無頓着な彼は。

はぴたん

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「ふぅ~いい湯だった~!」
そう言いながらリビングのドアを開けて入ってきた大智先輩。

手にはドライヤーが持たれている。

「恭ちゃん!夕が入れなくなるかな~と思ってコレ持ってきちゃった!」

そう言ってドライヤーを持ち上げる大智先輩。

こっちこっちと呼ばれるがまま行きそのまま大智先輩について行くと1階にある客間に着いた。


「リビングはみんないるし音が迷惑になっちゃいけないから、ここで乾かしてもらおっかな~?」

「はい「おい。別に迷惑じゃないからリビングで乾かせよ。」
いつの間についてきていたのか後ろから要がそう言った。
先輩なのに敬語じゃないし、、

「、、そっか~。
じゃあリビングに行こっか!」

「あ、はい。」
そう俺が言うや否やギュッと俺の腕を握って歩き出す大智先輩。

引っ張られるようにリビングへ戻った。


「ここにしよっか。
はい、これ!」

「任せてください!」
隅にあった1人がけソファに座る大智先輩。
近くにあったコンセントにプラグを差し込んだドライヤーを渡してくれたので受け取った。


スイッチをつけ乾かしていく。
染めているはずの金髪だが、とてもさらさらしていて指通りがいい。


「終わりましたよ。」.

「ありがと~!」
にっこり笑って振り向く大智先輩。
いつもの遊ばせた髪がしなっと落ち着いていて、いつもよりあどけない。

思わずキュンとしてしまった、、


「恭ちゃん?どうしたの?」

「、、あ、いや。
いつもと違ってなんか可愛いと思って、、」

「ふふっほんと?
俺、かわい?」
そう言いながら首を傾げる大智先輩。

あざとい。

「か、可愛いです。
いつもはかっこいい感じなんですが、セットしていないと可愛い感じです。」

「恭ちゃんに言われるとすっごく嬉しいな~
可愛い俺も好き?」

「、、好きです。」
言ったそばから照れてしまう。

そんな俺を見て嬉しそうに微笑む大智先輩。
なんかずるい。

俺ばかり恥ずかしかっている気がする、、


「嬉しい。俺もどんな恭ちゃんも好きだよ。」

そんな事言ってもらえると思っていなかったので、驚いてしまう。

よく見ると大智先輩の耳がほんのり赤く、先輩も照れているのが分かる。

同じだ。

俺と同じように照れてるんだ、と思うと恥ずかしさより嬉しさが勝つ。


「ふふっ俺も、嬉しいです。」
嬉しくなってにこにこしながらそう言った。

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