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第一章
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「ぼちぼちって…あのぉ…俺はどうしたら良いんでしょうか?まさか?このまま?」
「いやいや、鈴虫よ、脚を開いた立膝で頭を下げる格好しなさい。絶対に入れたまま体位を変えたら駄目だよ。壊れる惧れがあるからね。ほれ、鈴虫、一度抜くから力を入れて。」
「……。」
「お鈴ちゃん?裾で隠れてるから大丈夫だよ。俺が支えてあげるから膝を立ててごらん。」
「……。」
「これ、鈴虫!言った通りにしな…さ…あぁ。はいはい、あっち向いてますよ。仕方ないだろう?お前たち二人とも手順なんて知りはしないのだから。」
鈴虫が無言で嘉平を上目遣いに睨んでいるのに気が付いて、嘉平は仕方なくそっぽを向いた。鈴虫は少し力を入れると佐吉の腰の辺りを軽く押した。離れても良いよの合図のつもりだ。そのまま力を入れて、内臓ごと持っていかれてしまうような感覚に耐えなければならない。やはり一つ一つの所作が苦しそうだ。
「気を付けることがいっぱいあるんだ。とにかく冷静に頼むよ。怪我は絶対に駄目だ。まず、あんまり奥まで突いちゃいけない。出来れば瘤を狙って扱いて遣ってくれ。それと、腰骨を手でしっかり支えて、あんまり揺す振らないようにしてやること。頭があんまり揺れると吐き気がしてくるからな。さ、遣ってごらん。」
鈴虫は尻を突き出す胸膝位の姿勢はどうも気に食わないらしく、重ねた手の甲に額を押し付けたままじっとしている。佐吉は何だか少し申し訳ない気がして、「は、はい。じゃ、お邪魔します。」と何故か一礼してから体を埋めていった。鈴虫の呼吸に意識を傾け、ゆっくりと抽挿を始める。
すると瞬く間に、熱く蕩ける幾筋もの襞が纏わり着き、体感した事のない刺激が脳天まで突き抜けた。
「うっ、うそだろう…俺が自分で扱く時の比にならねぇ。良過ぎるよ…。」
「あっ、ん……ん…」
「お鈴ちゃん、この辺りまで痺れが走るのかい?俺もすっごい痺れるみたい…頭の中まで…」
佐吉はゆるゆると腰を動かしながら腰骨から背中の辺りを擦ってやった。鈴虫は息遣いの合間に切ない声を押し込めながら、体に迎え入れた熱い男の昂ぶりを感じた。緩慢な動きであるが故、内臓がせり上がる感覚と引き摺り出される様な感覚を余計にはっきりと感じる。加えて、腰に触れる手のひらが甘い痺れを体中に拡散しているようだ。
「ああっ、あ…ここはどうかな…ここ、ちょっと硬い瘤みたいなところ?上向いてるモノで下にあるモノ擦るのは難しい…なぁ…。」
佐吉は初めてのことで、どうにもぎこちない動きになってしまっているが、言われたとおりに瘤の付近に当るように押し付けてみる。するとどうだろう、鈴虫の指に力が入り、布団に爪を立てて一層苦しげになってしまった。相手が自分の享受している快楽とまるで正反対の場所に居る様で心配になってくる。
「お鈴ちゃん、あぁっ…ごめんね…いやだったね、ごめん、ごめん…んっ…」
正直なところ、全く余裕なんてものは無かった。しかし、佐吉は自分だけが良ければいいというのは性に合わないのだ。出来れば自分と同じくらいの快楽を鈴虫にも知ってもらいたい。それが叶わないのであれば、せめて苦しみだけは与えたくない。どうすれば良いのだろうか。何の手管も知らない自分が嘆かわしい。
「佐吉、大振りに腰を振らず、丁寧に押し込むように腰を使ってみなさい。鈴虫よ、苦しいばっかりで良くないのなら少し休もうか?」
どうにも上手くいかない二人を見かねて嘉平が口を出した。しかし鈴虫は合図を出してこない。ということは続行しても構わないということだ。佐吉は嘉平に言われた通りに一回ごとの抽挿の振り幅を狭めてみる。それだけで無駄な上半身のブレが無くなり安定感が出てきた。次第に規則的な律動が快楽の波を作り出してゆく。
「す、すまねぇ…あっ…駄目だ、俺、で、出…あっ、出してぇ…はぁ…」
「まぁ、そんなもんだわ。最初の相手が鈴虫じゃ長持ちさせろって言う方が無理だ。佐吉、とりあえず一度最後まで遣っておしまいなさい。お前が気を遣るまで構わずに。」
「ごめんね、お鈴ちゃん。俺、もう限界かも知れねぇ。堪え性が無くて本当に済まねぇ。」
佐吉の限界は近かった。ここまで来るともう止めることは出来ない。佐吉は鈴虫の体に覆いかぶさると、体の中に眠っていた本能に導かれるがままに愛しい者の体を貪った。熱い息遣いが耳に掛かる。鈴虫は体勢を変えず、ただ突き上げられる衝撃に耐えた。
「おぉっ…すず…すず!あぁぅっ…ん…あぁあっ…すずっ!あぁ……はぁ、はぁ…」
佐吉は何度も何度も鈴虫の名を呼んだ。体の下の小さな背中が愛しくて堪らない。自分は今まで体感した事のない快楽を得ているが、自分と繋がりあっている愛しい人はどうなのだろうか。こちらからでは表情を窺い見ることは叶わない。どうすればこの喜びを伝えられるのだろうか…頭で考えようとしても自分自身が強烈な快楽に呑み込まれていて、その答えには辿り着けなかった。ただ、どんなに快楽に呑み込まれていようとも、それ以上に大事なものがある。それは絶対に忘れてはいけない。佐吉は辛うじて繋ぎとめた理性で鈴虫の体から自身を引き抜いた。鈴虫が驚いて短い悲鳴を上げる。
「すず…大事なんだ…すずが…」
佐吉は自分の手で数回扱きあげると精を放った。露わになった鈴虫の太腿に熱い迸りをぱたぱたと飛び散らせる。
恍惚の時も束の間に、佐吉はまだ落ち着かない息遣いのまま、そっと労わるように襤褸でそれを拭った。
「ばっ、ばか!なんで外に出したんだ!?」
嘉平が慌てた様子で怒鳴った。佐吉はこの場で理由を説明して良いものか迷って口籠もっている。
「…俺は…お鈴ちゃんを傷めるような事は…」
嘉平はそれだけ聞いて佐吉の言いたい事を察した。もしかしたら喜一郎から色々と話を聞かされているのかも知れない。
「誰からどんな入れ知恵されているのか知らんが、今はお前が考えているようなことにはならないから大丈夫だ。佐吉、また今度ゆっくりと説明してやるから今日は言う通りにしなさい。」
この場に鈴虫が居ないのであれば言葉にしてはっきりと言ってやりたいのだが、鈴虫本人にも知らせていない事柄がいくつかあって、奥歯にものの挟まったような言い方になってしまった。
「おい!鈴虫や、大丈夫なのかい?しっかりしなさい。」
鈴虫は同じ体勢のまま体を強張らせていたせいなのか手足が震えて上手く伸ばさせなくなっていた。嘉平の手を借りながら二人掛りで仰向けに寝かせてやった。しかし、その震えはなかなか止まらない。佐吉は心配で堪らなくなった。傍らに横たわり瞳を覗き込むと、ほんの少しだけ口元を緩めてくれた。
「とりあえず一回、辛抱して乗り越えたって感じだろう?ちっとも気色良いもんじゃない。痺れたような感じはするけれど、それをどうやって高めていくのか分からなかったよなぁ?なぁ、鈴虫や。」
鈴虫は図星を突かれて返事も出来なかった。
「佐吉、二回目、すぐに出来そうか?それとも少し休むか?」
「は?」
「ん、だから、二回目だよ。」
「え?」
「喜一郎の代わりに鈴虫を仕込むんだよな。仕込むの!お前が良い思いするのが目的じゃないってわかってるか?」
「えぇぇぇっ!?喜一郎の代わりって…はぁ。え……」
「一回入ったから次はもう少し楽になるはずだ。前から遣ってみたらどうだね?今度はちゃんと情けを注いであげるんだよ。ほれ、脚を支えてやってくれ。」
嘉平が横から手を出して鈴虫の着物の裾を肌蹴させた。
「いやいや、鈴虫よ、脚を開いた立膝で頭を下げる格好しなさい。絶対に入れたまま体位を変えたら駄目だよ。壊れる惧れがあるからね。ほれ、鈴虫、一度抜くから力を入れて。」
「……。」
「お鈴ちゃん?裾で隠れてるから大丈夫だよ。俺が支えてあげるから膝を立ててごらん。」
「……。」
「これ、鈴虫!言った通りにしな…さ…あぁ。はいはい、あっち向いてますよ。仕方ないだろう?お前たち二人とも手順なんて知りはしないのだから。」
鈴虫が無言で嘉平を上目遣いに睨んでいるのに気が付いて、嘉平は仕方なくそっぽを向いた。鈴虫は少し力を入れると佐吉の腰の辺りを軽く押した。離れても良いよの合図のつもりだ。そのまま力を入れて、内臓ごと持っていかれてしまうような感覚に耐えなければならない。やはり一つ一つの所作が苦しそうだ。
「気を付けることがいっぱいあるんだ。とにかく冷静に頼むよ。怪我は絶対に駄目だ。まず、あんまり奥まで突いちゃいけない。出来れば瘤を狙って扱いて遣ってくれ。それと、腰骨を手でしっかり支えて、あんまり揺す振らないようにしてやること。頭があんまり揺れると吐き気がしてくるからな。さ、遣ってごらん。」
鈴虫は尻を突き出す胸膝位の姿勢はどうも気に食わないらしく、重ねた手の甲に額を押し付けたままじっとしている。佐吉は何だか少し申し訳ない気がして、「は、はい。じゃ、お邪魔します。」と何故か一礼してから体を埋めていった。鈴虫の呼吸に意識を傾け、ゆっくりと抽挿を始める。
すると瞬く間に、熱く蕩ける幾筋もの襞が纏わり着き、体感した事のない刺激が脳天まで突き抜けた。
「うっ、うそだろう…俺が自分で扱く時の比にならねぇ。良過ぎるよ…。」
「あっ、ん……ん…」
「お鈴ちゃん、この辺りまで痺れが走るのかい?俺もすっごい痺れるみたい…頭の中まで…」
佐吉はゆるゆると腰を動かしながら腰骨から背中の辺りを擦ってやった。鈴虫は息遣いの合間に切ない声を押し込めながら、体に迎え入れた熱い男の昂ぶりを感じた。緩慢な動きであるが故、内臓がせり上がる感覚と引き摺り出される様な感覚を余計にはっきりと感じる。加えて、腰に触れる手のひらが甘い痺れを体中に拡散しているようだ。
「ああっ、あ…ここはどうかな…ここ、ちょっと硬い瘤みたいなところ?上向いてるモノで下にあるモノ擦るのは難しい…なぁ…。」
佐吉は初めてのことで、どうにもぎこちない動きになってしまっているが、言われたとおりに瘤の付近に当るように押し付けてみる。するとどうだろう、鈴虫の指に力が入り、布団に爪を立てて一層苦しげになってしまった。相手が自分の享受している快楽とまるで正反対の場所に居る様で心配になってくる。
「お鈴ちゃん、あぁっ…ごめんね…いやだったね、ごめん、ごめん…んっ…」
正直なところ、全く余裕なんてものは無かった。しかし、佐吉は自分だけが良ければいいというのは性に合わないのだ。出来れば自分と同じくらいの快楽を鈴虫にも知ってもらいたい。それが叶わないのであれば、せめて苦しみだけは与えたくない。どうすれば良いのだろうか。何の手管も知らない自分が嘆かわしい。
「佐吉、大振りに腰を振らず、丁寧に押し込むように腰を使ってみなさい。鈴虫よ、苦しいばっかりで良くないのなら少し休もうか?」
どうにも上手くいかない二人を見かねて嘉平が口を出した。しかし鈴虫は合図を出してこない。ということは続行しても構わないということだ。佐吉は嘉平に言われた通りに一回ごとの抽挿の振り幅を狭めてみる。それだけで無駄な上半身のブレが無くなり安定感が出てきた。次第に規則的な律動が快楽の波を作り出してゆく。
「す、すまねぇ…あっ…駄目だ、俺、で、出…あっ、出してぇ…はぁ…」
「まぁ、そんなもんだわ。最初の相手が鈴虫じゃ長持ちさせろって言う方が無理だ。佐吉、とりあえず一度最後まで遣っておしまいなさい。お前が気を遣るまで構わずに。」
「ごめんね、お鈴ちゃん。俺、もう限界かも知れねぇ。堪え性が無くて本当に済まねぇ。」
佐吉の限界は近かった。ここまで来るともう止めることは出来ない。佐吉は鈴虫の体に覆いかぶさると、体の中に眠っていた本能に導かれるがままに愛しい者の体を貪った。熱い息遣いが耳に掛かる。鈴虫は体勢を変えず、ただ突き上げられる衝撃に耐えた。
「おぉっ…すず…すず!あぁぅっ…ん…あぁあっ…すずっ!あぁ……はぁ、はぁ…」
佐吉は何度も何度も鈴虫の名を呼んだ。体の下の小さな背中が愛しくて堪らない。自分は今まで体感した事のない快楽を得ているが、自分と繋がりあっている愛しい人はどうなのだろうか。こちらからでは表情を窺い見ることは叶わない。どうすればこの喜びを伝えられるのだろうか…頭で考えようとしても自分自身が強烈な快楽に呑み込まれていて、その答えには辿り着けなかった。ただ、どんなに快楽に呑み込まれていようとも、それ以上に大事なものがある。それは絶対に忘れてはいけない。佐吉は辛うじて繋ぎとめた理性で鈴虫の体から自身を引き抜いた。鈴虫が驚いて短い悲鳴を上げる。
「すず…大事なんだ…すずが…」
佐吉は自分の手で数回扱きあげると精を放った。露わになった鈴虫の太腿に熱い迸りをぱたぱたと飛び散らせる。
恍惚の時も束の間に、佐吉はまだ落ち着かない息遣いのまま、そっと労わるように襤褸でそれを拭った。
「ばっ、ばか!なんで外に出したんだ!?」
嘉平が慌てた様子で怒鳴った。佐吉はこの場で理由を説明して良いものか迷って口籠もっている。
「…俺は…お鈴ちゃんを傷めるような事は…」
嘉平はそれだけ聞いて佐吉の言いたい事を察した。もしかしたら喜一郎から色々と話を聞かされているのかも知れない。
「誰からどんな入れ知恵されているのか知らんが、今はお前が考えているようなことにはならないから大丈夫だ。佐吉、また今度ゆっくりと説明してやるから今日は言う通りにしなさい。」
この場に鈴虫が居ないのであれば言葉にしてはっきりと言ってやりたいのだが、鈴虫本人にも知らせていない事柄がいくつかあって、奥歯にものの挟まったような言い方になってしまった。
「おい!鈴虫や、大丈夫なのかい?しっかりしなさい。」
鈴虫は同じ体勢のまま体を強張らせていたせいなのか手足が震えて上手く伸ばさせなくなっていた。嘉平の手を借りながら二人掛りで仰向けに寝かせてやった。しかし、その震えはなかなか止まらない。佐吉は心配で堪らなくなった。傍らに横たわり瞳を覗き込むと、ほんの少しだけ口元を緩めてくれた。
「とりあえず一回、辛抱して乗り越えたって感じだろう?ちっとも気色良いもんじゃない。痺れたような感じはするけれど、それをどうやって高めていくのか分からなかったよなぁ?なぁ、鈴虫や。」
鈴虫は図星を突かれて返事も出来なかった。
「佐吉、二回目、すぐに出来そうか?それとも少し休むか?」
「は?」
「ん、だから、二回目だよ。」
「え?」
「喜一郎の代わりに鈴虫を仕込むんだよな。仕込むの!お前が良い思いするのが目的じゃないってわかってるか?」
「えぇぇぇっ!?喜一郎の代わりって…はぁ。え……」
「一回入ったから次はもう少し楽になるはずだ。前から遣ってみたらどうだね?今度はちゃんと情けを注いであげるんだよ。ほれ、脚を支えてやってくれ。」
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