無頓着な彼は。

はぴたん

文字の大きさ
33 / 174

32

しおりを挟む
「ふぅ、今日はここまでにしましょうか。
僕達で施錠しますので、皆さんは先に返って大丈夫ですよ。」

いつの間にかあたりは暗くなっていた。
透先輩と傑先輩が施錠してくれるみたいだ。

お言葉に甘えてほかのメンバーで帰る事になった。

あ!と思い出し、要に"今生徒会室を出た。これから帰る。"と連絡した。

「きょうちゃ~ん!おいてくよ~!」
慌てて大智先輩の元へ行く。
横に並ぶと肩に腕をまわしてきた。

そのまま肩を組んだまま歩き出す。
大智先輩も葵と同じように距離が近い人だなぁ。と思いながらみんなで寮に向かう。

寮に入ってすぐ、

「恭!」
俺を呼ぶ声がした。

見ると要がこちらに向かってきている。
要も大きい声出せるんだ、と不思議そうに見つめていると、

「なんだよ。ほら、帰るぞ。」

「いや、要もおっきい声出せるんだと思って。
迎え来てくれてありがとう。
先輩達も送っていただきありがとうございます!」

大智先輩の腕から離れ要の元へ行った。


「別に部屋まで送ったのに~!」

「「ほんとほんと!」」「僕達に任せてよねー!」

「次からは部屋まで送るぞ。ついでに光にも会いたいし。」

みなさん優しい。


「ありがとうございます。「別にこれからもここまでで大丈夫です。」え。」

「ほら行くぞ。」


会話終了とでも言うように俺の腕をひいて歩いて行く。


「ちょ、すみません!ありがとうございました!」
とひかれるがまま先輩達に叫んで伝えた。



エレベーターに2人で乗り込むと、要が肩に腕をまわしてきた。

「なんだよ。珍しい。」
と見上げると、

「別に。」
と返ってきた。

大智先輩の真似でもしてるのか。


「さっき言ったこと事実だから。」

徐に要が話し出す。

「ん?何が?」

「迎えいくって話。どうせ暇だし、終わったら毎回連絡しろ。」

「えー面倒くさくない?なんか毎回だと申し訳ないんだけど、、」

「俺がいいって言ってんだからいいだろ。絶対だからな。」

有無を言わせない態度に、
「わかった。ありがとう。」
と言うと満足そうに小さく笑った。


それにしても大智先輩より大柄なためちょっと重い。
でも要の安心する香りがして落ち着くのも事実だ。

結局部屋に入るまでそのままだったため、すれ違った何人かに羨ましそうな顔で見られてしまった。


しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する幼少中高大院までの一貫校だ。しかし学校の規模に見合わず生徒数は一学年300人程の少人数の学院で、他とは少し違う校風の学院でもある。 そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? 夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)は、見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!?
幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良ワーウルフの悪友(同級生)まで……なぜかイケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない!恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!?
甘くて可笑しい、異世界学園BLラブコメディ! 毎日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

ビッチです!誤解しないでください!

モカ
BL
男好きのビッチと噂される主人公 西宮晃 「ほら、あいつだろ?あの例のやつ」 「あれな、頼めば誰とでも寝るってやつだろ?あんな平凡なやつによく勃つよな笑」 「大丈夫か?あんな噂気にするな」 「晃ほど清純な男はいないというのに」 「お前に嫉妬してあんな下らない噂を流すなんてな」 噂じゃなくて事実ですけど!!!?? 俺がくそビッチという噂(真実)に怒るイケメン達、なぜか噂を流して俺を貶めてると勘違いされてる転校生…… 魔性の男で申し訳ない笑 めちゃくちゃスロー更新になりますが、完結させたいと思っているので、気長にお待ちいただけると嬉しいです!

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

見ぃつけた。

茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは… 他サイトにも公開しています

処理中です...