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episode1 来世の始まり
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教会、と言えば何を思い浮かべるだろうか?宗教関連を連想する人も多いだろうがゲームをやっている人なら死んだとき蘇生する場所、つまり「リスポーン地点」と想像する人も少なくないと思うのだ。
あっけなく死んでしまった俺(自分で言うのもなんだが)は走馬灯で人生を振り返っていたはずだった。しかし「自分ではない男」の視点に切り替わり、謎の夢を見ていた。そして意識が途切れ、終わりかと思われた俺は何故か夢の男の世界にいた。
俺は自分が教会にいることを知った。
大広間、女神のような像、目の前にいるシスターのような服装をした女性。この三点拍子は間違いない…と思う。死んだ後、教会にいるとなればリスポーン地点からコンテニュー?なんて思ってしまった俺だが現実はそうではなかった。
「転生者の方ですか?」
シスターに訪ねられる。
「い、いや、俺は何なのか」
急に話しかけられおどおどとした俺は異変に気づいた。俺の声色が違うのだ。同年代と比べ低かったはずの声が青年然とした高い声になっている。俺が「今までの俺」でなくなっていたことは目の前のシスター(?)の質問の信憑性を底上げした。
「俺、転生したんですか?いまいち事情が分からなくて。」
シスターは一度、首をかしげてから
「別世界からの転生でしょうか?ここの世界では前世の一部の技術と意思を引き継いで転生して新たに人生を始めるのが一般的なのです。」
「別世界ですか?俺、日本に住んでいたのですが」
「ニホンですか?聞いたことがないですね…。別世界からの転生は前例が一度ありましてその時の彼も記憶でしたりこの世界のルールを知らなかったのです」
ふむ…。つまり俺は日本というよりあの世界から今いる世界に転生したと言うことなのか?……ん?
「いや、待ってくれ。俺は記憶あるのですが」
「え?ここの世界の人でも前世の記憶を持って転生出来る方はいないはずですよ?ちなみに何か特別覚えているものはありますか?」
「えっと… 基本的にはさっきまで生きていた俺そのままのはずだけど、死ぬ直前でこの世界で戦っていた人の夢を見ていて…。」
「ここでは転生する前、前世の意思を走馬灯で見て次に引き継いでいるのです。つまりあなたはもともとこの世界の人となるわけですか?」
「あの男」が死んだ後、日本に転生したのが「今までの俺」。この世界から、俺が住んでいた世界に転生したから記憶は消えた。そのあと「今までの俺」が死んでこの世界に転生したから、この世界の住民だった「あの男」の記憶を引き継いだ?
「そうなると今までの俺の記憶はなんであるんだ?別世界に転生したなら消えるんじゃないのか?」
シスターは少し考えてから、
「おまけでは?」
「嘘だろ…俺の人生なんだったんだ。消す必要もないほど無価値だったのか?」
「別世界の転生者の記憶が消されるのはその人がこちらの世界に大きな影響を与える思想であったり技術を持っていたりするからです。何か持っていたりしました?」
「何もないです」
地球が何故回っているか、そして回っている証明なら出来る自信はあるがそもそもここ地球じゃない。
「イレギュラーで遅れましたが転生された方には手続きがありましてとりあえずお名前を書いていただけますか?」
俺は「影人」と紙に書いた。するとシスターは困った顔で
「えっと、無効な名前らしいです。」
「名前に自由がないんですか?」
「いえ、そうではなくて漢字の名前はこの世界に存在しないんです」
俺は「アキ」と記し、これでいいかと尋ねた。シスターから大丈夫だと確認を受け、転生手続きが始まった。
「それでですね、アキ様。転生すると前世から技術と意思を引き継ぐ、といいましたが一部だけしか選ぶ事が出来ないのですが一覧にして提示しますので2つ選んでください。」
「とりあえず選べばいいんですか?」
「はい。プライバシーに関わるので教会側はその一覧を見ることも選択した技術を見ることもないので心配なさらずに。」
「分かりました」
間もなく一枚の紙が渡された。紙には空欄しか無かったのだが俺が手に持った瞬間文字が浮かび上がった。シスターはその場を離れ俺一人になっていたがその紙には重大な事が記されていた。
「えっと何が選択肢にあるんだ?」
紙を見た俺は絶句した。まず選択欄が1つしかなかったのだから。そしてその技術は……
「勇者」
あっけなく死んでしまった俺(自分で言うのもなんだが)は走馬灯で人生を振り返っていたはずだった。しかし「自分ではない男」の視点に切り替わり、謎の夢を見ていた。そして意識が途切れ、終わりかと思われた俺は何故か夢の男の世界にいた。
俺は自分が教会にいることを知った。
大広間、女神のような像、目の前にいるシスターのような服装をした女性。この三点拍子は間違いない…と思う。死んだ後、教会にいるとなればリスポーン地点からコンテニュー?なんて思ってしまった俺だが現実はそうではなかった。
「転生者の方ですか?」
シスターに訪ねられる。
「い、いや、俺は何なのか」
急に話しかけられおどおどとした俺は異変に気づいた。俺の声色が違うのだ。同年代と比べ低かったはずの声が青年然とした高い声になっている。俺が「今までの俺」でなくなっていたことは目の前のシスター(?)の質問の信憑性を底上げした。
「俺、転生したんですか?いまいち事情が分からなくて。」
シスターは一度、首をかしげてから
「別世界からの転生でしょうか?ここの世界では前世の一部の技術と意思を引き継いで転生して新たに人生を始めるのが一般的なのです。」
「別世界ですか?俺、日本に住んでいたのですが」
「ニホンですか?聞いたことがないですね…。別世界からの転生は前例が一度ありましてその時の彼も記憶でしたりこの世界のルールを知らなかったのです」
ふむ…。つまり俺は日本というよりあの世界から今いる世界に転生したと言うことなのか?……ん?
「いや、待ってくれ。俺は記憶あるのですが」
「え?ここの世界の人でも前世の記憶を持って転生出来る方はいないはずですよ?ちなみに何か特別覚えているものはありますか?」
「えっと… 基本的にはさっきまで生きていた俺そのままのはずだけど、死ぬ直前でこの世界で戦っていた人の夢を見ていて…。」
「ここでは転生する前、前世の意思を走馬灯で見て次に引き継いでいるのです。つまりあなたはもともとこの世界の人となるわけですか?」
「あの男」が死んだ後、日本に転生したのが「今までの俺」。この世界から、俺が住んでいた世界に転生したから記憶は消えた。そのあと「今までの俺」が死んでこの世界に転生したから、この世界の住民だった「あの男」の記憶を引き継いだ?
「そうなると今までの俺の記憶はなんであるんだ?別世界に転生したなら消えるんじゃないのか?」
シスターは少し考えてから、
「おまけでは?」
「嘘だろ…俺の人生なんだったんだ。消す必要もないほど無価値だったのか?」
「別世界の転生者の記憶が消されるのはその人がこちらの世界に大きな影響を与える思想であったり技術を持っていたりするからです。何か持っていたりしました?」
「何もないです」
地球が何故回っているか、そして回っている証明なら出来る自信はあるがそもそもここ地球じゃない。
「イレギュラーで遅れましたが転生された方には手続きがありましてとりあえずお名前を書いていただけますか?」
俺は「影人」と紙に書いた。するとシスターは困った顔で
「えっと、無効な名前らしいです。」
「名前に自由がないんですか?」
「いえ、そうではなくて漢字の名前はこの世界に存在しないんです」
俺は「アキ」と記し、これでいいかと尋ねた。シスターから大丈夫だと確認を受け、転生手続きが始まった。
「それでですね、アキ様。転生すると前世から技術と意思を引き継ぐ、といいましたが一部だけしか選ぶ事が出来ないのですが一覧にして提示しますので2つ選んでください。」
「とりあえず選べばいいんですか?」
「はい。プライバシーに関わるので教会側はその一覧を見ることも選択した技術を見ることもないので心配なさらずに。」
「分かりました」
間もなく一枚の紙が渡された。紙には空欄しか無かったのだが俺が手に持った瞬間文字が浮かび上がった。シスターはその場を離れ俺一人になっていたがその紙には重大な事が記されていた。
「えっと何が選択肢にあるんだ?」
紙を見た俺は絶句した。まず選択欄が1つしかなかったのだから。そしてその技術は……
「勇者」
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