サキュバスクラブ~最高ランクの精気を持つボクは無数の淫魔に狙われ貪られる~

ウケのショウタ

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6章

6章52話 公園

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「うわあ……」

 僕はシャリアーデさんに連れられて公園に来ていた。
 輝く日差しに、鳥たちの声。辺り一面生い茂る緑の木々たちが眩しかった。

「こちらは、本来であれば本日清太様の接待に使おうとご用意していたVIPルームでございます」

 隣に佇むシャリアーデさんがそう告げる。
 確かに凄く開けた場所だし、周囲には大勢の子供連れの家族が見える。
 こういう開放的な場所なら搾精も捗るだろう。

「あの、でも……」
「ご安心ください。クラブポイントは約束通り加算させていただきます。通常のイメクラ施設ではおそらくまともな、――――サービスのご提供に支障が出ると判断し、こちらの部屋を使うことにいたしました」

 シャリアーデさんには珍しくなにか言葉を濁すような言い方だった。
 でも今僕に必要なのは、詩織先輩のことを調べるためのクラブポイントだ。
 それが約束されてるなら、方法はシャリアーデさんに任せよう。


「――ごめんなさーい、お待たせしましたー」


 不意に後ろからそんな声が聞こえてきた。
 振り返ると、目の覚めるような真っ赤なロングヘアの女性がこちらに歩み寄ってきていた。

「すみませんシャリアーデさん、ちょっと手間取っちゃって」
「お気になさらず、ユメノさん。急にお呼び立てしたのはこちらですので。こちらのお客様の説明は必要ありませんね?」
「もちろん。こんにちは清太君♡」
「こんにちは、ユメノさん」

 この人は僕の恋人のユメノさん。
 家が隣同士で、子供の頃からの幼馴染。将来を約束し合った関係だ。
 僕の初体験の相手で、ほとんど毎日セックスしている。

「清太様、こちらがこれから清太様の接客を担当させていただく、イメクラ施設の担当者です。説明は彼女からお聞きください。それでユメノさん、よろしくお願いいたしますね」
「はい、分かりました!」
「――分かっていらっしゃると思いますが、こちらの清太様は少々特殊なお立場にあるお方です。くれぐれも、ブロンズランクのキャストの方々と直接顔を合わせることのないようにお願いいたしますね」
「はい! お任せください!」
「ではわたくしは管理局への申請作業を行います。魔法を使用するのでいつもより面倒ですが……まあ終わるころにはポイントも貯まっているでしょう」

 シャリアーデさんはそう言い残して、公園から去っていった。

「それじゃあ立ち話もなんですし座りましょうか」
「そうですね」

 ユメノさんに促されるままに、僕たちは公園のベンチに腰掛けた。
 左隣にいるユメノさんの右手が、そっと僕の左太ももに添えられる。

「それじゃあこのクラブのイメクラの説明をするね。私たちがサキュバスだっていうのはもう知ってるよね?」
「は、はい」
「サキュバスはいろんな魔法を使えるんだけど、私が得意なのは幻覚・催眠魔法なの」
「幻覚、催眠……」

 催眠っていうと、あの五円玉を揺らして、眠たくなーる、みたいなあれのこと……?

「私の催眠を受けると、現実ではありえないようなシチュエーションや設定なんかも違和感なく受け入れられるようになるの。それで、現実では味わえない特殊なイメージプレイを楽しめるってわけ! 凄いでしょ?」
「そ、そうですね……」

 凄いでしょと言われても、どういうものなのか今の僕にはわからない。
 そんな僕の胸中を察したのか、ユメノさんは楽しそうにニコリと笑った。

「論より証拠! 早速、実際に君に魔法をかけちゃうね?」
「は、はい。お願いします」
「じゃあ私の目をじーっと見て?」
「……」

 ユメノさんの綺麗な瞳をじっと見つめていると、吸い込まれそうになる。
 そのまましばらくじっとしていると、ボーっと意識が薄れていくような感覚があって……でも、それだけだ。
 何か自分の身体に異常があるようには感じないし、催眠というのにかかった気もしない。

「……えっと」
「ん? もう終わったよ? バッチリ催眠完了!」
「え……? じゃあ、僕はどういう催眠を受けたんですか?」
「むしろ、何か違和感ない?」
「いえ、何も……」
「そう? 君は今どこにいる?」
「どこって……」

 周囲を見回す。
 さっきまでと変わらず、昼の公園のベンチに座っている。
 明るい陽射し。子供たちが楽しそうに駆け回る声。生い茂った緑の木々が風で揺れる音。

 ……おかしな点はなにも見当たらない。

「公園、ですよね?」
「私たちってどういう関係なんだっけ?」
「え? 恋人、ですよね? 僕たちは幼馴染で、子供の頃から両思いで……」
「……くっ、ぷ、くく……そ、そうだったねー」

 何がおかしいのか、ユメノさんは眉を八の字に歪めながらニヤニヤとした笑みを僕に向けていた。

「恋人同士なら、エッチするのは当然だよね? ここでしてもいい?」
「え、ここでですか?」
「うん。別にいいよね? 恋人同士が公園でエッチするなんてよくあることでしょ?」

 ――――――――
 ……確かにそうだ。
 周囲を見ても芝生の上でセックスしている恋人たちはたくさんいる。というか、よく見ればあたり一面裸の男女ばかりで、誰も彼もセックスしていた。
 昼の公園に響き渡り幾重にも木霊する男女の嬌声。
 そこに僕たちのものが加わることくらい、何もおかしなことじゃない。

「ね、キスしよっか」
「はい。お願いします」

 そっと重ねられる唇。
 僕はユメノさんにそっとベンチに押し倒された。

「んっ……♡」

 恋人同士の甘いキス。
 ユメノさんとは毎日セックスしてるけど、いつしても気持ちよくて、このまま最後まで……


「――っていう感じかな」


 パチンッ、とユメノさんが指を鳴らすと、僕は数回の瞬きをしたあとぼんやりと周囲を見回した。

「……あ、れ……?」

 公園……青姦……いや、違う……ここはクラブの……。
 ベッドの上に横たわる僕に覆いかぶさり、楽しそうに見下ろすユメノさん。

「次はどんな夢が見たい?」

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