華の光に導かれて

Jinruru

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最悪の誕生日

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「なんでこうなった、、。」
目の前の不思議な光景をどう飲み込もうか考えようとするが体が疲れきっていて頭もまわらない。

なんで俺が、、しかもなんで今日に限ってこんな目に、、、。全ては朝起きたあの瞬間から始まっていた。

窓から差し込む光で目が覚める。眩しい、、暑い、、つか太陽高すぎじゃ、、
「はっ?高すぎ?」

時計をみると針は9時を回っていた。おかしい。7時にセットしたはずなのに。慌てて制服を着て駅まで自転車を走らせる。

「よし、このまま行けば20分の電車に乗れる。」そんなことを考えている間に駅に着く。まじか、、、アナウンスを聞いて絶句する。遅延かよ!

結局学校に着いたのは昼休みだった。「おい湊叶!昼から出勤とかいい身分だな~!」そんなからかいを背中に受けながら教室に入る。

「湊叶!おはよう。今日は遅かったね。」軽く肩を叩いた女の方を見る。幼馴染で俺が片思いを寄せている茜色だった。
「あぁ、おはよう。」

それだけ言い残すとすぐに担任からの呼び出しがかかり教室をあとにする。

~放課後~

俺は反省文を50枚ほど書かされ疲れきっていて、茜色からのメールを返す余裕もなかった。きっともう帰ってるだろうな。そんなことを考えながら下駄箱へと向かう。

「やっときた~。お疲れ様。」そこには茜色がいた。とっくに下校時間は過ぎていて、部活の連中すら残っていないのに、、

込み上げる想いとは裏腹に「なんでまだいんだよ。」と、少し不機嫌そうな返事をしてしまう。

結局一緒に帰ることになったが、朝から何も食べず過ごしたせいか茜色のはなしは俺の耳に入ってこなかった。それを感じ取ったのか、いきなり痺れを切らしたように「もういい。」といい歩をはやめた茜色を追う気力すら俺には無かった。

なんだよ、、。と一人呟き坂を下っていくと川の近くにやけに心惹かれ存在感の一際大きい花が一輪咲いていることに気づく。

こんな花咲いてたっけ。と思い近ずいて見ると花に花火のようなものが映っていた。

いやいや、今冬だし!つーか花ビラに映るわけねーだろ!!と思いつつ空を見上げるもやはりどこにも花火なんて上がっていない。そしてもう一度花をのぞき込んだ。

これがいけなかったんだ。花は突然光だし俺を包んでいった。

そして気がつくと見知らぬ森の中に俺はたたずんでいた。状況を全く理解できないながらも落ち着け俺、と自分に言い聞かせ森を抜けることを最優先に考え歩き出した。

しばらく歩くと森を抜け一つの国をまるまる見渡せる場所に出た。そこでは祭りでもやっているのか、たくさんの花火が打ち上げられていた。

俺が見たのはこれか。と山を降りようとした瞬間、

「湊叶?」

そう呼ばれ、振り向くとそこには耳としっぽの生えた現実ではありえない姿をした少女が飛んでいた、、、飛んでいた?

よく見るとその少女はほうきにまたがり宙に浮いている。そして、「やっぱり湊叶だ!帰ってきたんだね!」と俺めがけて突っ込んできた。

そして今に至る。ああ、やっぱり今日はついていない日だ。



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