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第2.5話 フーリ・リーフの話
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◾️フーリ視点
「ふぅ、何とかなったか、もうあの子は大丈夫だよ。フーリ」
私は姉であるフーリに心で伝えた。
すると、
(ええ、そう見たいですね、良かったー)
ホッとしている気がする。私たちは心の中で会話をする。そして、1つの体に2人で入っているため、お互いの感情がよく分かる。フーリは凄く安心しているみたい。
「それにしても、あの子最初絶望したような目してたわ、そんなあの子をあの世界へ送って大丈夫なの?」
私は少し心配だった。今までここに来た人たちを見てきたけれど、あんなにも心が壊れかけていた人を見たことはない。大体ここに来る人たちは皆んな自分の人生に満足している人が多いから。
(大丈夫だと思うよ?まあ、あの世界はちょっと暗いし、それに、あの子が入る予定の体の子は結構酷い目に遭ってたみたいだし)
「なら、どうして…」
(見てみたいと思ったのよ…あんなにも悲しい人生を歩んでいた子が、あの世界で、どう成長するのか、腐っている人生に嘆いて、自ら命を断つ様なことをするのか、それとも、反骨精神で何が何でもがむしゃらに努力するのか、その選択をするまで、見ていたい…そう思ったのよ)
本当に彼のことを考えているんだね。
だから…
「だから、あの力を与えたのね」
(ええ、彼なら使いこなせると思うから)
「まあ、私も見てみたいわ、だってイレギュラーじゃない?この場所にあんな不幸な子が来るなんて、しかもその不幸は彼が無意識に自分で起こしてたなんて…何とか、誤魔化したけれど…てか私たちの所為にしちゃったけれど…」
そう、彼には変な力があった、それは、他の人よりも不幸になる力だ。これは、ただ自分が不幸になるのではない、石神が不幸になればなるほど、彼の周りが幸福に変わるのだ。彼はそのことに気づいていなかった。彼の力は不幸にするためなら、相手の意思も無視するらしい。だから、彼の母親はあんなことを言ってしまったのだ。彼女の心の中では、酷いことは言っていなかった。言いたくない言葉を次々と彼に浴びせた。そして、それに耐えきれなくなった彼女が、これ以上石神を傷つけたくなくて、追い出したらしい。彼は本当に不幸な子だ。
「まあ、フーリが彼のことを気にするのは、分かるけれどねー、だからこそ、彼に不幸な力を取り除いて、その代わりに新しい力を与えたのよね?」
(ええ、そうしないと、彼、自分を保てなかったはずだから…でも、その力を発現させるために…私は…)
フーリが泣いている。それが伝わってきた。
「そうだね、私たちは彼に酷いことしかしてないね、でも、あの力が発現すれば、きっと彼は幸せになれるよ、きっと必ず」
(…そうだね、そうあってほしい、あの子だけは…絶対、でも…)
「全くフーリはー泣き虫だねー、石神は大丈夫だって、何よりさ…」
「私たちを命がけで助けてくれた男の子だよ?刺されそうになってた私たちをよ?」
(そうね、あんなにも勇敢な人なら大丈夫よね?いいえ、大丈夫だと思うことにするわ。それに彼が本当に危険なことになってしまったら、私たちの力で助けましょう?それぐらいなら、ペナルティとかも大丈夫でしょ?)
「そうね、そうしましょ…さあ、次の人たちが来るわ、仕事しましょ、彼のことはまた、今度見るってことで」
(ええ!多くの人を幸せにしましょう!それこそが、私たちの仕事よ!)
私たちは彼がいなくなったこの天命の庭で、次に来る死者を送る準備に入った。
彼が無事に幸せな人生を歩んでいることを信じて。
「ふぅ、何とかなったか、もうあの子は大丈夫だよ。フーリ」
私は姉であるフーリに心で伝えた。
すると、
(ええ、そう見たいですね、良かったー)
ホッとしている気がする。私たちは心の中で会話をする。そして、1つの体に2人で入っているため、お互いの感情がよく分かる。フーリは凄く安心しているみたい。
「それにしても、あの子最初絶望したような目してたわ、そんなあの子をあの世界へ送って大丈夫なの?」
私は少し心配だった。今までここに来た人たちを見てきたけれど、あんなにも心が壊れかけていた人を見たことはない。大体ここに来る人たちは皆んな自分の人生に満足している人が多いから。
(大丈夫だと思うよ?まあ、あの世界はちょっと暗いし、それに、あの子が入る予定の体の子は結構酷い目に遭ってたみたいだし)
「なら、どうして…」
(見てみたいと思ったのよ…あんなにも悲しい人生を歩んでいた子が、あの世界で、どう成長するのか、腐っている人生に嘆いて、自ら命を断つ様なことをするのか、それとも、反骨精神で何が何でもがむしゃらに努力するのか、その選択をするまで、見ていたい…そう思ったのよ)
本当に彼のことを考えているんだね。
だから…
「だから、あの力を与えたのね」
(ええ、彼なら使いこなせると思うから)
「まあ、私も見てみたいわ、だってイレギュラーじゃない?この場所にあんな不幸な子が来るなんて、しかもその不幸は彼が無意識に自分で起こしてたなんて…何とか、誤魔化したけれど…てか私たちの所為にしちゃったけれど…」
そう、彼には変な力があった、それは、他の人よりも不幸になる力だ。これは、ただ自分が不幸になるのではない、石神が不幸になればなるほど、彼の周りが幸福に変わるのだ。彼はそのことに気づいていなかった。彼の力は不幸にするためなら、相手の意思も無視するらしい。だから、彼の母親はあんなことを言ってしまったのだ。彼女の心の中では、酷いことは言っていなかった。言いたくない言葉を次々と彼に浴びせた。そして、それに耐えきれなくなった彼女が、これ以上石神を傷つけたくなくて、追い出したらしい。彼は本当に不幸な子だ。
「まあ、フーリが彼のことを気にするのは、分かるけれどねー、だからこそ、彼に不幸な力を取り除いて、その代わりに新しい力を与えたのよね?」
(ええ、そうしないと、彼、自分を保てなかったはずだから…でも、その力を発現させるために…私は…)
フーリが泣いている。それが伝わってきた。
「そうだね、私たちは彼に酷いことしかしてないね、でも、あの力が発現すれば、きっと彼は幸せになれるよ、きっと必ず」
(…そうだね、そうあってほしい、あの子だけは…絶対、でも…)
「全くフーリはー泣き虫だねー、石神は大丈夫だって、何よりさ…」
「私たちを命がけで助けてくれた男の子だよ?刺されそうになってた私たちをよ?」
(そうね、あんなにも勇敢な人なら大丈夫よね?いいえ、大丈夫だと思うことにするわ。それに彼が本当に危険なことになってしまったら、私たちの力で助けましょう?それぐらいなら、ペナルティとかも大丈夫でしょ?)
「そうね、そうしましょ…さあ、次の人たちが来るわ、仕事しましょ、彼のことはまた、今度見るってことで」
(ええ!多くの人を幸せにしましょう!それこそが、私たちの仕事よ!)
私たちは彼がいなくなったこの天命の庭で、次に来る死者を送る準備に入った。
彼が無事に幸せな人生を歩んでいることを信じて。
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