【完結】仕事のための結婚だと聞きましたが?~貧乏令嬢は次期宰相候補に求められる

仙冬可律

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26.王都

「殿下、ラルフ殿が」

執務室にいくと一人の文官が駆け寄ってきた。
またラルフの様子がおかしいらしい。
急ぎではない案件は後回しでいいのに。

中にはラルフしかできない仕事もあり、引き継ぎに時間をかけるよりラルフが処理した方が早いので負担がかかってしまう。

結婚後もこのままではいけない。
ラルフは眠気覚ましの錠剤を噛み砕きながら書類を書いている。
これは末期だ。
「ラルフ、これは上司命令だ。仮眠してこい」
ラルフは、断る素振りを見せていたが、折れた。

結婚後もこんな調子では奥方に恨まれてしまう。

確か婚約者は領地にいるので会えない間は仕事を優先できると言っていたか。
王宮の庭園での結婚式というのを聞いたときは驚いた。ラルフは優秀だが発想力は婚約者の方が上かもしれない。

お互いを高め合う関係というのも良いものだなと思った。

仮眠室から出てきたラルフは、手紙を握りしめていた。

朝に受け取っていたが見る暇がなかったらしい。

「殿下、2日間休暇をいただきます。領地に行ってきます」

幽霊のような顔色で言われた。
「何かあったのか」

「フローラが領地で楽しそうにしていて俺のことを忘れてしまいそうです」

まさかそんなことはないと思うが

王都でもラルフの偽婚約者が居たことだし、二人の関係が確かな方がいい。

「わかった。無理せず休んでこい。」

事情があるのだろうとは思った。


ーーーーーー

領地にラルフ様がくるとの知らせが入ってからフローラは落ち着かなかった。

「お仕事で忙しいでしょうね。大丈夫なのかしら」

夕飯の時刻になってもまだ着かない。
フローラはもう少し待ちたいと夫妻に伝えた。

「わかりました。私たちは先に戴くわね」



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