この世界の思い、始まりは変わらない 少年がゲームの世界で音楽無双？！音楽で人々も友達も、ヒロインもみんな笑顔にしてみせます！！！

第11話 その後

家族の悲劇があってから、6年が経った。
俺は、今、絶賛春休みを満喫中。
俺は、13歳になった。姉さんは18歳、兄さんは17歳、瑠奈は11歳になった。
4人で児童養護施設に住んでいたが、俺が10歳の時、叔母さんと叔父さんに保護者になってもらい、一緒に住むようになった。
叔父さん、叔母さんは母さん達とは違い、俺たちのしたいことをやらせてくれて、俺たちが間違えたら、怒ってくれる、本当の親のように接してくれている。

「玲ー、ご飯よー」
「はーい！今行きまーす」
叔母さんの声に反応して、俺は部屋を出た。
今日のご飯は何かなー？とか思いながら、お昼ご飯を食べに向かった。

俺たちが住んでいる家は古民家で、周りに自然がいっぱいの田舎にある。暑い日はめっちゃ暑いし、寒い日はめっちゃ寒いが、自然に触れながら、過ごすことができるこの場所が、俺は、結構気に入っている。ただ、虫がめっちゃ入ってくるから、その処理がめんどくさいけれど…

「来週から学校よね？」
「え…う、うん」
俺はあの悲劇以降もマスコミとかに追われていて、学校でも、浮くんじゃないか？って不安が結構あった。小学生の頃と同じことになるんじゃないか？って
それに、俺の不安は他にもあった。
それは…

「瑠奈ちゃんも行くのよね？学校」
「……」
叔母さんが瑠奈に話しかけていた。
だが、瑠奈は何も答えなかった。
瑠奈はあの事件以降、マスコミにつけ回され、小学校に入学すると、クラスの子達にいじめられるようになり、心に深い傷を負ってしまった。
ある日突然、喋らなくなり、無表情で過ごすようになってしまった。
感情が抜け落ちてしまったのだろう、笑顔になっていた顔も今では何も感じていない顔になっていた。
「明日、緊張するし、嫌だなって思うかもだけれど、頑張ろ！」
叔母さんが懸命に瑠奈に話しかけていた。
いつか、笑ってくれることを信じて。

姉さんは、大学生になっており、兄さんは高校3年生になっている。2人とも、今でも、ドラムとベースを練習していて、いつか家族でライブできる日を夢見て、努力している。

俺はと言うと、あの日以降、いじめられることがあったが、元々高校生だった小学生のいじめなど、蚊に刺される程度のもので、何にも感じなかったので、ある意味、楽な学校生活をしていた。俺が気にしていないことに気づいたいじめっ子は、面白くないと思ったのだろう、もう何もしてこなくなった。

マスコミについてだが、6年経った今でも、俺たちの行方を追っている人たちがいる。ただ、俺たちを見つけることができずにいるらしい。
何故か…それは…
俺たち[フォクシード]は、あの事件以降、顔を変えることになった。
とはいえ、整形なんて絶対無理だった俺たちは、変装をすることになった。

よって、マスコミが俺たちの行方を追うことは難しかった。

俺は髪が短かったが、それを伸ばし、メガネをかけ、ダサい人間になった。
まあ、元々目立ちたくない人間だったので、地味になることができて、嬉しかった。
姉さんも兄さんも瑠奈も変装して、学校に通うことになった。


お昼ご飯を食べた俺は自分の部屋で考えた。
(来週から中学校かー、2度目の中学生活、どうなることやら…)
俺が考え事をしていると…
「やっぱり来週から学校に行くんだな」
男子の声がして、俺はその人物を見た。
「ああ、行くよーめっちゃ嫌だけれどなー」「ふっ…まあ、その気持ちは分からなくもないが…授業聞けるし、見れるから俺は楽しみだぞ」
「ホンマかよー？なら、俺の代わりに受けてー」
「それは、今、体の所有者はお前なのだから、お前が受けろ！」
「え、所有者なんてすぐ変われるじゃん」
「俺がすぐ拒否るからな」
「嘘だろー、もう一度中学生活するのー？しんど、だる」

話している相手は、元々、この体の所有者、[神城]だ。
彼も成長し、1人称が僕から俺に変わってしまった。僕呼び、可愛かったのに…

「ま、来週が楽しみだよ、とりあえず、絶対友達を作る、コレが俺たちの目標！！」
「はいよ」
来週までダラダラ過ごしていた。