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初めましての再会
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「あの~そろそろ離れてくれるかな?」目の前の少女に語りかけるように言う。パッと起き上がった少女の目には薄らと涙が滲んでいた。
いろんな意味で混乱している俺に「ごめん。もう会えないんじゃないかと思ってたから嬉しくて、、約束、忘れないでてくれたんだね。」と言われ、俺は約束?と聞き返そうとしたが、別の声にかき消された。
そこには少女と似た風貌の少年達が4、5人いて、また同じような反応をくれ返される。
そこで俺は今度こそはっきりと伝えようとあのっ!と声を張り上げた。
「申し訳ないけど俺は君たちのこと全く覚えてないし、むしろ初めましてだと思う。なんで俺のことをしっているのかは知らないけど、とりあえず落ち着いてくれ。」
そう言い切った俺を皆不思議そうな顔でみている。長い沈黙。最初に口を開いたのはあの少女だった。
「と、とりあえず、コールドッグランドに戻らない?こんな所で話すのもなんだし。」そうだな、と他の少年達も賛同した。
歩き出したみんなについて行き、そうかからず国へとついた。国の人々の俺を見る目は皆同じ、どこか懐かしさを含んだ優しげな表情だった。
「湊叶は前と同じ私の家でいい?って覚えてないんだよね、、あ!わたしはルルア・コルド!この国の人は皆名字にコルドってつくんだよ。」
ルルア、、、やっぱり何を見ても名前を聞いたって俺は何一つ思い出すことが出来なかった。よほど深刻そうな顔でもしてたのか、俺の顔を見るなり
「そうだ!じゃあこの世界のことについて最初から説明しないとね!まず、この世界は3つの国で成り立っているの。」と明るく話し始めた。
「1つ目は、今私たちのいるここ、コールドッグランドね。この国の人は全員犬を祖先に持つの。だから鼻がよく効くし、あなたのことも匂いで分かったの。
2つ目はここから北の方にある国、サバンナキング国。サバナの人たちはライオンを祖先に持つんだけど、私たちコルドの民とは違ってやたらと好戦的なの。
最後はここから東にあるズーヘブン国。この国はこの世界で唯一いろんな種族が暮らしている場所。どんな移民でも受け入れられているから、1番大きいのはこの国ね。
サバナの民は特にこのズーヘブンを目の敵にしていて、隙があれば乗っ取ろうと狙い続けているの。」
その後もいろんな説明をうけ、5年程前から戦争が絶えなくなったこと、そしてその主な武器は魔法からなっていることなどが分かった。
「魔法って、、、全然実感わかないんだけど。この国では科学が発達してないのか?」俺は回らない頭を必死にフル回転させ、ルルアに質問した。
「科学?それはたぶん祖先がほんの何10年かだけ使っていたものだと思う。結局魔法のほうが活気的だという結論になって、廃れていってしまったものね。今は主に生活魔法、発明魔法、戦闘魔法が基本にこの世界は作られているわ。」
そう淡々と言われ、ああ、やばい。このままこれ以上説明をされたら頭がパンクする、と思い今日はひとまずルルアの家に泊まらせてもらうことにした。
部屋を案内してもらいベッドに倒れ込むと、そういえば何も言わずにこんなところに来てしまい茜色は心配しているだろうか、とふと思った。
ドアを閉められる直前、
「あ、そういえば、、、」と、ルルアがもう一度ドアを開け、
「今日は湊叶の誕生日だったよね。遅くなっちゃったけどおめでとう!急にこんなところに来ちゃって不安とかもあるかもしれないけど、何かあったら遠慮しないで言ってね。」
おやすみ、とドアを閉める。そこでようやく今日が自分の誕生日だったことを思い出す。あと5分くらいで終わるけど。一番に言われたのが幼馴染の茜色ではなく、今日初めてあったルルアだということに変な気持ちになりながらも、この世界もそんな悪いところではないかもしれないと目をつぶった。
いろんな意味で混乱している俺に「ごめん。もう会えないんじゃないかと思ってたから嬉しくて、、約束、忘れないでてくれたんだね。」と言われ、俺は約束?と聞き返そうとしたが、別の声にかき消された。
そこには少女と似た風貌の少年達が4、5人いて、また同じような反応をくれ返される。
そこで俺は今度こそはっきりと伝えようとあのっ!と声を張り上げた。
「申し訳ないけど俺は君たちのこと全く覚えてないし、むしろ初めましてだと思う。なんで俺のことをしっているのかは知らないけど、とりあえず落ち着いてくれ。」
そう言い切った俺を皆不思議そうな顔でみている。長い沈黙。最初に口を開いたのはあの少女だった。
「と、とりあえず、コールドッグランドに戻らない?こんな所で話すのもなんだし。」そうだな、と他の少年達も賛同した。
歩き出したみんなについて行き、そうかからず国へとついた。国の人々の俺を見る目は皆同じ、どこか懐かしさを含んだ優しげな表情だった。
「湊叶は前と同じ私の家でいい?って覚えてないんだよね、、あ!わたしはルルア・コルド!この国の人は皆名字にコルドってつくんだよ。」
ルルア、、、やっぱり何を見ても名前を聞いたって俺は何一つ思い出すことが出来なかった。よほど深刻そうな顔でもしてたのか、俺の顔を見るなり
「そうだ!じゃあこの世界のことについて最初から説明しないとね!まず、この世界は3つの国で成り立っているの。」と明るく話し始めた。
「1つ目は、今私たちのいるここ、コールドッグランドね。この国の人は全員犬を祖先に持つの。だから鼻がよく効くし、あなたのことも匂いで分かったの。
2つ目はここから北の方にある国、サバンナキング国。サバナの人たちはライオンを祖先に持つんだけど、私たちコルドの民とは違ってやたらと好戦的なの。
最後はここから東にあるズーヘブン国。この国はこの世界で唯一いろんな種族が暮らしている場所。どんな移民でも受け入れられているから、1番大きいのはこの国ね。
サバナの民は特にこのズーヘブンを目の敵にしていて、隙があれば乗っ取ろうと狙い続けているの。」
その後もいろんな説明をうけ、5年程前から戦争が絶えなくなったこと、そしてその主な武器は魔法からなっていることなどが分かった。
「魔法って、、、全然実感わかないんだけど。この国では科学が発達してないのか?」俺は回らない頭を必死にフル回転させ、ルルアに質問した。
「科学?それはたぶん祖先がほんの何10年かだけ使っていたものだと思う。結局魔法のほうが活気的だという結論になって、廃れていってしまったものね。今は主に生活魔法、発明魔法、戦闘魔法が基本にこの世界は作られているわ。」
そう淡々と言われ、ああ、やばい。このままこれ以上説明をされたら頭がパンクする、と思い今日はひとまずルルアの家に泊まらせてもらうことにした。
部屋を案内してもらいベッドに倒れ込むと、そういえば何も言わずにこんなところに来てしまい茜色は心配しているだろうか、とふと思った。
ドアを閉められる直前、
「あ、そういえば、、、」と、ルルアがもう一度ドアを開け、
「今日は湊叶の誕生日だったよね。遅くなっちゃったけどおめでとう!急にこんなところに来ちゃって不安とかもあるかもしれないけど、何かあったら遠慮しないで言ってね。」
おやすみ、とドアを閉める。そこでようやく今日が自分の誕生日だったことを思い出す。あと5分くらいで終わるけど。一番に言われたのが幼馴染の茜色ではなく、今日初めてあったルルアだということに変な気持ちになりながらも、この世界もそんな悪いところではないかもしれないと目をつぶった。
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