無頓着な彼は。

はぴたん

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「ちぇっ
でもよ、兄貴。こんなの我慢出来るわけねーだろ。」

「ああ??」
そう言いながらチラッと俺を見る要。

「、、恭早く着替えろ。」

「えっあ、うん。」

いそいそと着替え始める。
用意されていたのは浴衣だった。

「、、、あの、そんなに見られると着替えにくいんだけど。」

似たような目でじーっと熱視線を向けられると着替えにくい。

「あぁ、悪い。
ほらお前も。」
敦くんの顔とともにぐいっと体を背けてくれる要。



「お待たせ、着替えたよ。」
浴衣なので着替えるのは簡単だ。すぐ着替え終わった。

「おう。」

「それでその敦くんは要の弟?」

「どーも。弟のあつしです。よろしく。」

「ちっ
お前今日帰ってたのかよ。」

「ラッキーだったよ、
そっちは恭?」

「あ、うん。要の友達の恭だよ。
よろしくね。」

「友達ってことは学園も一緒だよな?
俺来年高等部に行くからまた会えるな!」
嬉しそうにそう言う敦くん。
何だか気に入ってもらえたようだ。

「もう会わなくていい。」
どこか不機嫌そうな要。

「なに兄貴だけで独り占めしようとしてんだよ。
それにまだ友達だろ。俺にもチャンスあるな。」
コソコソ2人で話している。
不機嫌そうな要と楽しそうな敦くん。

会話の内容は聞こえないが、喧嘩するほど仲がいいって感じだ。

「ふふっ」
思わず2人のやり取りを見て笑ってしまう。


「はぁ、、あ、ごめん。」
兄弟っていいな、と思いながら2人を見ると何故かじーっと見つめられ思わず謝った。
笑いすぎたかな、、


「、、、笑顔はもっといいな。」

「おい、あんまり笑うな。」

それぞれに正反対な言葉をかけられた。

「ごめんって。」
ちょっと不貞腐れながら要を見上げると、

「おい敦。
お前挨拶してきたのかよ。」

「あ、やべ、、じゃあまたね!恭!」
慌てた様に敦くんが去っていく。


「あいつ年下のくせに呼び捨てにしやがって。」

「いいよ、別に気にしてないし。」
要がドアを睨みながら言うので、なだめるようにそう言った。
本当に気にしていない。
要に似ていて怒る気にもなれないのだ。


「とりあえず髪乾かすか。
そこ座れ。」

温泉さながらの鏡と備え付けのドライヤーがいくつかある。
そこに置かれていた椅子の1つに座った。

いつも通り乾かしてくれる要。



「どうする?先部屋戻っててもいいし、
俺が上がるの待って一緒に戻るか?」
乾かし終わると要がそう聞いてきた。

要の部屋がどこかも分からないし、かといって部屋まで送ってもらってまたここに来るのも要が大変だろうと思い、

「待ってる。ここで待ってていい?」

「あぁ。」
そう言って俺の髪をくしゃくしゃにする要。
せっかく乾かしてくれたのに、、


俺から離れ棚の方へ行くと、バサッと豪快に服を脱いでいく。
俺とは違い鍛え上げられた筋肉が顔を出す。
慌てて要から目を逸らす。


少しすると風呂場のドアが開く音がして、ほっとした。



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