無頓着な彼は。

5

「ええー。それではただいまより白金学園入学式を開式いたします。」

司会とともに始まった入学式。

校長先生の話は相変わらず長くて、どこも一緒か。とあくびを噛み締める。

もう限界、、とうつらうつらしたところで、

「キャーーーーー！！！！」
という叫び声に一気に目が覚める。

何事かと周りを見つめると、叫ぶみんなの視線はステージへ。

いつの間にかおじいちゃん校長先生の話は終わっており、代わりに何人かの生徒が立っている。

「静粛に。」
凛としたその声に、先程の叫び声が嘘のようにシーンと静まりかえる。

知的な雰囲気を醸し出す、綺麗な人がマイクを握っていた。
艶のある髪の毛は黒髪かと思えば光に当たるとほんのり緑がかっていて、
黒縁メガネが知的な雰囲気をさらに引き立たせている。

隅に立つその人が、ステージの真ん中に目線を動かす。

つられて真ん中を見ると、

ステージの光を浴びてキラキラ輝く銀髪に、
キリッとした切れ長の瞳がギラリと鋭く光っているガタイの良いイケメンがニヤリと笑って立っていた。

「どーも。生徒会長の東堂とうどう傑すぐるだ。この学園に入学したからには、俺達の言うことを聞いてもらう。問題を起こすなよ、面倒だからな。以上。あとは任せた、武久。」

「はぁ。」
大きなため息を吐いた先程の知的な人がどうやら武久さんのようだ。

「それではみなさん。くれぐれも問題を起こさないようお願いいたします。
ちなみに私は副会長の武久あけひさ透とおると申します。
以後お見知り置きを。
他の役員の皆様もご挨拶をお願いします。」


「じゃあ俺からね！俺は～会計の～早乙女さおとめ大智たいちだよ！みんな～よろしくねぇ」
にっこり笑う早乙女さんは明るい金髪が綺麗な顔に良く似合っていて、少しタレ目で人懐っこい雰囲気だ。
至る所に付いているアクセサリーがよく似合っている。


「「僕達は双子で書記の笹倉ささくら」」
「海と！」「空だよ！」
「「よろしくねー！！」」
元気いっぱいな2人は顔が良く似ている。
前髪を水色のピンでそれぞれ右と左に止めているので、それで判断できるみたいだ。
2人とも早乙女さんよりも明るい白に近い金髪で、大きな瞳の幼い顔立ちに良く似合っている。
緩くパーマのかかっている所もそっくりだ。


「庶務、渡わたり夕ゆう。」
簡潔に述べた渡さんは、少し寝癖のついた毛量のあるブラウンの髪の毛がなぜか可愛く見える。
眠そうな目でのんびり答える姿は、どこか動物のような癒しがある。


「以上、6名が生徒会役員です。みなさんどうぞよろしくお願いいたします。」
副会長の武久さんがそう告げると、
待っていましたとばかりに、
「キャーーー！！！」やら
「ヒューーー！！！」やら聞こえてくる。

呆気に取られながらその様子を見つめ、ふと隣を見ると葵も口を大きく開けてびっくりしていた。

葵も同じ気持ちかと少しほっとした。