。
「導入部分が長すぎる…。」
呻くように独り言を呟き、文字を打ち続ける一人の男。
「episode0まで設けて書き始めたはずなのに。タイトル回収が結局2まで響くとは」
「主人公以外名前思い付かないし登場人物どうすんだよ…。」
…まだ平和な街も、暗躍する影たちも情けない男によって転がされていた。
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