天使

ゆう

文字の大きさ
上 下
1 / 16

可愛い声の天使

しおりを挟む
私、木下ユミは私立高校に通う女子高生、最近彼氏の健太と初体験したばっかり。もう痛いだけで、ぜんぜん気持ちよくなかった。

オナニーの方が100倍気持ちいい。

健太はまたやりたいみたいだけど、絶対やだ。

男はみんなやりたいだけ、もう最低。

女の子のと遊んでた方が楽しい。

今日も健太に家に来るように言われたけど、ブッチしてやるんだ。

女の子の友達のケイちゃんと買い物にいっちゃう。

近所に新しくショッピングモールができたから買い物はそこに行く予定。



やっぱ友達は最高。楽しいもん。

色々見て回ってそろそろ帰ろうとして出口付近に近づいたとき微かに何か聴こえた。モールの中はザワザワして、音楽もなって、アナウンスもあるのに、私の心に届く声が聞こえた。


声のした方角に目を向けると小さなケーキ屋さんがあった。

ケイちゃんがケーキ食べたいって言い出したから食べる事になった。
小さなケーキ屋さんは喫茶スペースもあったので助かった。

店員「いらっしゃいませ」その言葉が私に届く。

私は後頭部をバットで殴られたような衝撃を受けた。

優しく透き通る声、可愛い声、こんな声聞いた事がない。

声がした方に身体を向ける。声の主の姿を見る
またも強い衝撃。頭もクラッてきた。

言葉では言い表せる事ができない。

とにかくすごい、超可愛いの。

見とれたまま、声に出してしまった。

ユミ「可愛い」

ケイ「普通じゃん」

ユミ「こんなに可愛い人見た事ないよ」

ケイ「普通にいるって」

ケイちゃんがケーキを選んでる、私は彼女から目が離せない。

店員「店内でお召し上がりですか?」

ケイ「はい、食べます食べます」

店員「そちらのお客様はどれになさいますか?」

私に話しかけてくれてる、この可愛い声で。

ユミ「あっ、はい。あなたが欲しいです」

店員「???」

ケイ「バカっ。何言ってんのよ。私と同じ物でお願いします」

店員「はい。かしこまりました。」

ケイ「もうあんた大丈夫?顔も赤いし。いきなり変な事言うから焦った。」

ケーキが運ばれて来る、持ってきたのは違う店員さんだった。

そして数分後、私達のテーブルの隣の席に彼女は座った。
仕事が終わったのだろう、私服だった。

私と目が合い、軽く会釈してくれる。

その姿が恐ろしいほど可愛いく、私は思わず、「可愛い」とつぶやいてしまう。

それが聞こえたのか、

ケイ「だから、普通だって」

ケイ「あんた、今日おかしいって。」

私は天使を見てしまったのかもしれない。

あんな超絶かわいい子見た事ない、芸能人でも見た事ない。あんまりテレビとか見ないからわからないけど。

その日から私はあの子の事が頭から離れない。
これって、もしかして恋しちゃった?

同性愛、聞いた事はあるけど、私が?

彼氏いるよ、私。

エッチもしたよ、二度としたくないけど。

いつも好きになるのは男の子だったし、どうしちゃったんだろう。

明日、もう一度可愛い声の彼女に会いに行こう。

そして、自分の気持ちを確かめてみよう。



翌日、私はおめかしして出かけた。彼女に会うために。

ケーキ屋さんの前、ドキドキしてなかなか店の中に入れない。

彼女いるかな?いなかったらどうしよう。

意を決して、店内に入った。

ショーケースの奥には彼女はいなかった。

店内に入った手前、何も買わずに出るのは気が引けるから、ケーキを注文する。

ケーキが運ばれて来た。と、同時に隣りのテーブルに人が座った。

横目に見る。キャー。彼女がいたぁー。

目が合う。彼女が笑顔で会釈してくれて、

「あっ、また来てくださったのですね。ありがとうございます。」

ヤダっ。覚えてくれてたんだ。嬉しくて涙目になっちゃう。

ユミ「あ、はい。ケーキ美味しくて、また来ちゃいました。」

彼女「今日はお一人ですか?」

ユミ「あっ、はい。あなたはお仕事終わりですか?」

彼女「はい。仕事終わりに、好きなケーキひとつ食べれるんです。毎日食べてるので体重が気になりますが。」

ユミ「そうなんだ。こんな美味しいケーキを毎日食べれるのいいですね。」

私、今最高にしあわせ。天使と会話してる。

ホント可愛い。胸のキュンキュンが止まりません。この声すごい。耳から入ってきてるんだけど、心に伝わってる感じ。

私、ここで勇気を出す、16年生きてきて本気の最高の勇気を。

ユミ「今日は一人なんで、ご一緒してもいいですか?一人でケーキ食べるのちょっと恥ずかしくて。」

彼女、天使の微笑みで、

彼女「私でよろしければ、どうぞ。私もちょっと恥ずかしいですから。」

キャー、!もう勇気だして良かったぁ。

ユミ「私、木下ユミっていいます。高校一年で16歳です。よろしくおねがいします。」

彼女「私は山咲マコ、22歳です。よろしくお願いします。」

ウソん。今、22歳って言ったよね?マジ?

どう見ても私と変わらないくらいだよ。

働いてるから18か19くらいかな?って思ってた。

6歳も離れてる。

でも可愛いから許しちゃう。

身長何センチだろう、私より小さい確実に。

可愛い。年上だけど、超可愛い。

彼氏とかいたりするのかな?

超絶可愛いから、絶対彼氏いるよね。

怖くて聞けないや。

ヤバっ、会話が続かないよぉ、なんか聞かなきゃ。

ユミ「あの、あの友達になりませんか?年下はダメですかね?」
私、いきなり直球勝負しちゃった。

マコ「ぜんぜん大丈夫ですよ。私、幼く見られて、考えも幼いから同年代の友達少ないんです。」

即答でOKもらえた、超嬉しい。

彼女とLINE交換して休み合う時に遊ぶ約束した。

彼女は平日が休みだから、平日学校の私は夏休みとか、大型の休みがないと厳しい。

あと少しで夏休みだし、まっいいか。

毎日LINEしよう。

まずは色々知りたいしね。





何度かLINEしてわかった事は、彼女は彼氏はいない。今まで付き合った事もないみたい。
可愛いのに。可愛い過ぎて手が出せないのかも。だって天使だもん。

男の子に興味なかったりするかも。

もう早くもっともっと仲良くなりたい。

もうすぐ夏休みだし、早く一緒に遊びたいっていうか、会いたいな。可愛い顔見ていたい。


























しおりを挟む

処理中です...