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1章
プロローグ
しおりを挟む「あ……あぁ……」
狭い密室の中に、見渡す限りの肉がひしめいていた。
むせかえる濃厚なメスの香り。
十人……二十人……いや、視界に入りきらないだけで部屋の中にはもっと大勢の全裸の女性がいる。
「ぁ……♡ ……うぅ……♡」
全裸で横たわる僕を、息がかかるほど近くで囲む美女たち。
みんな一様に待ちきれないとばかりに、号令がかかるのを待っている。
「たすけ、て……♡」
怖い。怖い。怖い。
今から、僕は彼女たちに貪られる。
数秒後には僕の人生と精神は狂うだろう。
この世で誰も感じたことのないような恐ろしい快楽の中で、僕は彼女らに貪られるだけの精液袋と化すだろう。
……なのに、僕の股間はその瞬間を待ちわびていきり立っていた。
もう……僕もとっくに正気じゃなかったんだ。
このクラブを甘く見ていた。
いろいろと理由をつけながら、僕は結局自分の快楽のためにこのクラブに通い……そして絶対に踏み入ってはいけない深さまで引きずり込まれてしまっていた。
『――よし』
まるで犬に餌を食べることを許可するように、その号令は放たれた。
その瞬間、僕になだれ込んできた女性たちの肉で視界が塞がれ……一秒後、全身のあらゆる箇所から流れ込んできた快楽に、僕は絶叫しながら射精した。
――もう後悔しても遅い。
僕は踏み入るべきじゃなかったんだ。
この、サキュバスクラブに。
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