無頓着な彼は。

はぴたん

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ぞろぞろと体育館に人が戻ってくる。

要はどこかな?と探していると、頭1つ飛び抜けた赤髪が目に入る。

要はどこにいてもデカくて見つけやすいな。

視線を送っているとすぐに気づいたようで近づいてきた。

「おつかれ。すごいね、意外と逃げ足速かったんだ。」

「意外とって何だよ。まあほぼ木の上で寝てただけだけど。最後見つかって少し逃げた。」

「なんだよそれ。まあでも結局逃げたんだ。
景品どうするの?」

「、、、まあ適当に使う。」

「ふーん。」

要と話していると、いつの間に体育館は人で溢れていた。


「皆さん集まったようですね。
それでは結果発表を行います。
逃げ切った生徒はステージまで来てください。」


「要!」

「おう、行ってくる。」

思わず名前を呼ぶと俺の頭を軽く撫でてステージへ向かって行った。

仕草がイケメンすぎて困る。


ステージには生徒会と要と他2人いる。

要と合わせて3人も逃げ切ったようだ。


「今回は3人逃げ切ったようです。
皆さんには景品の"なんでも願いが叶う券"をプレゼントいたします。
こちらは不正を防ぐため、この場で願いを言ってもらいます。
では端っこの君から、クラスと名前と願いをおっしゃってください。」


「えっと、Aクラス 阿部公平です。
願いは、、早乙女さん!
僕と、で、デートしてもらえませんか?
出来れば最後にハグ付きで!」

顔を真っ赤にしながらそう話す阿部くん。
最後は早口でまくし立てるように叫んだ。

「え、俺?もちろ~ん!
こんな可愛い子からの願い、喜んで受け入れるよ!
まずは連絡先教えてねっ!」


どうやら上手くいったようだ。
そうか、好みの人と近づくチャンスにもなるのか。


「では次の方、お願いいたします。」

「Dクラス山田直也。
うーんそうだな、なんか好きに使える教室が欲しい。
俺だけが入れる。」

「高校生活の間の3年間のみ使える空き教室をご用意いたします。」

「おっしゃ。」

そうゆうのもありなのか。
と感心しつつ、次の要に目を向ける。


「Sクラス龍要。、、恭、俺と今日一緒に寝るぞ。」

「ん?」聞き間違い?なんか俺の名前の後に一緒に寝るとか聞こえたんだけど。

既に頭がパンクしている上に、

「「キャーーーー!!!」」
と体育館が響き出すので、余計に頭が痛くなる。


「はぁ、静粛に。
龍さんに呼ばれた恭さんは返答をお聞きしたいので、ステージまで来てください。」

副会長の声に一気に視線が集まる。

うう、そんな目で見ないでよ、、

「きょうちゃん大丈夫?」
とぎゅっと手を握ってくれている葵に大丈夫と答えながら、とぼとぼと歩きステージを登る。


「あなたが恭さんですね?」

「はい。」

「龍さん、ちなみに寝るとはどういった事でしょうか?
添い寝ですか?それとも、「添い寝だ。」そうですか。
では特に問題なさそうですのであなたに拒否権はありません。よろしいですね?」

「は、はい。」

なんだ添い寝か。
いや添い寝しかないだろ、、。

いいけど、注目されるのに慣れてないから困るよ。
そう思い助けを求め要を見つめる。


「ごめん。お前なんか落ち着く匂いするから。」

「「キャーーーー!!!」」

余計なことを!!
収集つかないだろ。もう。

それになんか恥ずかしいし。
頬が赤い気がするが気にせず要を睨んだ。

「その顔やめろ。分かったから、ごめん。」

要の手に顔を覆われながらそう言われる。

どんな顔だよ、そんな酷かったかな。


「ええ、では皆さんの願いは伝え終わりましたので、次は1番逃げを捕まえた鬼の発表です。
データを収集しておりまして、つい今しがた結果が出ました。

1番逃げを捕まえた鬼は、、

東堂傑。
、、、あなたですか。」


ジトっとした目を会長に向ける副会長。
こんな顔をするのかと見つめていると、


「おい、恭。
俺の願いを言うから見とけ。」

副会長とは逆側にいた会長から話しかけられた。

、、、嫌な予感がする。

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