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第20話 夏祭り もう1人の俺
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「し、白鳥くん?!」
花宮さんが驚いていた。だが、驚いているのは、花宮さんだけじゃない。
(え!どゆこと?!)
俺自身も驚いていた。俺の意思に反して、勝手に体が動き出したのだ。しかも、話すことが出来なかった。代わりに話していたのは……
【悪いな石神、ここは俺に任せてもらうぞ?】
(え!神城?!)
もう1人の俺、『神城』の意識が俺と入れ替わったのだ。
「もう一度言うぞ、花宮さんを離せ」
『神城』が怒っていた。
(珍しい、お前が俺と無理やり入れ替わるなんて)
【仕方ないだろ?お前、喧嘩無理じゃん】
(まさか…前のゲームセンターでもお前、力貸してくれたのか?)
【ああ、あの時はまだ、そこまでこっちから干渉することが難しかったがな】
(なるほど、分かった。じゃあ、頼む!)
【ああ、とりあえず、眠っとけ】
(了解)
俺は『神城』に任せて、意識を手放した。
◾️玲 視点 『神城ver』
(寝たようだな)
俺は心の中にいる『石神』の意識を確認した。何も反応が返ってこないため、多分寝たのだと判断した。
(さて、こいつらを倒さねぇとな)
俺は手を握りしめて、構えた。
「あ?何なんだお前、俺らその子に用事があるんだわ、引っ込めよ」
「そっちこそ無理やり連れて行こうとしてんじゃねーよ」
「へぇー俺らとやるってか?俺らが誰か知ってんのかよ?ああ?」
「知らないね!興味もねぇよ!とっととうせろ」
「貴様…!」
1人の男が俺に掴み掛かろうとした。俺はその男の動きが遅く感じた。だから…
「な…!ぐはっ!!」
男を投げ飛ばした。そして、花宮さんの手を掴むと、急いでそこから逃げ出した。
「白鳥くん!」
「すぐ追いつかれる!だから、こっちに逃げよう!!」
「う、うん!」
花宮さんも俺と一緒に走ってくれた。
「な、何とか逃げ切れたか、大丈夫か?花宮さん」
「う、うん…大丈夫」
2人ともヘロヘロだったが、何とか男達から逃げることが出来た。
(ふぅ、それじゃあ、あとは、『石神』に任せよう)
俺は安心したのか、もう1人の俺に後を託して、意識を手放した。
◾️玲 視点 『石神ver』
(ん?戻るのか?)
俺はふと意識が戻される感覚がした。そして、すぐに目の前に花宮さんがいるのに気づいた。
「白鳥くん!大丈夫?」
花宮さんが心配していた。
「え?あ、ああ大丈夫だよ、それより、そっちこそ大丈夫?」
「うん、大丈夫…ってこれさっきも聞いたよー」
花宮さんはおかしそうに笑いながらそう言った。ひとまず無事だったことに俺は安心した。
「よく、あそこが分かったね?」
「ん?…ああ、分かったって言うかー、たまたまだけれど…」
「そうなの?!」
「うん、祭りの会場を走り回って探したから、だから、あのタイミングでたまたま見つかったってだけだよー」
「そうなんだ…でも、ありがとう!本当に助かったよー」
「いやいや、って、そうだ!翔達みんな、花宮さんを探しているんだった!」
「え!そうなの?!」
「3人には……」
「3人って轟くんと神楽坂さんと若葉さん?」
「そう!」
「会ってないよー、会ってたら、あんなことにはなってない」
「そうだよなー、仕方ないとりあえず、みんなに合流しよっか?」
「うん!」
俺たちは祭りの中を歩いて行った。
◾️翔 視点
(くそ!どこにいるんだ?花宮さんは…)
俺は風香と梓と共に花宮さんを探していた。だが、全然見つからなかった。
(どうする?このままじゃあ…)
人が増えてきて、花宮さんを探すのも難しくなってきた。
(どうすれば……ガッ!)
突然俺は知らない誰かとぶつかってしまった。花宮さんを探すのに夢中で前が見えていなかった。
「す、すみません…」
俺はすぐに謝った。すると…
「ここにいたのか、翔」
その声に驚いて俺は顔を上げた。そこには…
「玲!!」
◾️玲 視点
「わ!……いてて…って、ここにいたのか、翔」
俺は知らない誰かとぶつかってしまい、すぐにその人物を見た時だった。その相手が翔だった。
「玲!」
翔が驚いた表情をしていた。翔のそばにはちゃんと若葉さんと神楽坂さんの2人がいた。
「花宮さん見たかったぞ」
「え!」
俺は翔に俺のそばにいる花宮さんを見せた。
「あ…無事だったんだな」
「うん、白鳥くんが来てくれたから」
「花宮さんの居場所分かってたのか?」
「いや、お前らがあまりにも戻ってこなかったから、探しに行ったんだよ」
「そ、そうか、悪い、必死に探しすぎて、時間とか見てなかった。」
「まあ、無事見つかったし、みんなのところに戻ろう」
「分かった」
俺たちは元いた場所に戻った。
「あ!みんなー!」
男子も女子も固まって待ってくれていた。
「ごめんごめん、遅くなった。」
「おいー翔どこまで行ってたんだよー、遅かったから、玲が探しに行ってくれてたんだぞー」
「ごめん…」
「まあ、翔は方向音痴だからなー、神楽坂さん達も無事だな?」
「ええ、大丈夫よ」
「大丈夫です!」
「よし!なら、もうすぐ花火上がるから、見にいこうぜー」
「おう!」
俺たちは花火が見えるところまで移動した。
花火の会場は多くの人が集まっていた。
「うわーこりゃまた迷子になるし、はぐれるぞ?」
「どうする?翔」
「うーん、玲!どうする?」
「俺に回ってきたか、そうだな……ん?あそこの神社見れるくね?花火」
俺が指を指した先には神社があった。そこは花火会場よりも高い場所にあり、あまり人がいなさそうに見えた。
「確かに!あそこに行くか!みんなはどう?」
「いいよー」
「賛成ー」
他のみんなもオッケーが出た。
「よし、なら、あそこに行こう!」
俺たちは神社に移動した。
「階段あるから気をつけて!特に女子!浴衣だから、転ぶなよー!」
俺がみんなに注意をした。俺の隣に国光と新崎がいた。
「なあ、玲ー、お前、なんかあったのか?」
「え?何でそう思うんだ?」
「いや、何と言うか、翔とギクシャクしているような雰囲気したからさ、帰ってきた時」
「そうか?気のせいじゃね?」
「そうか…」
それ以上翔とのことを新崎は聞いてこなかった。
(まあ、なんか、怒ってるっていうか、ショック受けてるような感じだったな…まさかとは思うけれど…花宮さんを…そうなったら、俺邪魔したんじゃん!!やばい……バットエンドは嫌だぞ!!)
俺は内心ヒヤヒヤしていた。
◾️翔 視点
何なんだろう…さっきから、心がざわつく。
(何でこんな気持ちになるんだよ……)
俺が花宮さんを探していたのだが、後で探し出した玲が花宮さんを先に見つけていた。それが分かった時、(何でお前が…)って思ってしまった。俺と同じように探しに行ってくれただけなのに……
(俺、性格悪いのかな?はぁ……玲の顔見れねぇ…俺は…)
心の中がモヤモヤして、苦しかった。
その時、
「大丈夫?翔くん」
「風香…うん、大丈夫」
風香が俺の異変に気づいたんだろう、心配してくれていた。大丈夫と答えたが、内心は大丈夫ではなかった。
(とりあえず、今はこの夏祭りを楽しまないと!)
俺は気持ちを切り替えることにした。
◾️玲 視点
花火が上がるまでまだ、少し時間があったため、俺は新崎と談笑していた。
「玲はバスケとかしたことあるか?」
「流石にあるよそりゃあ、体育の授業とかでやったことあるよ」
「なるほどね、なら、今度の球技大会が楽しみだわ」
「あー、なんか、確か、文化祭と体育祭の前に前夜祭的な感じで球技大会とかあるんだっけ?」
「そう!そこでバスケを俺はやるつもりだけれど、玲もバスケやろうぜー、ほんで光輝と翔もバスケ入って、いいメンツになりそうー」
「おいおい、まだやるなんて言ってないんだが?」
「あはは!まあまあ、その時になったら、無理やりにでも入れてやるから!」
「おい!やめろやめろ!無理やり入れるんじゃない!…全く、勘弁してくれ」
「あははは!!やっぱり面白いや!玲は、ま、これからもよろしく頼むぜー」
「ああ…」
俺と新崎が談笑している間、他のみんなは何していたかと言うと…
「花火ってさ実は球体に弾けるんだってー知ってた?」
「え!そうなの?!」
「いや、元々球体だったんだから、当たり前でしょ?」
「もう!梓ちゃん!正論言っちゃいけないよー」
若葉さんと神楽坂さん、そして、女子メンで楽しそうに話していた。
翔はと言うと…
「ごめんなー花宮さんすぐに見つけることが出来なくて」
「ううん、大丈夫…ありがとう、探してくれて」
「いや、俺が誘ったんだし、一応ね?」
「ふふふ…それでもありがとう」
花宮さんにありがとうって言われて、嬉しそうだった。
(ふむ、何とかなりそうかな?まあ、俺があまり踏み込みすぎないようにしないとな…)
俺は翔と花宮さんがくっつくように仕向けることを誓った。
◾️桜 視点
今日はドキドキすることがあった。
夏祭りに来たのに、みんなと会えなくて、困っていたら、怖そうな男の人たちに囲まれて、連れていかれそうになって、でも、白鳥くんが助けてくれて、今、みんなと一緒に花火が見れてます。
(どうなることかと思ったけれど…白鳥くんが助けてくれたから…危なかった…)
私は少し怖かったけれど、白鳥くんを見て、少し安心したんだ。
私は向こうの方で男子と話している白鳥くんを見た。
楽しそうに男子と話していて、その姿に心が温かくなった。
(私…白鳥くんといると安心するんだ…ホッとするんだ…何でかな?)
私は自分に質問した。きっと自分のことだから、答えはもう出てると思う。けれど、私はまだ、その気持ちがはっきりと分かるわけじゃなかった。
だから、確かめていこうと思った。この気持ちの正体が本当にアレなのかどうかを……
好きって言う気持ちなのかを…
◾️玲 視点
ドーーーンッ!!
「お!始まった!」
みんなが空を見上げた。大きな花火が空に咲いた。
「たーーーまーーーやーーーー!!」
新崎が大きな声で叫んだ。
「ほら!玲もやろうぜ!」
「分かったよー」
俺は思いっきり息を吸って…
「たーーーまーーーやーーーー!!」
夜空に俺の声が響いた。夏が始まるってそう思った。
※あとがき
いやー夏休み、一発目のイベントは夏祭り!でしたねー
花宮さんを見事救出!『神城』くんは喧嘩強いんだねー
翔くんと玲くんのこれからの関係…一体どうなるのか…
次回、ドキドキ追跡?!
お楽しみに!
花宮さんが驚いていた。だが、驚いているのは、花宮さんだけじゃない。
(え!どゆこと?!)
俺自身も驚いていた。俺の意思に反して、勝手に体が動き出したのだ。しかも、話すことが出来なかった。代わりに話していたのは……
【悪いな石神、ここは俺に任せてもらうぞ?】
(え!神城?!)
もう1人の俺、『神城』の意識が俺と入れ替わったのだ。
「もう一度言うぞ、花宮さんを離せ」
『神城』が怒っていた。
(珍しい、お前が俺と無理やり入れ替わるなんて)
【仕方ないだろ?お前、喧嘩無理じゃん】
(まさか…前のゲームセンターでもお前、力貸してくれたのか?)
【ああ、あの時はまだ、そこまでこっちから干渉することが難しかったがな】
(なるほど、分かった。じゃあ、頼む!)
【ああ、とりあえず、眠っとけ】
(了解)
俺は『神城』に任せて、意識を手放した。
◾️玲 視点 『神城ver』
(寝たようだな)
俺は心の中にいる『石神』の意識を確認した。何も反応が返ってこないため、多分寝たのだと判断した。
(さて、こいつらを倒さねぇとな)
俺は手を握りしめて、構えた。
「あ?何なんだお前、俺らその子に用事があるんだわ、引っ込めよ」
「そっちこそ無理やり連れて行こうとしてんじゃねーよ」
「へぇー俺らとやるってか?俺らが誰か知ってんのかよ?ああ?」
「知らないね!興味もねぇよ!とっととうせろ」
「貴様…!」
1人の男が俺に掴み掛かろうとした。俺はその男の動きが遅く感じた。だから…
「な…!ぐはっ!!」
男を投げ飛ばした。そして、花宮さんの手を掴むと、急いでそこから逃げ出した。
「白鳥くん!」
「すぐ追いつかれる!だから、こっちに逃げよう!!」
「う、うん!」
花宮さんも俺と一緒に走ってくれた。
「な、何とか逃げ切れたか、大丈夫か?花宮さん」
「う、うん…大丈夫」
2人ともヘロヘロだったが、何とか男達から逃げることが出来た。
(ふぅ、それじゃあ、あとは、『石神』に任せよう)
俺は安心したのか、もう1人の俺に後を託して、意識を手放した。
◾️玲 視点 『石神ver』
(ん?戻るのか?)
俺はふと意識が戻される感覚がした。そして、すぐに目の前に花宮さんがいるのに気づいた。
「白鳥くん!大丈夫?」
花宮さんが心配していた。
「え?あ、ああ大丈夫だよ、それより、そっちこそ大丈夫?」
「うん、大丈夫…ってこれさっきも聞いたよー」
花宮さんはおかしそうに笑いながらそう言った。ひとまず無事だったことに俺は安心した。
「よく、あそこが分かったね?」
「ん?…ああ、分かったって言うかー、たまたまだけれど…」
「そうなの?!」
「うん、祭りの会場を走り回って探したから、だから、あのタイミングでたまたま見つかったってだけだよー」
「そうなんだ…でも、ありがとう!本当に助かったよー」
「いやいや、って、そうだ!翔達みんな、花宮さんを探しているんだった!」
「え!そうなの?!」
「3人には……」
「3人って轟くんと神楽坂さんと若葉さん?」
「そう!」
「会ってないよー、会ってたら、あんなことにはなってない」
「そうだよなー、仕方ないとりあえず、みんなに合流しよっか?」
「うん!」
俺たちは祭りの中を歩いて行った。
◾️翔 視点
(くそ!どこにいるんだ?花宮さんは…)
俺は風香と梓と共に花宮さんを探していた。だが、全然見つからなかった。
(どうする?このままじゃあ…)
人が増えてきて、花宮さんを探すのも難しくなってきた。
(どうすれば……ガッ!)
突然俺は知らない誰かとぶつかってしまった。花宮さんを探すのに夢中で前が見えていなかった。
「す、すみません…」
俺はすぐに謝った。すると…
「ここにいたのか、翔」
その声に驚いて俺は顔を上げた。そこには…
「玲!!」
◾️玲 視点
「わ!……いてて…って、ここにいたのか、翔」
俺は知らない誰かとぶつかってしまい、すぐにその人物を見た時だった。その相手が翔だった。
「玲!」
翔が驚いた表情をしていた。翔のそばにはちゃんと若葉さんと神楽坂さんの2人がいた。
「花宮さん見たかったぞ」
「え!」
俺は翔に俺のそばにいる花宮さんを見せた。
「あ…無事だったんだな」
「うん、白鳥くんが来てくれたから」
「花宮さんの居場所分かってたのか?」
「いや、お前らがあまりにも戻ってこなかったから、探しに行ったんだよ」
「そ、そうか、悪い、必死に探しすぎて、時間とか見てなかった。」
「まあ、無事見つかったし、みんなのところに戻ろう」
「分かった」
俺たちは元いた場所に戻った。
「あ!みんなー!」
男子も女子も固まって待ってくれていた。
「ごめんごめん、遅くなった。」
「おいー翔どこまで行ってたんだよー、遅かったから、玲が探しに行ってくれてたんだぞー」
「ごめん…」
「まあ、翔は方向音痴だからなー、神楽坂さん達も無事だな?」
「ええ、大丈夫よ」
「大丈夫です!」
「よし!なら、もうすぐ花火上がるから、見にいこうぜー」
「おう!」
俺たちは花火が見えるところまで移動した。
花火の会場は多くの人が集まっていた。
「うわーこりゃまた迷子になるし、はぐれるぞ?」
「どうする?翔」
「うーん、玲!どうする?」
「俺に回ってきたか、そうだな……ん?あそこの神社見れるくね?花火」
俺が指を指した先には神社があった。そこは花火会場よりも高い場所にあり、あまり人がいなさそうに見えた。
「確かに!あそこに行くか!みんなはどう?」
「いいよー」
「賛成ー」
他のみんなもオッケーが出た。
「よし、なら、あそこに行こう!」
俺たちは神社に移動した。
「階段あるから気をつけて!特に女子!浴衣だから、転ぶなよー!」
俺がみんなに注意をした。俺の隣に国光と新崎がいた。
「なあ、玲ー、お前、なんかあったのか?」
「え?何でそう思うんだ?」
「いや、何と言うか、翔とギクシャクしているような雰囲気したからさ、帰ってきた時」
「そうか?気のせいじゃね?」
「そうか…」
それ以上翔とのことを新崎は聞いてこなかった。
(まあ、なんか、怒ってるっていうか、ショック受けてるような感じだったな…まさかとは思うけれど…花宮さんを…そうなったら、俺邪魔したんじゃん!!やばい……バットエンドは嫌だぞ!!)
俺は内心ヒヤヒヤしていた。
◾️翔 視点
何なんだろう…さっきから、心がざわつく。
(何でこんな気持ちになるんだよ……)
俺が花宮さんを探していたのだが、後で探し出した玲が花宮さんを先に見つけていた。それが分かった時、(何でお前が…)って思ってしまった。俺と同じように探しに行ってくれただけなのに……
(俺、性格悪いのかな?はぁ……玲の顔見れねぇ…俺は…)
心の中がモヤモヤして、苦しかった。
その時、
「大丈夫?翔くん」
「風香…うん、大丈夫」
風香が俺の異変に気づいたんだろう、心配してくれていた。大丈夫と答えたが、内心は大丈夫ではなかった。
(とりあえず、今はこの夏祭りを楽しまないと!)
俺は気持ちを切り替えることにした。
◾️玲 視点
花火が上がるまでまだ、少し時間があったため、俺は新崎と談笑していた。
「玲はバスケとかしたことあるか?」
「流石にあるよそりゃあ、体育の授業とかでやったことあるよ」
「なるほどね、なら、今度の球技大会が楽しみだわ」
「あー、なんか、確か、文化祭と体育祭の前に前夜祭的な感じで球技大会とかあるんだっけ?」
「そう!そこでバスケを俺はやるつもりだけれど、玲もバスケやろうぜー、ほんで光輝と翔もバスケ入って、いいメンツになりそうー」
「おいおい、まだやるなんて言ってないんだが?」
「あはは!まあまあ、その時になったら、無理やりにでも入れてやるから!」
「おい!やめろやめろ!無理やり入れるんじゃない!…全く、勘弁してくれ」
「あははは!!やっぱり面白いや!玲は、ま、これからもよろしく頼むぜー」
「ああ…」
俺と新崎が談笑している間、他のみんなは何していたかと言うと…
「花火ってさ実は球体に弾けるんだってー知ってた?」
「え!そうなの?!」
「いや、元々球体だったんだから、当たり前でしょ?」
「もう!梓ちゃん!正論言っちゃいけないよー」
若葉さんと神楽坂さん、そして、女子メンで楽しそうに話していた。
翔はと言うと…
「ごめんなー花宮さんすぐに見つけることが出来なくて」
「ううん、大丈夫…ありがとう、探してくれて」
「いや、俺が誘ったんだし、一応ね?」
「ふふふ…それでもありがとう」
花宮さんにありがとうって言われて、嬉しそうだった。
(ふむ、何とかなりそうかな?まあ、俺があまり踏み込みすぎないようにしないとな…)
俺は翔と花宮さんがくっつくように仕向けることを誓った。
◾️桜 視点
今日はドキドキすることがあった。
夏祭りに来たのに、みんなと会えなくて、困っていたら、怖そうな男の人たちに囲まれて、連れていかれそうになって、でも、白鳥くんが助けてくれて、今、みんなと一緒に花火が見れてます。
(どうなることかと思ったけれど…白鳥くんが助けてくれたから…危なかった…)
私は少し怖かったけれど、白鳥くんを見て、少し安心したんだ。
私は向こうの方で男子と話している白鳥くんを見た。
楽しそうに男子と話していて、その姿に心が温かくなった。
(私…白鳥くんといると安心するんだ…ホッとするんだ…何でかな?)
私は自分に質問した。きっと自分のことだから、答えはもう出てると思う。けれど、私はまだ、その気持ちがはっきりと分かるわけじゃなかった。
だから、確かめていこうと思った。この気持ちの正体が本当にアレなのかどうかを……
好きって言う気持ちなのかを…
◾️玲 視点
ドーーーンッ!!
「お!始まった!」
みんなが空を見上げた。大きな花火が空に咲いた。
「たーーーまーーーやーーーー!!」
新崎が大きな声で叫んだ。
「ほら!玲もやろうぜ!」
「分かったよー」
俺は思いっきり息を吸って…
「たーーーまーーーやーーーー!!」
夜空に俺の声が響いた。夏が始まるってそう思った。
※あとがき
いやー夏休み、一発目のイベントは夏祭り!でしたねー
花宮さんを見事救出!『神城』くんは喧嘩強いんだねー
翔くんと玲くんのこれからの関係…一体どうなるのか…
次回、ドキドキ追跡?!
お楽しみに!
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