風が吹く丘

ゆう

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風が吹く丘2

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私の衣類を詰め込んでたキャリーバックに二人の衣類を詰める。

あけみ「ねぇ、旅行?」

愛「うん。行き先はまだヒミツ。」

あけみ「えー、教えてよ。」

愛「ウフフ、早くお化粧してね。」

あけみ「わかったから、あとで教えてよ。」

二人駅に向かう。

あけみさんは心配そうだ。可愛い。

スマホでホテルの予約をする。当然あけみさんにはバレないように。

夕方、私の地元の駅に着いた。タクシーに乗りホテルへ。

あけみ「ここって愛ちゃんの地元でしょ?」

愛「そうです。今日はもう遅いからホテルに泊まります。」

あけみ「うん。で?」

愛「明日、私の実家に行きます。」

あけみ「わたしも?」

愛「当たり前じゃないですか。両親に紹介しますから。」

あけみ「なんて紹介するの?」

愛「恋人に決まってるじゃないですか。」

あけみ「カミングアウトするの?」

愛「はい。」

あけみ「だ、大丈夫なの?」

愛「縁を切られるかもしれません。覚悟してますから、大丈夫です。」

あけみ「ねぇ、明日着る服、どんなだっけ?」

愛「ちょっとした丘にも行くのでラフな格好の物しか持って来てませんよ。」

あけみ「ダメダメ、スーツか何か着ないと、ダメだって。」

愛「もう遅いですよ、諦めてください。」

ホテルに入り、食事をする。

あけみさんはまだ納得してないみたい。

愛「ここね、露天風呂あるの。行こうよ。」

あけみ「えっ、露天風呂あるの?行こ行こ。」

温泉好きのあけみさんでよかった。もう機嫌が治ってる。

温泉を楽しんで、部屋に戻りあけみさんはビールを飲んでる。

愛「あんまり飲んじゃダメですからね、明日大事な日なんですから。」

あけみ「もう緊張してるから飲んでるの。」

愛「ウフフ、もう寝ますよ。」

あけみ「ねぇ、なんでツインなの。スイートにして欲しかったな。別々寝なきゃいけないじゃない。」

愛「えっ、別々寝るんですか?一緒に寝ましょうよ。」

あけみ「いいの?狭くない?」

愛「抱き合って寝たら狭くないですよ。」

あけみ「ウフ、そうだね。」

愛「ただし、エッチはなし。キスだけですからね。明日早起きしないといけないから。」

あけみ「う、うん。わかった。」

あけみさんはビールの酔いもあって、キスしながら寝ちゃった。

明日実家に行く事は母親には伝えてある。紹介したい人がいる事も。

もう考えるのはよそう。きっと反対される。でも親子の縁を切られてもあけみさんと一緒に生きて行く。

さあ、私も寝よう。明日私の幸せな顔を両親に見せてあげよう。

朝、あけみさんを起こす。

愛「あけみさん、朝ですよ、起きて顔洗ってください。」

あけみ「う、うん、おはよ。」

朝食を取り、チェックアウトする。バスターミナルまで歩いて、バスで実家に向かう。

あけみさん緊張してる。可愛い。

愛「次で降りますから。」

あけみ「う、うん」

バス停から家までは5分くらい歩かないといけない。

二人並んて歩く。久しぶりに見る故郷。何も変わってない。子供の時から変わってないんじゃないかな?

実家に着く。

愛「ただいま。帰ったよ。」

母「お帰り、愛。早かったね。」

愛「こちら、中村あけみさん。会社の先輩なの」

あけみ「はじめまして、中村あけみです。」

母「よくいらしゃいました。どうぞあがってください。」

リビングに通されソファに座るあけみさん。

愛「お父さんは?」

母「あれっ?言ってなかった?今入院してるの。」

愛「えっ?どうしたの?」

母「聞く?笑っちゃうよ。」

愛「笑うような事じゃないでしょ、入院してるんだったら。」

母「脱腸なの。ほらタヌキの置物があるでしょう?あれよ、こんなに大きくなって、パンツも履けないの。バスタオル巻いて病院連れて行ったんだよ。母さん思わず笑っちゃった。」

愛「それは笑うね、きっと私も笑う。」

母「で、今日はどうしたの?話しあるんでしょ?」

愛「お父さんいないし、どうしようかな。」

母「タヌキ親父はいいの、母さんから伝えるから、話しなさいよ。」

愛「うん、じゃ、言うよ。」

母「はい。」

愛「こちら、中村あけみさんは、私の恋人で、今一緒に暮らしてるの。」

母「えっ、何?もう一回言って。」

愛「だから、あけみさんと付き合ってるの。女の子同士だけど、愛し合ってるの。」

母「そうなの。わかった。お父さんには母さんから伝えるから。」

愛「えっ、それだけ?」

母「しっかりその恋をやり遂げなさい。あなたは苦難の道を選んだんだよ。頑張って。」

愛「ありがとう、お母さん」

母「あけみさん、この子の事頼みますね、優しい子です。いつまでも仲良くしてください。」

あけみ「はい、一緒に生きていきます。」

母「愛、母さんの分までこの愛を全うしてほしい。」

愛「えっ、どう言う事?」

母「母さんもお父さんと結婚する前にあなたのように女性の人とお付き合いしてたの。母さんが親に言えなくて、お見合いでお父さんと結婚したの。彼女を裏切ってしまったの。後悔したよ、たくさん泣いた。だから愛には後悔して欲しくないの。」

みんな泣いてる。ひとしきり泣いた。

母「お父さんも母さんの事知ってて今まで一緒にいてくれた優しいタヌキ親父なの、だから母さんタヌキ親父愛してるんだよ。」

私、優しい両親に育ててもらったんだ。幸せものだ。

三人で、泣いて、笑って、また泣いて。

私もあけみさんも化粧ぐちゃぐちゃになってる。

お昼を用意してくれてたので、三人で、ワイワイ楽しく食事した。

あけみ「愛ちゃんのお母さん素敵だね、別れた彼女さんもきっと幸せになってると思うよ。」

愛「うん。理解してくれるお母さんで安心したよ。でね、これから、一緒に来て欲しいところがあるの。」

あけみ「うんいいよ。行こ。」

私は辛い事や悲しい事があるといつも行っていたあの場所にあけみさんを連れて行きたいといつも思っていた。

多分幸せな時は行った事がない。

今人生で一番幸せ。この時にあけみさんとあの丘に登って、夕日の沈むあの海を見て見たい。どう写るのだろう、私の心に。

だいぶ日が傾いてきた。

愛「あけみさん、あと少しだよ頑張って。」

あけみ「ちょっと待って、愛ちゃん。休憩しよう。」

愛「さっきしたでしょ。早くしないと日が沈んじゃうよ」

あけみ「わかってるよう。頑張ってるの。」

やっと頂上に着いた。

あけみ「わぁー。すごい。キラキラしてる。見て見て、日が沈むよ。わぁーすごい太陽が海に溶けていってるみたい。」

私は感動して涙が溢れてくる。

あけみ「愛ちゃん、こっち来て。早く日が沈む前に。」

愛「なぁに?」

あけみさんはポケットから小さな箱を取り出した。

あけみ「愛、これからも一生愛していきます。ずっとそばに居てください。結婚しよう。」

私は突然の事に驚き。あけみさんからのプロポーズに返事もできず大号泣してしまった。




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