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シュラク
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顔がいい。
体がいい。
演技もいい。
でも頭が悪い。
頭が悪いというのは語弊がある。
役者というのは意識的に脳をからっぽにしておいて、そこに役を放り込む。仕草や考え方、好みに至るまで。
だから普段のシュラクが短絡的で幼い言動なのは、半分は職業柄と言えなくもない。
そう自分に言い聞かせるミク。
「ミクー、大好き。今日は泊まりに行っていいか?」
「良いわけがないし、わざわざ言うな、そういうことを」
劇団内では二人は恋人だと思われている。
シュラクはミクから離れないし、ミクが嫌がっているのは照れ隠しだと思われている。
ミクとしては、恋人ではない。けれど、思いを向けてくれるシュラクのことを嫌いになれるわけがない。それでも、いつか感情が冷めてしまうのが怖い。
シュラクはいつも、役が変わると私生活も別人のように振る舞うから。
ミクのことも、ある日突然関心を失くすかもしれない。その時に前のような関係に戻る自信がない。
毎日、シュラクが追いかけて誘ってくれるのをホッとしながら断っている。
今日もまた、関心は冷めていない。
このままではいけないと思いつつ。
受け入れるのが怖かった。
それでも、熱心なファンにシュラクが口づけられた時
迷いが吹っ切れて、シュラクのところに行って胸ぐらを掴んで唇を重ねた。
私のなのに!
と感情的になってしまった。
あとから、しまったと思ったけれど。
その直後に唸るような声を上げたシュラクがミクを抱き上げて、
そのまま襲われるかと覚悟したけれど、座長のところに連れていかれた。
そこで、結婚したいとシュラクが頭を下げた。
看板役者の結婚は認めたくなかっただろうが、渋々という感じで許してもらえた。
まあ、座長も元役者。
考えはよませない。
喜んでくれていることは、後でこっそり伝えてくれた。
体がいい。
演技もいい。
でも頭が悪い。
頭が悪いというのは語弊がある。
役者というのは意識的に脳をからっぽにしておいて、そこに役を放り込む。仕草や考え方、好みに至るまで。
だから普段のシュラクが短絡的で幼い言動なのは、半分は職業柄と言えなくもない。
そう自分に言い聞かせるミク。
「ミクー、大好き。今日は泊まりに行っていいか?」
「良いわけがないし、わざわざ言うな、そういうことを」
劇団内では二人は恋人だと思われている。
シュラクはミクから離れないし、ミクが嫌がっているのは照れ隠しだと思われている。
ミクとしては、恋人ではない。けれど、思いを向けてくれるシュラクのことを嫌いになれるわけがない。それでも、いつか感情が冷めてしまうのが怖い。
シュラクはいつも、役が変わると私生活も別人のように振る舞うから。
ミクのことも、ある日突然関心を失くすかもしれない。その時に前のような関係に戻る自信がない。
毎日、シュラクが追いかけて誘ってくれるのをホッとしながら断っている。
今日もまた、関心は冷めていない。
このままではいけないと思いつつ。
受け入れるのが怖かった。
それでも、熱心なファンにシュラクが口づけられた時
迷いが吹っ切れて、シュラクのところに行って胸ぐらを掴んで唇を重ねた。
私のなのに!
と感情的になってしまった。
あとから、しまったと思ったけれど。
その直後に唸るような声を上げたシュラクがミクを抱き上げて、
そのまま襲われるかと覚悟したけれど、座長のところに連れていかれた。
そこで、結婚したいとシュラクが頭を下げた。
看板役者の結婚は認めたくなかっただろうが、渋々という感じで許してもらえた。
まあ、座長も元役者。
考えはよませない。
喜んでくれていることは、後でこっそり伝えてくれた。
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