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第3部 幸せのために
縁談
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燻る思いを抱きながらも日々を過ごし、クレアがユーリ王国に帰郷し三ヶ月が経った頃。
クレアは、父親である国王オドアケル三世の執務室へと呼び出されていた。
「私に縁談のお話が」
「……ああ」
父親である国王の表情は暗く、執務室の雰囲気もどことなく重く感じられた。
「実は、我が国きっての有力貴族であるボアラ公爵から、クレアに是非嫁いで欲しいと求婚書が届いているんだ」
それは、正式な手段を踏んでのことだった。
ただ、受け取った釣書によると、ボアラ公爵の現在の年齢は五十八歳で子供が二人。孫は三人いて、一番年上の孫とクレアは同い年らしい。
「前妻を去年亡くされていてな。傷心のところクレアが戻ってきたのを聞き、是非正妻にと希望している」
「……まだ、喪が開けてから時が経っていないように思うのですが」
突然の話だとは思ったが、意外にもクレアの心は冷静だった。
「ああ。だからこそということなのだが。……申し訳ない。本来なら、まだクレアは帰郷したばかりであるし縁談は断るべきなんだが、何しろ相手が我が国きっての有力な家門であるし外務大臣だ。相手方は持参金は必要なく反対に支度金を用意するとまで言っている。だが、その要望は受けるつもりはなく、持参金はこちらで用意するつもりだ。正式な申し出のため、一度クレアに話を通さないわけにはいかなかったのだよ」
「……左様ですか」
これは、クレアのところに話がきた時点で、もう彼女に断る権利はないに等しいということだ。
下手にごねても、お互いのためにはならないだろう。
加えて、可能性は低いとは思うが、クレアが断ったことにより妹のマーサにこの縁談が回されるという事態は避けたかった。
場合によっては、今マーサが結んでいる婚約を解消させて、新たに結び直させるということもあるかもしれない。
「承知いたしました。そのお話、お受けいたします」
「よいのか」
「はい。ただ、一つ条件があるのです」
「ああ、なんだろうか。なんでも言って欲しい」
「はい。その持参金の半額を、私に回していただくことはできないでしょうか」
「……」
国王は目を見開くが、クレアが事情を説明すると大きく頷いた。
「そうか。お前はそのスラムの人々に、多額の寄付をしたいのだな」
「はい。私が彼らに対してできることは少ないですが、それでも何かをしたいのです」
国王は深く頷いた。
「分かった。ただし、支度金は嫁いだあとにお前にとって大切なものなので額は減らさず、本来幼い頃よりお前にあてがわれるはずだった予算を好きに使うとよい。ただ、寄付をするのであれば、ブラウ帝国の皇室に知られると国家間の問題に発展しかねないので隠蔽工作はさせてもらうが」
「お父様……」
「クレア。お前には、苦労ばかりかけて本当に申し訳ない」
「いいえ、お心遣いをいただきましてありがとうございます」
クレアは父親を安心させようと笑おうとした。
だが、それはできなかった。笑おうとしてもどうしても口元が固くなってしまうのだ。
(きっと、人質にならずにこの国で順調に暮らしていたとしたら、お姉様方のように私もとうにお父様が決めた相手と結婚をしていただろうし、今断ったりしたら大臣とお父様の関係が悪くなるかもしれないわ)
姉らや妹のマーサは、幼い頃から婚約をしていたので年相応の嫡男の元に降嫁することが叶ったが、クレアの場合は婚約をする前に人質となり、周囲の結婚適齢期の貴族の令息は皆婚約者がいるか既婚者であるので、自然と後妻にと希望する話が舞い込むとは思っていた。
この国にあのような形で戻ってきた以上、クレアは自分が政略結婚の駒になることは重々覚悟していたのだ。
加えて、クレアが一度はブラウ帝国という大陸きっての列強国の皇太子の婚約者であったことは周知の事実である。
だが、帝国側から一方的に婚約を破棄されたことによって、ある意味でクレアは傷物になったと一部の貴族からは思われているらしい。
そもそも、特殊な経緯を持つクレアを妻に迎えて利点になると考える貴族は、ほとんどいないだろう。
そのため、初婚の相手からの縁談はないと暗にクレア自身も思っていたし、両親や周辺の者も同様に思っているだろうと考えていた。
「……今回の縁談話は、本来であれば求婚書を受け取ること自体もしていない。だが、我が国は近年隣国のドニア国に軍事的に脅かされ、軍事力に劣る我が王家はボアラ公爵家の所有する騎士団に頼らざるを得ないのだ。あまり考えたくはないが、もし公爵家が他の勢力と結びつくことがあれば由々しき事態だ」
「お父様……」
これまでの気苦労からか、父親の顔は深い皺がいくつも刻まれていた。
クレアは、ユーリ王国に戻ってからマーサと共に講義を受けているので、この国の最近の情勢を理解している。
近年では、隣国ブラウ帝国だけではなく同盟国コチョウ王国以外の国がユーリ王国の領土狙っている節があるらしい。そういう事情もあって、少しでも他国との関係を強化しようとマーサはツイン王国の有力貴族の嫡男に嫁ぐことが決まっているのだ。
また、クレアが短期間ではあるがアーサーと婚約していた際は、正直に言ってユーリ王国の大半の人々は安堵していたそうだ。
このままあわよくばブラウ帝国と同盟を組み、近隣国からの脅威から守ってもらえると考えたのだろう。
だが、クレアはその役割を果たせなかったが、周囲の使用人や侍女らはこれまでのクレアの苦労を知っているからか皆一様に優しかった。
「我が国は渓谷に囲まれており貿易の拠点にもなりにくく、強みは特産であるお茶の栽培ですが、近ごろでは諸国のお茶の需要が高まり、そのお茶の供給原を手に入れようと諸国は画策しているのですよね」
国王は驚いたのか目を見開いた。
「その通りだ。知っていたのだな」
「はい。知識は最大の武器であり防御になり得ますので」
クレアは、無意識にアーサーの姿を思い浮かべた。
(アーサー様。最後に、もう一度だけお会いしたかった……。お手紙を書こうかしら。いえ、それはダメ)
せめて別れの挨拶をしておきたかったが、最後にあのように別れたのだ。
彼も今頃婚約を結び直しているはずだろうし、今更元婚約者の自分が荒波を立てることは好ましくないだろう。
(アーサー様が幸せでありますように。ここからお祈りしています)
クレアは執務室を出ると、廊下の窓の外からそっと夕焼けを見上げたのだった。
クレアは、父親である国王オドアケル三世の執務室へと呼び出されていた。
「私に縁談のお話が」
「……ああ」
父親である国王の表情は暗く、執務室の雰囲気もどことなく重く感じられた。
「実は、我が国きっての有力貴族であるボアラ公爵から、クレアに是非嫁いで欲しいと求婚書が届いているんだ」
それは、正式な手段を踏んでのことだった。
ただ、受け取った釣書によると、ボアラ公爵の現在の年齢は五十八歳で子供が二人。孫は三人いて、一番年上の孫とクレアは同い年らしい。
「前妻を去年亡くされていてな。傷心のところクレアが戻ってきたのを聞き、是非正妻にと希望している」
「……まだ、喪が開けてから時が経っていないように思うのですが」
突然の話だとは思ったが、意外にもクレアの心は冷静だった。
「ああ。だからこそということなのだが。……申し訳ない。本来なら、まだクレアは帰郷したばかりであるし縁談は断るべきなんだが、何しろ相手が我が国きっての有力な家門であるし外務大臣だ。相手方は持参金は必要なく反対に支度金を用意するとまで言っている。だが、その要望は受けるつもりはなく、持参金はこちらで用意するつもりだ。正式な申し出のため、一度クレアに話を通さないわけにはいかなかったのだよ」
「……左様ですか」
これは、クレアのところに話がきた時点で、もう彼女に断る権利はないに等しいということだ。
下手にごねても、お互いのためにはならないだろう。
加えて、可能性は低いとは思うが、クレアが断ったことにより妹のマーサにこの縁談が回されるという事態は避けたかった。
場合によっては、今マーサが結んでいる婚約を解消させて、新たに結び直させるということもあるかもしれない。
「承知いたしました。そのお話、お受けいたします」
「よいのか」
「はい。ただ、一つ条件があるのです」
「ああ、なんだろうか。なんでも言って欲しい」
「はい。その持参金の半額を、私に回していただくことはできないでしょうか」
「……」
国王は目を見開くが、クレアが事情を説明すると大きく頷いた。
「そうか。お前はそのスラムの人々に、多額の寄付をしたいのだな」
「はい。私が彼らに対してできることは少ないですが、それでも何かをしたいのです」
国王は深く頷いた。
「分かった。ただし、支度金は嫁いだあとにお前にとって大切なものなので額は減らさず、本来幼い頃よりお前にあてがわれるはずだった予算を好きに使うとよい。ただ、寄付をするのであれば、ブラウ帝国の皇室に知られると国家間の問題に発展しかねないので隠蔽工作はさせてもらうが」
「お父様……」
「クレア。お前には、苦労ばかりかけて本当に申し訳ない」
「いいえ、お心遣いをいただきましてありがとうございます」
クレアは父親を安心させようと笑おうとした。
だが、それはできなかった。笑おうとしてもどうしても口元が固くなってしまうのだ。
(きっと、人質にならずにこの国で順調に暮らしていたとしたら、お姉様方のように私もとうにお父様が決めた相手と結婚をしていただろうし、今断ったりしたら大臣とお父様の関係が悪くなるかもしれないわ)
姉らや妹のマーサは、幼い頃から婚約をしていたので年相応の嫡男の元に降嫁することが叶ったが、クレアの場合は婚約をする前に人質となり、周囲の結婚適齢期の貴族の令息は皆婚約者がいるか既婚者であるので、自然と後妻にと希望する話が舞い込むとは思っていた。
この国にあのような形で戻ってきた以上、クレアは自分が政略結婚の駒になることは重々覚悟していたのだ。
加えて、クレアが一度はブラウ帝国という大陸きっての列強国の皇太子の婚約者であったことは周知の事実である。
だが、帝国側から一方的に婚約を破棄されたことによって、ある意味でクレアは傷物になったと一部の貴族からは思われているらしい。
そもそも、特殊な経緯を持つクレアを妻に迎えて利点になると考える貴族は、ほとんどいないだろう。
そのため、初婚の相手からの縁談はないと暗にクレア自身も思っていたし、両親や周辺の者も同様に思っているだろうと考えていた。
「……今回の縁談話は、本来であれば求婚書を受け取ること自体もしていない。だが、我が国は近年隣国のドニア国に軍事的に脅かされ、軍事力に劣る我が王家はボアラ公爵家の所有する騎士団に頼らざるを得ないのだ。あまり考えたくはないが、もし公爵家が他の勢力と結びつくことがあれば由々しき事態だ」
「お父様……」
これまでの気苦労からか、父親の顔は深い皺がいくつも刻まれていた。
クレアは、ユーリ王国に戻ってからマーサと共に講義を受けているので、この国の最近の情勢を理解している。
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このままあわよくばブラウ帝国と同盟を組み、近隣国からの脅威から守ってもらえると考えたのだろう。
だが、クレアはその役割を果たせなかったが、周囲の使用人や侍女らはこれまでのクレアの苦労を知っているからか皆一様に優しかった。
「我が国は渓谷に囲まれており貿易の拠点にもなりにくく、強みは特産であるお茶の栽培ですが、近ごろでは諸国のお茶の需要が高まり、そのお茶の供給原を手に入れようと諸国は画策しているのですよね」
国王は驚いたのか目を見開いた。
「その通りだ。知っていたのだな」
「はい。知識は最大の武器であり防御になり得ますので」
クレアは、無意識にアーサーの姿を思い浮かべた。
(アーサー様。最後に、もう一度だけお会いしたかった……。お手紙を書こうかしら。いえ、それはダメ)
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彼も今頃婚約を結び直しているはずだろうし、今更元婚約者の自分が荒波を立てることは好ましくないだろう。
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