無頓着な彼は。

はぴたん

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「葵、帰ってるー?」
玄関の方から光の声が聞こえた。

「帰ってるよー!」
葵が叫ぶと、

「もー!恭も要もみんないつの間にかいなくなってたんだから。
葵まで先帰るなよなー。」

「ごめんごめん。」

「って事は、恭ももう部屋かな?」


「俺になんか用?」
葵の部屋のドアを開けてそう言うと、光の目がみるみる大きくなる。


「恭!!!」

驚きながら勢いよく抱きついてきた。



「光、先帰ってごめんね。」

「ほんとだよ。俺1人で探してたんだぜー。」

「光も帰ってくればよかったでしょ。
ほら、離して。」
葵が俺の後ろに来てそう言った。

「やーだね。俺が来るまで独占してたんでしょ。
てか葵の部屋で2人きりで何してたの?」
抱き締めたまま聞いてきた。


「何って、そりゃあ、ねっ!」
抱き締められているので表情は見えないが、葵が含みのある言い方で答えた。やめて欲しい。


「え!なに!やらしい事してたの??
恭!どゆこと!!」
俺の肩を掴み体を離したかと思えば興奮しながらゆらゆら揺らしてくる。


ほら、絶対葵のせいだ、、


「光やめて、、
ただ化粧落としてもらっただけだって、、」
そう言うと揺らしていた手を止め、

「本当に!?」そう言いながらぐいっと顔を近づけてきた。


「うん。てか近い。」
そう言ったのに離れず、さらに肩に置いていた手を離しそのまま俺の肩を通り過ぎていく。

肩に腕が乗りさっきより重たいし、囲われているみたいでなんだか恥ずかしい。


「光、「ほんとだ。化粧落ちてる。」
離れてと言おうとしたが、光の声に遮られる。
不思議そうな顔で俺の顔を覗き込んでくる。

「分かったなら離れて。」
光の胸を押し返すがビクともしない。
俺の筋力ってそんなに無いのかな、、

「メイドもめちゃくちゃ可愛かったけど、やっぱり自然な恭が1番可愛い。」
そう微笑む光。


急にそんな事言わないでほしい。
顔がかあっと熱くなる。


「ほんと、かわい。」
小さく呟いた光の顔がゆっくり近づいてくる。


ち、近い、、やばい、、


「んん!!んー!」
光の口が誰かの手に塞がれている。


「調子乗りすぎー。
きょうちゃん、今のうちだよ!」
光の向こう側から聞こえる葵の声にハッとしてしゃがんで光の腕から逃れた。

「んんー!!あぁー!葵!」
光が葵の手を振り切った。


「何?」

「邪魔すんなよ。」


急な険悪なムード。

何とか変えたくて、
「お腹すいたー。ご飯食べいこうよ。」
と言うと、

「確かに俺もお腹すいたー。」

「じゃあちょっと待ってて。
僕着替えてくる!すぐ戻るから何もしないでよー。」
そう言って慌てて部屋に戻る葵。

バタバタと音が聞こえて光と2人で笑いながら待った。


その後要も呼んでみんなで食堂へ行った。



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