【完結】小動物系の待女が魔術師を魅了したら王宮の危機でした

仙冬可律

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新人魔術師カイ

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魔術師たちは、疲れはてていた。

「リーゼロッテ嬢を守る会(団長からも)」
というものが結成され、彼女の生活を守っていた。

団長の魔力が暴走する度に、後始末に追われる。


リーゼが笑えば花が咲き、
リーゼが落ち込めば雷鳴が轟く。


「もう、本当に嫁になってくれないと俺たちが過労死するか国が滅びるか……」

「いっそ皆で土下座しますか?団長の正体ばらして……」


当の本人である団長は、顔を晒してリーゼと会っているのだ。


といっても挨拶程度だが。

憧れの団長は渋い大人の男だと思っているリーゼは、暇そうにフラフラ現れる青年カイを新人魔術師だと思っていた。
「リーゼさん、久しぶり。荷物持とうか?困ってることない?」

「あら、こんにちはカイさん。またサボってるんですか」

「結界の見回りをしているだけですよ。サボってるなんて人聞きの悪い」

「団長さんに怒られちゃいますよ」

「怒る男は嫌い?」

「そうですねえ……普段から怒りっぽい人は嫌ですけど。団長はお仕事ですから、厳しい態度も素敵だなって思います」

頬を染めて、リーゼが言うと、背中を向けて駆け出すカイが小さく見えた。

「ありがとうリーゼさん!」


「カイさん、転移したのかしら。走るの早いのね……なぜお礼を言うのかしら。はっ、そういう性癖の方がいるとカトリーヌさんが言ってたような……団長に叱られて喜んでるのかしら」


カイ=カインは、魔術師団に帰っても顔がにやけきっていた。

ああ可愛い

目の前で本人を誉めて赤くなるリーゼ可愛い
可愛い可愛い可愛い可愛い



「よし、これからも団員には厳しくいこう!」


「はい?何ですかいきなり!」


「で、進展してるような気になってるとこ悪いですけど、その悪趣味なプレイ、絶対に嫌われますからね!『やだ、そんな人だとオモワナカッター、サイテー!』ってバッサリですからね、バッサリ。

傷の少ないうちに自分で正体ばらして……」


「セルジオさん、ダメです。団長が……」



「そうだよな……浮かれてた……はは」

城中の湿度が上がった

「大変です、カビとキノコが大量発生して……」


魔術師たちが叫んだ

「こんな生活、もう嫌だああああ!」


という訳で、リーゼ嬢を団長の嫁にするべく、次の舞踏会の日に決行することとなった。

翌日は城勤めの者も休みがもらえるのだ。

「どうか、その日にリーゼ嬢が団長の想いを受け止めてくれますように……!」

普通にうまくいくはずなのに本人が勝手にややこしくしているのだ。
こうなっては神頼みしかない。


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