無頓着な彼は。

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要side

障害物リレーは毎年女装が恒例だ。

うちのクラスは満場一致で恭と葵に決まった。
2人は知らないみたいだが。

他のやつも見るのは嫌だが見たい気持ちが勝ってしまい止めることは出来なかった。


しかも恭は第1走者。

今までで1番の集中力で恭を見つめる。

試着室から出てきた恭はそのまま凄い勢いで走っている。

きっと恥ずかしさを隠すためなんだろう。
それが分かり余計に可愛い。

走っていても可愛さは伝わってくる。

ぶかっとしたグレーのカーディガン、短めのチェックのスカート、そこから伸びる長くて白い足、、
やばい。

ツインテールが少し幼さを出して可愛さが倍増している。

やばい。
あの姿をみんなが見ていると思うと腸が煮えくり返りそうだ。

今すぐ部屋に閉じ込めたい。


隣で光が顔を真っ赤にして震えている。


バランスボールに乗って飛ぶ恭。
エロすぎだろ。
飛ぶ度にスカートがヒラヒラ、、
くそ、あんなの見せていいのかよ、、
イライラしつつも目は離さない。

次は網か。
四つん這いで歩くだけでもエロいのに網と絡んだら、、

どこからとも無くうっと聞こえたかと思うとみんな前かがみになりながら去っていく。
半数はすでに離脱している。

なんとか網から抜け出した恭。
結局1位でゴールした。

放送部員だかなんだか知らないが、気安く恭に話しかけやがって。
もういっその事恭の元へ行くか。と立ち上がろうとしたが、光に気持ちは分かるがやめとけ。と止められた。


その次は葵が走る番だ。
正直葵の走りはそんなに見てない。

葵を見る恭をずっと見ていた。

何であんなに可愛いんだ。

走り終えた葵は一目散に恭に抱きついている。

その現状に色めき経つ周りの声をかき消すように、

チッ

と舌打ちをした。
周りが途端に静かになった。

葵はまた疲れたとか言ってるんだろう、中々恭から離れない。
しまいには手錠プレイを楽しんでいる。

イライライライラ

さらにいつの間にかロングヘアーのセーラー服の奴が来たかと思えば妙に距離が近い。

時間が経つと双子なのか？似たようなのが増えている。

顔が良いのが集まっており、さらにどいつもこいつも女装が似合っている為めちゃくちゃ視線を浴びている。

当の本人達はあまり気にしていないようだが。

あぁ、早く恭に会いたい。
会って独り占めしたい。

そう熱い視線を送りながら、この障害物リレーが終わるのを待つ。


やっと終わったと思ったら引っ付いていた双子に連れていかれている。

慌てて残された葵の元へ行き聞くと、

「なんか生徒会の集まりがあるらしくて行っちゃった。」
と言った。

くそ、
生徒会の野郎共はどうも恭に気がある気配がして嫌いなんだよな。

はぁ。ため息をつきながらしょうがないのでブースに戻る。
葵は着替えたいからと専用の更衣室に行くそうなのでその場で分かれた。